JICA、ムスリムフレンドリーに関する第3国研修を開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 国際協力機構(JICA)マレーシア事務所は、マレーシア外務省及びマレーシア標準工業標準研究所(SIRIM)と共同で第三国研修「ムスリムフレンドリー・ホスピタリティを適応したツーリズム・デリバリー改革」を2024年11月17日―27日に開催すると発表した。

第三国研修は、ある開発途上国において、他の開発途上国から研修員を受け入れて行われる研修をJICAが資金的・技術的に支援する技術協力の一種。特定の分野における日本とマレーシアの経験を共有し、研修員が自国の様々な課題に対処する能力を強化することを目的とする。

マレーシアにおいては、マレーシア外務省が1980年からマレーシア技術協力プログラム(MTCP)を実施しており、1992年からマレーシア外務省と JICAが共同で第三国研修を実施している。

今回の第三国研修は、研修実施機関であるSIRIMが受け入れ機関となり、アジア諸国9カ国の研修員10人を受け入れてムスリムフレンドリーに関する研修を行う。研修員の多くは本分野を担当している政府職員で、ムスリムフレンドリーのコンセプトとフレームワークの紹介、ムスリムフレンドリー関連施設や企業視察などを行う。

7回目のイスラム債、イオンクレジットサービスが発行

【クアラルンプール】 イオンクレジットサービス(マレーシア)は14日、発行枠50億リンギのスクーク(イスラム債)発行計画に基づく7回目の起債を行った。

優先債で、5年で償還の2億5,000万リンギの債券と、6年で償還の2億リンギの債券の2種。調達した資金は、消費者ローンの原資、以前調達した資金の借り換えなどに利用する。貸し付けで得た収益はイスラム法に準拠した用途にのみ使う。
(ザ・スター、11月15日、ベルナマ通信、11月14日)

テクスケムにデータ暗号化のサイバー攻撃、業務に支障はなし

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日系テクスケム・リソーシズ(TRB)は11日、同社と子会社がサイバー攻撃を受け、サーバー内の一部のデータが暗号化され、アクセス不能になったと発表した。

TRBは攻撃を発見後、直ちにネットワークを隔離し、攻撃を受けたサーバーの保護、復旧作業に着手したという。この出来事を調査するため外部コンサルタントを雇用した。対策不十分と思われる点を調べ、サイバーセキュリティー基盤を強化し、データ復号を図るという。

業務への影響を最小限にとどめるため業務復旧作業を既に開始した。11日の時点で金銭的損害、業務面の混乱はなく、データの外部漏洩も確認されていないという。

ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)による攻撃だが、データを元に戻すことと引き換えに「身代金」を要求されたかは明らかにされていない。

日本をモデルにした地下放水路、セランゴール州が計画

【クアラルンプール】 セランゴール州政府は首都圏クランバレーの洪水対策として、埼玉県春日部市にある「首都圏外郭放水路」と同様の地下放水路の建設を計画している。事業費が推定60億リンギと巨額に上ることと、連邦直轄地のクアラルンプールも含まれることから、提案書をファディラ・ユソフ副首相(兼エネルギー移行・水利転換相)に提出した。

首都圏外郭放水路は、中小河川の洪水があふれ出す前に地下トンネルに取り込み、安全に大きな河川へ放流する施設。地下神殿と呼ばれ、見学会が催されている。

セランゴール州のイザム・ハシム・インフラ農業委員長(国政の閣僚に相当)は日本を訪問した際、外郭放水路と川崎市が整備した「五反田川放水路」を視察しており「極めて優れた施設であり、マレーシアの洪水対策として有用だ」と語った。五反田放水路は大雨で水位が上昇した場合、地下トンネルを通じて直接多摩川に放流することで、下流の洪水被害を軽減する。

イザム・ハシム氏は「州の河川は異常降雨を吸収しきれない。地下放水路を建設すれば、州だけでなく、クアラルンプールも洪水から守られる」と語った。州では河川氾濫の頻度が増している。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、11月8日)

HKS、「東京オートサロンKL2024」にコンセプトカー出展

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 チューニングメーカーのエッチ・ケー・エス(HKS、本社・静岡県富士宮市)は、マレーシアで11月8日―10日の日程で開催される「東京オートサロン・クアラルンプール(KL)2024」にてコンセプトカーの展示を行うと発表した。

東京で開催された「東京オートサロン2024」で展示した車両を刷新したコンセプトカー「THE HKS GT-R R35 MY24 NISMO DimensionZ」を展示する。ベース車両は2024年式日産「GT-R NISMO」で、新たに立ち上げた車両販売事業「THE HKS」の象徴的存在として製作した。

日本での車両販売価格は1億1,000万円で、発売開始は2025年冬を予定している。

日清オイリオ子会社、ガスマレーシアからバイオメタン購入

【クアラルンプール】 日清オイリオのマレーシア子会社、インターコンチネンタルスペシャリティファット(ISF)は、ガス・マレーシア子会社のガス・マレーシア・エナジー・アンド・サービシズ(GMES)からバイオメタンの供給を受ける契約を締結した。

バイオメタンには国際持続可能性カーボン認証(ISCC)プラスの証明書が付いている。ISCCプラス認証は、再生可能な材料やリサイクル材料を使用した製品を認証する国際的な認証制度で、食品、飼料など、持続可能な原料や中間材、最終製品、関連するサプライチェーン上の事業者が対象。

締結式に立ち会ったガス・マレーシアのアハマド・ハシミ最高経営責任者(CEO)は「これまで化石燃料に依存してきた産業における再生可能エネルギー(RE)の採用を前進させる一歩となる契約だ」と語った。

パーム油工場の廃液を原料にバイオメタンを生産するもので、循環経済のモデルになり得る。二酸化炭素排出が削減されることで、ISFの環境・社会・統治(ESG)目標の達成にも貢献するという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月2日、マレーシアン・リザーブ、11月1日)

イオンクレジット、最終7回目のイスラム式起債を実行

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 イオンクレジットサービス(マレーシア)は28日、イスラム金融式コマーシャルペーパー発行プログラムに基づく、7回目で最後の起債を実行した。起債額は1億リンギ。

調達した資金は無担保金融の原資、既発行イスラム債の借り換えなどシャリア(イスラム教に準じた)業務に活用する。

コマーシャルペーパー発行プログラムを開始したのは2023年3月。1回の起債額はそれぞれ5,000万―2億リンギで、合計で7億3,000万リンギを調達した。

イオンクレジット(マレーシア)の設立は1996年12月で、2005年11月、ノンバンクとして初めてクレジットカードを発行し、2007年1月には日系企業として初めてイスラム金融方式の資金調達を実施した。

シーエムプラス、ハラル関連サービスで政府系企業と覚書

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 シーエムプラス(本社・神奈川県横浜市)は、セランゴール州政府傘下のコンサルティング会社、ヒストイバとハラル(イスラムの戒律に則った)分野でのパートナーシップについて、14日に覚書を取り交わしたと発表した。

ヒストイバはセランゴール州でハラル産業の発展を支援しており、ハラル認証につながる教育訓練支援での知見や、輸出促進など、グローバルな支援体制を拡充している。19日まで開催されたハラル関連産業の国際展示会「セランゴール国際ハラル会議(SELHAC)」を運営。シーエムプラスは同展示会に出展した。

シーエムプラスは覚書に基づき、製薬・医療機器・化粧品・食品などを取り扱う日本企業のマレーシア国内における製造施設建設や認証取得、日本国内での教育サービスを提供。日本企業のハラル対応を支援する。

具体的には▽ハラル認証の取得支援▽ハラル認証に準拠した製造承認の取得支援▽ハラル教育研修コンテンツの提供▽ その他、ハラルに関連したサービスの提供――を行う。

 

離任の髙橋大使、日本への投資拡大に期待

【クアランプール】 今月末で離任する髙橋克彦・駐マレーシア日本大使は、「フリー・マレーシア・トゥデー」との単独会見に応じ、マレーシア企業による日本への投資拡大への期待を示した。

髙橋大使は、日本が世界3位の経済大国であることに加え、人材の質の高さや、高度な研究開発環境をアピール。「海外での事業拡大を目指すマレーシアの製造業およびテクノロジー企業にとって魅力的な投資先である」と語った。

また、観光分野でも、マレーシア企業が北海道や京都、沖縄などですでに投資に成功していることを指摘。「日本では質の高い宿泊施設が不足しており、今後もマレーシア企業にとって有利な分野だ」とした。

さらに、過去5年間でマレーシアへの日本食品輸出が倍増したことを挙げ、「ハラル産業で、マレーシアはイスラム諸国とのビジネスの入り口として、日本企業から大きな注目を集めている」と述べた。

そのほか、グリーン経済やデジタル経済分野、物流の分野などでの2国間の可能性も大きいとし、「今後、日本の首相がだれになろうとも、マレーシアとの(良好な)関係は変わらない」と強調した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、10月26日)

テクスケムの小西雄馬・新CEOが正式就任

【クアラルンプール】 化学品製造や食品加工などを手掛ける日系多角企業、テクスケム・リソーシズの小西雄馬専務取締役(46)が、23日付けでグループ最高経営責任者(CEO)に正式就任した。

雄馬氏の昇格はヤップ・キーキョンCEOの退任にともなうもので、テクスケムは同日発表した声明で、「雄馬氏は組織を近代化し、活性化させる」と述べた。
雄馬氏は創業者である小西文彦会長の息子。以前はグループ・ポリマーエンジニアリング部門の社長兼CEOを務めていた。

テクスケムは1973年創業。1993年にブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)二部(当時)に上場し、1995年には飲食業に進出。2001年6月にはメイン市場に昇格した。▽化学品製造▽ポリマー・エンジニアリング▽食品加工▽飲食(すし金など)――など幅広く手掛けている。
(マレーシアン・リザーブ、10月24日)