日・マレーシア首脳会談、両国関係強化を確

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 アンワル・イブラヒム首相は23日午後、岸田文雄首相と首脳会談を行った。

岸田首相は両国関係の着実な進展に触れ、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化のためマレーシアとの連携強化を表明した。アンワル首相も「包括的・戦略的パートナーシップ」の下、関係発展への意欲を示した。

会談では、政府安全保障能力強化支援(OSA)によるマレーシアへの警戒監視用機材の供与や自衛隊とマレーシア国軍の共同訓練実現への言及があり、海上法執行分野の協力強化も確認された。また、エネルギー移行や脱炭素化、重要鉱物、デジタル、サイバーセキュリティ、サプライチェーン強靭化、人材育成等の分野での協力推進にも合意がなされた。

また、東シナ海・南シナ海情勢、イスラエル・パレスチナ情勢、ウクライナ情勢、北朝鮮問題など、地域・国際的な課題への対応についても意見交換が行われ、引き続き両国で連携していくことが確認された。

リンギが円に対し値上がり、15年6月以来の高水準に

【クアラルンプール】21日の為替市場ではリンギが円に対し値上がりし、取引開始早々、100円に対し2.99リンギ台と3リンギを割り込んだ。2015年6月以来の対円リンギ高となった。

午前9時台の相場は100円に対し2.9984/3.0012リンギだった。その後、3.001/3.0022リンギで取引された。

イスラム銀行バンク・ムアマラット・マレーシアのモハマド・アフザニザム主任エコノミストは、マレーシアと日本の金利差が大きいことが強いリンギの理由と指摘した。

日本の1-3月期の国内総生産(速報値)は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が前期比0.5%減、年率換算で2.0%減と縮小しており、金利引き上げの可能性は限定されているため、リンギ高は続く可能性があるという。

UOBケイ・ヒアン・ウエルス・アドバイザーズのセデク・ジャンタン氏は20日の声明で、日本銀行が国債買い入れを減額したことを指摘。「2.0%のインフレターゲットが達成できたと日銀が確信できるか次第だが、7月末までに金利を0.1%引き上げるとの憶測が流れている」と述べていた。

円は長期にわたり下落を続けており、日本は輸入物価の上昇で消費が減退している。
(ザ・スター、5月22日、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、5月21日)

福山通運、現地子会社の新倉庫がシャアラムで完成

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 福山通運(本社・広島県福山市)は、マレーシア子会社のE.H.ウタラ・ホールディングスが19日、セランゴール州シャアラムで建設していた新倉庫の竣工式を行ったと発表した。同社は2023年2月に起工式を実施していた。

声明によると、建設地はスバン工業団地内で、地上2階建て鉄筋コンクリートおよび鉄骨造、敷地面積1万5,523平方メートル、延床面積1万6,190平方メートルとなっている。

福山通運は、新倉庫の立地がマレーシア国内最大規模となるポートクランおよび首都クアラルンプールへのアクセスに優れ、物流拠点として需要の高い地区にあると強調。今後、東南アジア地域でのネットワークを更に強化するとともに、多様化する顧客ニーズに対応するためよりきめ細やかな物流サービスを提供していくとしている。

アンワル首相が訪日、岸田首相と会談

【東京】 アンワル・イブラヒム首相が22日夜から3日間の日程で日本を訪問した。昨年12月に次ぐ2回目の訪問となる。

モハマド・ハッサン外務相、テンク・ザフルル投資貿易産業相、スティーブン・シム人的資源相も同行した。

アンワル首相は、23日、第29回日経フォーラム「アジアの未来」で基調講演を行い、日本の岸田文雄首相と二国間会談を行った。会談では、ハイテク、エネルギー移行、環境協力、防衛・安全保障、能力開発、高等教育に関するマレーシアと日本の関係強化に向けた取り組みを確認。産業界トップとの会談も実施した。
(マレー・メイル、エッジ、5月22日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、5月21日)

クラリオンマレーシア、5G対応高度製造ラインを試験稼働

【クアラルンプール】 カーオーディオのクラリオン・マレーシアは、通信のYTLコミュニケーションズおよび電子機器受託製造(EMS)のシナジェンツとの協業により、国内初の第5世代移動通信(5G)対応高度製造ラインの試験稼働に成功したと発表した。

YTLの接続サービス「イエス」の大容量かつ超低遅延な5Gプライベート・ネットワーク(企業専用5G網)、仏ダッソー・システムズの次世代統合基幹業務システム(ERP)や製品ライフサイクル管理システム(PLM)を導入し、生産効率と品質の両方を向上させた。シナジェンツは、インテリジェント・スキャナー、スマート・ラック、X線自動カウンター、自律移動ロボットなどの5G対応製造ソリューションを提供。工場・倉庫の資材管理から最終製品の組立・配送まで自動化することで、人的ミスを最小限に抑えながら処理時間を70%短縮した。

YTLが米インテル、台湾QCTと共同で開発した「イエス5Gプライベート・ネットワーク」は、高速な接続を提供するだけでなく、世界標準に準拠した堅牢なセキュリティの実現に向け、インテルの最新CPU「ジーオン(Xeon)スケーラブル・プロセッサー」を採用し、トラフィックを専用5G網内で完結させているという。
(ソヤチンチャウ、デジタル・ニュース・アジア、5月20日)

「お試し出店サービス」第2弾、富山ブラックラーメンが出店へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 「お試し出店サービス」第2弾のプロジェクトとして、富山ブラックラーメン「麺家いろは」がクアラルンプール(KL)の「ロット10」にある「ジェーズ・ゲート」内に5月25日から6カ月間の期間限定で初出店する。

「お試し出店サービス」は、ラバブルマーケティンググループ(本社・東京都港区)、ヴィダ・コーポレーション(本社・東京都渋谷区)、プログレッソディレクション(本社・東京都中央区)が協業し開始したもので、「伝説のすた丼屋」に次ぐ2例目となる。

今回のマレーシア出店では、「麺家いろは」として初の試みとなる「ハラル」メニューで出店する。6カ月限定で入居する形で、期間中にマレーシアにおける事業可能性を見極めてもらい、直営もしくはフランチャイズ形態を通じて本格進出するか撤退するか判断してもらう。

「麺家いろは」は日本最大級のラーメンの祭典「東京ラーメンショー」で5度に渡り売上数第1位に輝いた、富山ブラックラーメンで知られ、「白エビ塩らーめん」や「激辛タンタン麺」も提供する。現在、富山県内2店舗、京都1店舗、神奈川県1店舗、海外は香港1店舗、台湾2店舗、タイ2店舗を展開している。

 

ペットホテル「ワンルーク」、マレーシア駐在事務所を開設

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ペットホテル&トリミングサロン「ワンルーク」を運営する日本ペットホテル協会(本社・愛知県名古屋市)は17日、市場調査のためにマレーシアに駐在事務所を開設することを4月5日付けで決定したと発表した。

同社はワンルークを2023年4月に設立して以来、名古屋を中心に日本国内49拠点でペットホテル&トリミングサロンをフランチャイズ展開している。国内に限らず、海外進出も視野に入れており、2025年に上海、フィリピンに店舗出店することも計画している。

今回、海外進出への取り組みの一環として、マレーシア駐在事務所の開設を決定した。市場調査を行い、海外におけるニーズや特性を分析することで、海外展開を本格化していく方針だ。

イオンマレーシア、第1四半期は51%の大幅増益に

【クアラルンプール】 イオン・カンパニー(M)(イオンマレーシア)は、今年第1四半期(2024年1―3月期)決算で純利益が5,739万リンギとなり、前年同期比51%の大幅増益となったと明らかにした。小売事業部門と不動産管理サービス部門の成長が寄与した。

同期の売り上げは11億6,735万リンギで、前年同期の11億684万リンギから5.5%増加した。小売事業部門の売り上げが4.2%増の9億8,050万リンギとなり、祝祭シーズンを背景にした食品と衣料品の好調な販売が後押しした。

不動産管理サービス部門は売り上げが1億8,690万リンギとなり、前年同期の1億6,540万リンギから13%増加した。稼働率の改善と効果的な賃貸更新が貢献したもので、モールの刷新プロジェクトと店舗改装の成功に支えられ稼働率は2024年3月時点で93.6%に達した。

イオンマレーシアは、「イオン・バンダル・プチョン」、「イオン・ブキ・インダ」、「イオン・テブラウ・シティ」、「イオン・イポー・ステーション18」の改修工事を含む、いくつかのプロジェクトが進行中だと明らかにした。

イオンは今年、マレーシア創業40周年を迎える。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月16日、ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、エッジ、ベルナマ通信、5月15日、イオンマレーシア発表資料)

ホンダマレーシア、改良版「シティハッチバック」を発表

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ホンダ・マレーシアは13日、Bセグメント・ハッチバック車「シティ・ハッチバック」のフェイスリフトモデル5種を発表した。月間900台の販売を見込んでいる。2021年12月の発売以来、「シティ・ハッチバック」の累計販売台数は2万8,700台に達した。

バリアントはガソリン車の「1.5L S」、「1.5L E」、「1.5L V」の3種に新たに「RS」バージョンの「1.5L RS」が加わり、ハイブリッド車の「1.5L RS e:HEV」を合わせて5種となった。保険なし価格はそれぞれ▽8万5,900リンギ▽9万900リンギ▽9万5,900リンギ▽10万900リンギ▽11万2,900リンギーーとなっている。車体カラーはガソリン車で4色、ハイブリッド車で3色を用意した。

以前のモデルからフロントグリル、LEDフロントフォグランプ、リアバンパー、ホイールなどが変更されたほか、全長は「RS」2種が4,369ミリメートル、その他3種が4,350ミリメートルに延長された。

エンジンはガソリン車4種には最高出力121PS・最大トルク145Nmを発揮する1.5リットル4気筒DOHC i-VTECエンジンを、「RS e:HEV」には最高出力109馬力・最大トルク253Nmのモーターを組み合わせたハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載した。

吉村宏信 社長兼最高経営責任者(CEO)は、今年第1四半期の販売台数が2万1,500台となり、前年同期比23%の大幅増になったと明らかにした。

富士フイルム、中小企業向けDX支援ソリューションを発表

【クアラルンプール】 富士フイルムビジネスイノベーションジャパン(本社・東京都江東区)傘下でマレーシア事業を管轄する富士フイルムビジネスイノベーション・アジアパシフィックは、マレーシアの中小企業(SME)のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する2つのソリューションを発表した。

「富士フイルムIWpro」は、文書の自動取込み・仕分けから、データ共有、管理、出力、そしてセキュリティや操作のしやすさまで、業務デジタル化に求められる機能を集約したクラウドサービス。「ITエキスパートサービス」は、専門スタッフが、顧客企業のIT運用・管理業務を支援し、新たなITの活用や戦略を提案するサービスとなり、効率性の向上、経費削減、セキュリティ対策の強化が見込まれるという。

富士フイルムビジネスイノベーション・マレーシアのジョン・ウォン ゼネラルマネージャーは、2つのソリューションの総売上高を約800万リンギと見込んでおり、中小企業のワークスタイルの変革や業務最適化を支援していくと述べた。
(ビジネス・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、5月15日)