ペナン国際空港の拡張工事スタート、28年までに完成予定

【ジョージタウン】 空港運営のマレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)は、ペナン国際空港(PIA)の拡張プロジェクトを開始し、プロジェクトを監督するチームを任命したことを明らかにした。総事業費は10億リンギ。正式な着工式は後日開催される。

同州観光クリエイティブ経済委員会のウォン・ホンワイ議長(国政の閣僚に相当)によると、同プロジェクトは▽建物工事および関連工事▽エプロンおよび空港施設工事▽メインターミナルビルおよび関連工事――の3つの主要パッケージで構成され、2028年までに完了する予定。完成すれば旅客取扱能力は年間1,200万人に拡大する。MAHBはまた、公共交通資産を運営管理するMRTコープと連携し、メインターミナル近くに軽便鉄道(LRT)駅を建設する計画だ。

国際線の出発ホールと到着ホールの両方に電子ゲートを10カ所設置する。出入国手続改善のためのインフラ工事は2024年11月に開始し、4カ月で完了する予定。出入国管理局はすでに、外国人訪問者の支援のために、国際線到着ホールに「マレーシア・デジタル」アライバルカードのヘルプデスクを設置しており、11月末までに30人以上の管理官を同空港に配置する。

ペナン国際空港の旅客取扱数は2023年には700万人。今年年初9カ月ではすでに555万人となり、前年同期の520万人から6.78%増加しており、通年では780万人に達すると予想されている。
(マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、10月16日)

ジェトロの海外スタートアップ支援事業、日系5社が来馬

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は、日系スタートアップの海外展開支援プログラムの一環として17―18日に参加企業5社がマレーシアを訪問し、現地企業や支援機関、投資家・ビジネスパートナーとのマッチングを行うと発表した。

ジェトロがマレーシアの財閥系サンウェイiLABSと提携して実施している、オープンイノベーション推進に向けた日本企業と海外企業のデジタル技術(DX)などを活用した連携・協業を支援するアクセラレーションプログラムで、6回目となる今回は、マレーシアで注目を集める「グリーントランスフォーメーション」の分野で革新技術を有する日本企業に特化したプログラムとなっている。

プログラムは8月よりスタートし、参加企業5社に対してオンラインでマレーシアのエコシステム情報の提供や個別メンタリングを繰り返し、各社のマレーシア展開戦略をブラッシュアップしてきた。

サンウェイiLABSはネットワークを活かし、東南アジア諸国連合(ASEAN)・マレーシア企業とのアライアンス(業務提携・技術提携・出資・合弁事業設立など)やM&Aにより、ビジネス開発や新規事業創出を目指す日本企業に対し、協業先候補の発掘から事業化に向けたメンタリングまで伴奏する一貫支援プログラムを提供する。

店舗網拡大と既存店のてこ入れが柱=イオンマレーシア社長

【クアラルンプール】 イオン・カンパニー(M)の岡田尚也社長は「ビジネス・トゥデー」との単独会見に応じ、店舗拡大と既存店のてこ入れを経営の柱とすると語った。

岡田氏は「イオンは過去数十年間に大きく成長した。しかしその成長を再び加速する時が来た。店舗拡大だけでなく、既存店を改装し再活性化する」と述べた。

岡田氏はまた、イオンは大衆向けに衣・食・住をすべて満たす商品を取り扱う総合スーパー(GMS)を展開するが、GMSモデルからの脱皮を図り、今後はユニクロや豪州系ハーベイ・ノーマンが競争相手になると語った。ハーベイ・ノーマンは、家電、家具、コンピューターなどを扱う小売業者。

これまで重視しなかったプライベートブランドに力を入れる。大きな潜在性が見込めるためで、特にハラル(イスラム教徒向け)食品の調達に注力する。こうした転換は日本事業がモデルだが、日本モデルをそのまま取り入れるのではなく、マレーシア市場に合った手法にして取り組むという。
(ビジネス・トゥデー、10月16日)

マレーシア人訪日者数、9月は前年比44.9%増の約4万人

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2024年9月の訪日者数統計(推計値)によると、マレーシアからの訪日者数は3万9,900人となり、前年同月比で44.9%の大幅増となった。

JNTOによると、査証免除措置による訪中旅行への人気の高まり、機材繰りなどに伴う一部航空会社の運航規模縮小などあるものの、スクールホリデーや連休等の影響もあり、訪日外客数は9月として過去最高を記録した。 クアラルンプール―羽田間の増便などもあり、日本への直行便数は前年同月を上回っている。なお、新型コロナ感染拡大前の2019年同月との比較でも38.6%の大幅増加となった。

9月の世界全体の訪日者数は、前年同月から31.5%増の287万2,200人、2019年同月からは26.4%増となり、8カ月連続で同月の過去最高を記録した。 東アジアでは中国、東南アジアではマレーシア、欧米豪・中東地域では米国などで訪日外客数が増加したことが押し上げ要因となった。1―9月の累計では 2,688万人となり、前年同期を上回った。

三重県、水産物商談会をクアラルンプールで開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 三重県は15日、クアラルンプール(KL)市内で三重県の水産物関連会社と地元バイヤーによる水産物商談会「みえの水産物輸出商談会」を開催した。

三重県がマレーシアとシンガポールの両国で企画している水産物商談会の一環として行ったもので、三重県農林水産物・食品輸出促進協議会水産部会と弊紙発行元であるアジアインフォネットの共催。11月に予定されているオンライン商談会に先駆けて、日本産水産物の輸入実績が豊富なマレーシア側のバイヤー5社を招いて対面で行った。

日本側の売り込み商品は、小売り及び飲食店向けの▽冷凍伊勢エビ▽冷凍タツイカ▽冷凍ブリチーズカツ▽乾燥ノリ▽冷凍カキ・加工品▽アコヤ貝柱▽マダイ生ハム▽焼き串ひもの▽海鮮魚串▽さつま揚げ▽ブリトロ▽フレーバーオイル(わさび、ゆず)――など20数品目。

同日の対面による商談会の三重県側の参加者は▽A-LINE▽福井▽丸善水産▽山藤▽TA西村▽交洋――の6社で、▽若松屋▽尾鷲物産▽辻製油――の3社はオンラインで参加することになっている。

来年度は拡大予算の見通し、初の4千億リンギ超も=専門家予想

【クアラルンプール】 18日にアンワル・イブラヒム首相が下院議会で発表する予定の2025年度予算案について、多くのエコノミストは順調な経済成長を背景に歳出規模が拡大すると予想しており、初めて4,000億リンギを超えるとの見方も浮上している。
経済紙「エッジ」がエコノミストを対象に行ったアンケート調査によると、政府は経常支出を増やす一方で、開発支出を抑制する方針をとるとみられ、貧困対策をメインとした多額の現金給付、既存および新規インフラプロジェクトへの支出、公務員給与の増額が盛り込まれるとみられている。

政府は年間80億リンギの削減効果が期待されるディーゼル燃料補助金合理化を打ち出す一方で、公務員給与引き上げで100億リンギの支出を見込んでいる。エコノミストらは、物価上昇を背景とした低所得者向け一時金支出などもあり、来年度の経常支出は前年度の3,038億リンギを上回る3,140億リンギになると予想している。
一方で開発支出については、エコノミストらは前年度の900億リンギから870億リンギ程度に削減されると予想している。ただ注目度の高い東海岸鉄道線(ECRL)などのインフラ事業は継続されるとみている。

歳出拡大にともなう財政赤字の対国内総生産(GDP)比については、開発支出削減にも関わらず経常支出増額により上昇するとみられており、エコノミスト11人の予想平均は3.8%で、第12次マレーシア計画(12MP)中間見直し時の目標である3.0―3.5%を上回っている。

こうしたことからエコノミストらは、支出増を賄うための財源として新税導入の代わりに、砂糖入り飲料への課税引き上げなど、既存の税の範囲を拡大するとみている。また物品・サービス税(GST)再導入も来年はないとみている。
(エッジ、10月15日)

サンウエイREIT、モントキアラのショッピング施設買収完了

【クアラルンプール】 ショッピングモール、オフィス、ホテル、大学キャンパスなどを所有するサンウエイ不動産投資信託(REIT)は、クアラルンプール北西部の高級住宅街、モント・キアラのショッピングモール「163リテール・パーク」の買収手続きを完了した。「サンウエイ163モール」の名称に変更し運営する。

入居率は99%で、100余りの店舗・ブランドが入居している。サンウエイは2億1,500万リンギで購入した。投資利益率は6.5%を見込んでいる。将来建設される大量高速輸送(MRT)環状3号線のスリ・ハルタマス駅はサンウエイ163から徒歩圏内に建設される予定だ

同REITを管理するサンウエイREITマネジメントのクレメント・チェン最高経営責任者(CEO)は「長期計画としてテナント構成やフロア構成を変更する」と語った。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、10月11日)

三菱自(M)、新型ピックアップトラック「トライトン」発表

【クアラルンプール】 三菱モーターズ・マレーシア(MMM)は16日、9年ぶりにフルモデルチェンジとなった2024年型ピックアップトラック「トライトン」を発表した。

第6世代「トライトン」のバリエーションと保険なし価格は、それぞれ▽シングルキャブ(10万1,980リンギ)▽MT GL(11万4,980リンギ)▽AT GL(11万6,980リンギ)▽ATプレミアム(14万5,980リンギ)▽アスリート(16万5,980リンギ)――。最上位バージョンの「アスリート」は12月までに予約した場合は5年間、走行距離無制限の保証、他の4バリエーションは5年間、走行距離20万キロメートルの保証が付く。

パワートレインは、「アスリート」が直列4気筒2.4リットル4N16型2ステージ・ターボディーゼルエンジンを搭載。最大出力204PS(150kW)、最大トルク470Nmを発揮する。他のバリエーションは直列4気筒2.4リットル4N16型ターボディーゼルエンジンを搭載。最大出力184PS(135kW)、最大トルク430Nmを発揮する。

車体カラーは「アスリート」が、ヤマブキオレンジ、ジェットブラックマイカ、ホワイトダイヤモンドの3色。「プレミアム」がホワイトダイヤモンドとグラフィックグレーの2色、「GL」2車種がソリッドホワイトとブレードシルバーの2色。
(ポールタン、モタオート、10月16日)

JOGMEC、ペトロナスとメタン排出管理実証設備設立で連携

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC、本部・東京都港区)は15日、マレーシアの国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)との東南アジア諸国連合(ASEAN)メタン排出管理実証設備設立に向けた連携を発表した。

マレーシアで開催されたASEANエネルギー・セクター・メタン・リーダーシップ・プログラム(ASEAN MLP) 2.0」の公表の場で明らかにした。ASEAN地域初のメタン排出管理実証設備となる東南アジアMETECを設立する。ASEAN MLP2.0は2023年6月から実施されていたASEAN MLP1.0に続くプログラムで、メタン排出管理におけるASEAN地域での連携を実施している。

ASEAN地域でのメタン排出管理は、地域の気候やASEANに多くみられる海上の天然ガス生産設備に適した手法を検討する必要がある。東南アジアMETECでは、ペトロナスおよびペトロナス工科大学(UTP)、ペトロナス石油技術研究所(INSTEP)と連携し、ASEAN地域の天然ガス生産設備の特徴を踏まえた排出実証設備の設立を目指す。

同設備では各地域の企業と連携し、メタン排出の測定・モニタリング・報告・検証プロセスについて検討し、ASEAN地域全体のメタン排出量削減を支援する。これにより石油ガス開発の事業者がメタン排出対策を行う際に、事前にメタン測定技術を評価する場を設けることで、計画策定の効率化を図ることができるようになる。

マレーシア航空、来年3月に米国線を共同運航で再開

【クアラルンプール】 マレーシア航空(MAS)は、アメリカン航空とのコードシェアを通じて2025年3月から米国線を約11年ぶりに再開する。両社は共にワンワールド・アライアンスのメンバーで、パリ経由となる。

航空運航情報のエアロルーツによると、マレーシア航空は来年3月22日からエアバスA350-900型機を使用して、クアラルンプール新国際空港(KLIA)―パリ(シャルル・ド・ゴール空港)線を運航する。3月28日までは週4便運航し、3月29日からは毎日運航に増やす予定。

アメリカン航空は同日からパリ―米国線を運航する。コードシェアとなるパリ―米国路線にはシカゴ・オヘア国際空港、ダラス・フォースワース国際空港、マイアミ国際空港、ニューヨーク・ケネディ国際空港線が含まれる。

マレーシア航空は1980年代からロサンゼルスやニューヨークなど米国の複数の目的地に飛んでいたが、経営難に陥ったことから2014年に事業再編計画の一環として米国線から撤退していた。ロサンゼルスへは2012年まで台北経由で、その後2014年まで東京経由で、ニューヨークのニューアーク・リバティー国際空港へは2004年までドバイ経由で、その後2014年までストックホルム経由で飛んでいた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、10月14日、エアロルーツ、10月11日)