国家投資委員会、半導体企業110社の設立支援など枠組み承認

【クアラルンプール】 今年1回目の国家投資委員会(NIC、議長はアンワル首相)が17日に開催され、国家半導体戦略(NSS)に基づく、半導体の高付加価値化に重点を置く国内企業110社の設立支援など具体的枠組みが承認された。

設立支援対象となるのは、集積回路(IC)設計、先進後工程(パッケージング)、先進的な半導体製造装置に関わる企業で、年間10―47億リンギの収益規模の企業10社と、年間10億リンギの収益規模の100社という。

昨年5月に発表されたNSSは、投資貿易産業省(MITI)の主導で、国内企業を半導体分野におけるメインプレーヤーに転換させ、国内外から投資を促すことを目指している。「メイドインマレーシアからメイドバイマレーシアへ」を掲げ1ー3期の段階に分け目標が設定されており、今回の枠組みは第1期に該当する。昨年の発表では、第1期で250億リンギを割り当て、5,000億リンギの投資誘致が見込まれている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、2月18日)

人材開発のmanebi、マレーシアの大学や企業3社と提携

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 人材開発のmanebi(本社・東京都新宿区)は18日、マレーシアの大学および民間企業3社と提携し、現地ニーズに合わせた教育サービス開発などを図る。

提携したのは、スルタン・イドリス教育大学(UPSI)と、子供向け教育出版社ペランギ・パブリッシング、教育コンテンツ制作などを手がけるソルノベーション・アナリティクス、日本語学校のチャカプ・ジュプン。それぞれ覚書(MoU)や意向表明書(LOI)を締結した。

manabiは日本で派遣・警備・建設などの特定業界に特化したeラーニングなどを提供している。これまでに培った教育研修ノウハウや人工知能(AI)を活用しながら、プラットフォームの拡大を目指す。

今回の取り組みは、経済産業省による日ASEAN経済産業協力委員会(AMEICC)の委託事業「日本のスタートアップによるASEAN企業との協業を通じた海外展開促進事業」の支援を受けたもの。今年1月にサイバージャヤのインキュベーション施設にマレーシア拠点を開設し、今後、海外展開を加速させていくという。

現地通貨取引枠組みの運用指針、3国中銀が合意

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 マレーシア、インドネシア、タイ3国の中央銀行は17日、現地通貨取引枠組み(LCTF)の運用指針の一本化と取引対象の拡大で合意した。3行の共同声明としてマレーシアの中央銀行バンク・ネガラ(BNM)が発表した。

現地通貨での相互決済を容易にするための指針で、これまで2国間で取り決められていた指針を一本化した。決済に参加する銀行、銀行利用者にとり透明性が増し、互いの通貨の直接取引により為替リスク・為替換算手数料を低減できるという。現地通貨での決済はモノ・サービスの貿易、直接投資に限定されていたが、今回、有価証券投資も対象に含められた。

BNMによれば、LCTFの導入以降、現地通貨での2国間貿易の額は増加傾向にある。

マレーシア食品市場解説セミナー、ジェトロが3月21日に開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】  日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は3月21日、マレーシア向けに日本産食品の輸出を検討している事業者や販路拡大を目指す事業者を対象に、マレーシアの食品市場概要を解説するオンライン・セミナーを開催する。

食品輸出支援プラットフォーム事業として行うもので、在マレーシア日本国大使館が共催する。ZOOMによるウェブセミナー形式で実施する。定員は500人で参加費は無料。

申し込みはURL(https://www.jetro.go.jp/events/mak/8bed37287cd77c8e.html )にて3月20日まで受け付ける。ただし、配信可能容量を超えた場合には申し込みを締め切ることがある。

今年も高い経済成長率を維持、投資銀が予想

【クアラルンプール】 国内経済は堅調な成長を今年も維持する見通しで、投資銀行2社は4.9%の国内総生産(GDP)成長を予想している。財務省予想は4.5-5.5%。昨年の成長率は5.1%で、前年の3.6%を上回った。

ホンリョン・インベストメント・バンクはGDP増加の要因として、健全な雇用市場に裏付けられた家計消費を挙げた。低所得層への給付、従業員積立基金(EPF)第3口座からの自由な引出しを認めた措置、外国直接投資(FDI)や外国からの観光客の増加もGDPに貢献するという。中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は政府予測以上の成長もあると予想しており、1年を通じ政策金利を3%に据え置くとホンリョンはみている。

メイバンク・インベストメント・バンクも同様の見解で、投資の増加、認可投資プロジェクトの実現、公務員賃金引き上げなどが経済成長をけん引するとしている。ただ、米トランプ政権の貿易政策、関税措置で不確実性、リスクは残ると、懸念も表明した。
(ザ・スター、2月18日)

ティーライブ、紅茶の本場インド進出に向けフランチャイズ契約

【クアラルンプール】 タピオカティー・チェーンの「ティーライブ」を運営するルーブ・ホールディングスは、インドでファストフード店を展開するディビヤニ・インターナショナル(DIL)とフランチャイズ契約を締結し、インドに進出する。

DILは、フランチャイズによりケンタッキーフライドチキンやピザハット、コスタコーヒーなどを展開しており、インド、タイ、ナイジェリア、ネパールで計2,000店舗超を運営している。

マレーシア発祥のティーライブは現在、東南アジアを始め、モーリシャス、カナダ、アラブ首長国連邦(UAE)などで950店舗を展開する。ブライアン・ルー創業者兼最高経営責任者(CEO)は「チャイの国・インドに革新的なティーカルチャーを持ち込みたい。現地市場をよく知るパートナーの協力で、主要都市を皮切りにインドで大きな存在感を示していきたい」と語った。
(ザ・スター、ザ・サン、ビジネス・トゥデー、2月17日)

ENEOS、サラワク州豪雨で20万リンギ寄付

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ENEOS(本社・東京都千代田区)と、天然ガス・原油の開発事業を手がけるENEOS Xplora(エクスプローラ)は、1月下旬から2月上旬にかけてサラワク州などで発生した豪雨の被害者に対しマレーシア赤新月社を通じ、計20万リンギ(約700万円)を寄付した。

両社の14日の発表によると、同州で長年にわたり事業を展開していることから、地域の復旧と被災者の生活支援を目的に寄付を行ったという。
Xploraは今年1月、JX石油開発から社名変更した。

四方大使がサラワク・サバ州訪問、関係強化を確認

【クチン/コタキナバル】 昨年11月に駐マレーシア日本大使として着任した四方敬之氏がサラワク州とサバ州を訪問し、両州と日本との関係強化を確認した。4月開幕の大阪万博を念頭に、サラワク州との間では直行便開設に日本として関心があると表明した。

サラワク州のアバン・ジョハリ首相を表敬訪問した後の会見で四方氏は、石破首相が1月にマレーシアを訪問した際、アンワル・イブラヒム首相と合意したように、グリーンエネルギー、学術、観光面でサラワク州と日本は関係を強化すると述べた。

四方氏は「水素、アンモニア開発など、サラワク州のエネルギー政策に大きな潜在性を見ている」と述べた。学術面では京都大学と国立マレーシアサラワク大学が州の生物多様性、雨林の保護で協力する。

サバ州で四方氏はサバ産業連盟の関係者と会談。連盟側は州で開催の見本市などへの参加を要請した。
(ボルネオ・ポスト電子版、サラワク・トリビューン電子版、デイリー・エクスプレス、2月14日)

昨年第4四半期の経常収支、114億リンギの黒字

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局によると、2024年第4四半期の経常収支は114億2,400万リンギの黒字で、前期の21億7,600万リンギから黒字幅が大幅に増加した。

モノの貿易収支の黒字が前期の231億3,900万リンギから373億8,400万リンギに増加。サービス収支の赤字は前期の15億7,900万リンギから1億4,900万リンギと減少したことが影響した。ただ、第一次所得収支の赤字は前期の169億8,300リンギから201億5,300万リンギに拡大、第二次所得収支の赤字も前期の24億リンギから56億5,700万リンギになった。

金融収支の赤字は前期の74億9,300万リンギから57億6,400万リンギに抑えられた。直接投資は前期の43億3,700万リンギの純流出から、176億3,200万リンギの純流入に転じた一方、証券投資は前期の35億9,900万リンギの純流入から422億4,800万リンギの純流出になった。金融派生商品は26億7,900万リンギの純流入(前期は4億2,600万リンギの純流出)、その他の投資は161億7,300万リンギの純流入(同63億2,900万リンギの純流出)だった。

 

国家安全法の改正、アンワル首相が内相に指示

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は「2012年国家安全(特別措置)法(SOSMA)」の改正をサイフディン・ナスティオン内相に指示した。閣議後の記者会見でファーミ・ファジル通信相が明らかにした。どのような改正になるか、内相が議会で説明する。

ファーミ・ファジル氏によると、既にいくつかの見直し、改善で合意している。SOSMAは、裁判なしの恣意的拘留を認めた治安維持法に替わるものとして導入されたいきさつがある。SOSMAの下でも当局は被疑者を最長28日間、拘束することが認められており、導入当時政府は、テロや組織犯罪の増加に対処するために必要だとしていた。

13日の議会答弁でアンワル首相は、テロに対処するためSOSMAは必要だが、反対者を黙らせるためというような乱用があってはならず、内容を明確化する必要があるとした。

最近、SOSMA違反容疑で拘留されている約50人の活動家の家族が、面会を拒否されたため刑務所外でハンガーストライキを行う出来事があった。
(マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、2月14日)