日本ハム、養鶏業レイホンとの資本提携を縮小

【クアラルンプール】 日本ハム(本社・大阪府大阪市)は、ハラル(イスラム法に準拠した)食品で合弁を組んでいた養鶏業のレイ・ホンに対する持ち株の一部を売却し、持ち株比率が発行済み株式の13.06%から4.82%に縮小した。

市場外取引による売却で、売買価格は明らかにされていないが、2日のレイ・ホンの終値に基づけば、2,493万リンギの取引になる。

レイ・ホンと日本ハムは16年に、49対51の比率で日本の技術を用いたハラル食品生産会社NHFマニュファクチャリング(M)を設けたが、両社は昨年、合弁を解消。NHFの純資産(総資産から負債を差し引いたもの)が2,120万リンギのマイナスだったことから、レイ・ホンは日本ハムの出資分を1リンギで買い取った。

レイ・ホンが最近発表した第1四半期(4-6月)決算の純利益は前年同期比233%増の1,339万リンギだった。売り上げ増に加え、政府補助が増益に貢献した。
(ザ・スター、10月4日、エッジ、10月3日)

来年度予算、経済セクターに重点=アミル第2財務相

【クアラルンプール】 10月18日に下院議会に上程される2025年度予算案の基本方針について、アミル・ハムザ第2財務相は「経済セクターに重点を置き、経済の基盤強化につながる構造改革路線を継続する」と述べた。

その上でアミル氏は、「政府の方針は国民に還元することであり、保健・教育など国民にとって重要な部門への投資を増やすことを通じて国民を守ることができる。重要なことは国家経済を新しい構造に引き上げることだ」と述べた。

アミル氏はまた、堅調な経済成長を背景により多くの高品質の投資機会が国内にもたらされるようにして、国民に雇用機会が生まれるようにすると言明。マレーシアの政治的安定が、外国投資家が対マレーシア投資を継続する大きな要因となっていると指摘した。

アミル氏はさらに、政府系投資会社(GLIC)による国内直接投資(DDI)の促進に向けた取り組みにより、マレーシアで事業を展開する外国企業、特に半導体セクターを下支えする優れたエコシステムが構築できると強調。「こうした取り組みは、投資家がマレーシアで事業を継続できるようにしながら、地元の業界プレーヤーが競争し、外国市場に参入する余地を開くために重要だ」と述べた。
(マレーシアン・リザーブ、エッジ、ベルナマ通信、10月3日)

住友ベークライト、液状フェノール樹脂の供給を拡大

【クアラルンプール】 住友ベークライト (本社・東京都品川区)は2日、マレーシア子会社のSNCインダストリアル・ラミネーツが手掛けている液状フェノール樹脂の供給を拡大すると発表した。需要拡大が続くアジアにおいて、供給能力強化を通じてプレゼンスを高めていく。

住友ベークライトは、東南アジアではインドネシアに主に固形製品と粉末製品を生産する拠点がある。このたびSNCからの液状フェノール樹脂の供給を拡大・強化することで、東南アジア・西南アジア・オセアニア地域の顧客に対して安定供給を行う体制が整った。

SNCでは世界各地の拠点で開発された差別化製品についても、顧客の要望に応じて供給が可能であり、今後、SNCはフェノール樹脂事業の競争力強化の一翼を担っていく。

SNCは主に回路製品の生産・販売拠点として、1990年にジョホール州ジョホールバルに設立された。設立当初から、内製用にフェノール樹脂生産を行ってきたが、2023年から本格的に外部販売を開始している。

サンウェイ、チェラスで32億リンギ規模の複合開発を計画

【クアラルンプール】 大手デベロッパーのサンウェイは2日、クアラルンプール市チェラスのタマン・テイントンにある面積17.58エーカーの自由土地保有権付き用地を買収すると発表した。総開発価値(GDV)32億リンギ規模の複合開発プロジェクト用地に充てる。

所有者のビバ・インピアンとサンウェイ子会社のサンウェイ・メラワティの間で、用地を3億2,000万リンギで買収することで合意した。ウェルネス中心のコミュニティの構築を目指すサンウェイの持続可能性への継続的な取り組みに沿ったもので、サンウェイの「サンウェイ・デザイン・アンド・デベロップメント・アーキテクチャ (SDDA)」の哲学に基づいた高級サービスアパートとウェルネス重視の小売施設を建設する。

建設地は第2中央環状道路(MRR2)に直結するなど、シャアラム高速道(KESAS)やマジュ高速道路(MEX)などの主要高速道路への接続が良好であるほか、首都圏大量高速輸送(MRT)タマンムティアラ駅から800メートルという公共交通機関へのアクセスが優れた戦略的な場所にある。
(ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、10月2日)

水力発電事業推進でジェンタユ、住友商事と協業

【クアラルンプール】 再生可能エネルギー、建材流通、不動産開発を手掛けるジェンタユ・サステナブルズは、住友商事(本社・東京都中央区)とプロジェクト開発協業協定を交わした。サバ州シピタンで川の流れを利用した流水式水力発電施設を建設する。

事業名は「プロジェクト・オリオール」で、ジェンタユ子会社のオリオ―ル・パワーが手掛ける。シピタン地区のマリンガン川とフル・パダス川に水力発電施設を建設する。発電能力は162メガワットで、投資額は27億7,000万リンギ。協業協定には開発費用の一部(最大1,240万リンギ)を住友が拠出するオプションが含まれている。2027年末もしくは2028年初頭の完成を予定している。

ジェンタユと住友は2023年7月、同事業に関する覚書を交わしており、水力発電所建設など協業について具体的協議に入ることで合意していた。
(ビジネス・トゥデー、10月2日)

マレーシア含む4カ国から輸入の太陽光製品、米国が制裁関税

【クアラルンプール】 米商務省は1日、マレーシアなど東南アジア4カ国から輸入する太陽電池モジュールに対する補助金相殺関税を仮決定したと発表した。韓国系ハンファQセルズ、アリゾナ州に拠点を置くファースト・ソーラー、および中小企業数社による申し立てを受けたもので、商務省が今年計画している2つの予備的決定のうちの最初のケース。ロイター通信などが伝えた。

ハンファQセルズなどは太陽製造貿易委員会米国同盟と呼ばれる組織を結成し、東南アジア4カ国で工場を経営する中国企業は不当な補助を進出先の国で受け、生産コスト以下で米国に輸出していると訴えていた。

米商務省はマレーシアからの輸入品に対して9.13%、カンボジアからの輸入品に対して8.25%、タイからの輸入品に対して23.06%、ベトナムからの輸入品に対して2.85%の補助金率を算出した。

マレーシアからの輸入では、中国系ジンコソーラーに3.47%、ハンワQセルズ・マレーシアに14.72%、バオジア・ニュー・エナジーなど3社に123.94%の相殺関税を仮決定した。この調査結果に対し訴えた側のハンワQセルズはコメントを回避した。商務省は4月に最終決定を発表する。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月3日)

フォーイットのマレーシア現法、シンガポールのYOYOを子会社化

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 フォーイット(本社・東京都渋谷区)は2日、マレーシア現地法人、フォーイット・デジタルを通じて、シンガポールのYOYOホールディングスの発行済み株式の過半数を9月3日付けで取得し、子会社化したと発表した。

YOYOは東南アジアを中心としたインフルエンサー・マーケティングプラットフォーム「PopStar」の開発・運営を手掛けているほか、デジタルマーケティング事業を手掛けている。シンガポールのほか、インドネシア、フィリピンに拠点を持ち、「PopStar」はインドネシアとフィリピンでは国内最大規模のインフルエンサープラットフォームとなっている。

フォーイットは、YOYOの子会社化を通じて、成長市場への早期参入、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域におけるパフォーマンスマーケティング市場およびインフルエンサーマーケティング市場での地位強化を図る。

カフェ併設のAmバンク支店、ペタリンジャヤで開業

【クアラルンプール/ペタリンジャヤ】 商業銀行のAmバンクとカフェチェーンのバスク・ベアは1日、カフェを併設したAmバンク支店をセランゴール州ペタリンジャヤのPJニュータウンで開業した。両社がカフェ併設店のコンセプトを打ち出したのは2023年で、既に3支店を開設している。年内に10店まで増やす。

Amバンクのアーロン・ルー代表は、バスク・ベアとの提携を通じ、斬新な顧客体験を提供すると述べた。地域共同体のような環境であり、顧客は銀行サービスを受けながら、コーヒーやトーストを楽しむことができるという。

バスク・ベアを運営するルーブ・ホールディングスのブライアン・ルー最高経営責任者(CEO)は「金融サービスとカフェを融合させることで支店の風景を作り変える」と述べた。

この先、毎年10店のペースで開設する計画で、サバ、サラワク両州を含め全国で展開するという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・サン電子版、10月1日)

クラウド政策発表、AIの倫理的利用を促す規則を策定へ

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は1日、米グーグルのデータセンターとクラウドリージョンの起工式に出席した際の会見で、クラウドに関する政策を立案し、人工知能(AI)の倫理的利用を奨励する規則を導入すると発表した。

アンワル氏によると、クラウド政策は、▽行政サービスの革新・効率向上▽経済成長と競争力▽利用者の信頼とデータセキュリティーの強化▽デジタル包括性を通じた市民の能力強化――を柱に据える。

行政を近代化し、行政サービスの提供をスムーズにする。信頼強化では、官民両セクターの重要データ、インフラを守るための枠組みを作る。またクラウド技術を利用し、市民が公共サービスを利用しやすくする。

アンワル氏は国家AI事務所を12カ月以内に設ける意向も表明した。事務所は、5カ年テクノロジー行動計画、AI利用の増大を図るための監督上の枠組みなどAIに関するプログラムを調整する。

アンワル氏は「マレーシアを生成AIのハブとしたい。テクノロジー企業の投資はデジタルインフラ構築に欠かせない」と述べた。
(ザ・スター、10月2日、エッジ、マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、10月1日)

佐藤商事がマレーシア現法を設立、10月から営業開始

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 佐藤商事(本社・東京都千代田区)は、今年6月にマレーシアに現地法人、サトウ・ショウジ・マレーシアを設立し、10月1日より営業を開始すると発表した。

佐藤商事の全額出資で、資本金は100万リンギ。電子材料、電子部品および半導体関連部材などの販売、輸出入業務を行う。マレーシア地区の半導体関連および電子部品関連の取引先へのサービス向上や取引拡大が目的で、佐藤商事は取引先へのさらなるサービス強化、事業・販路の拡大に努めていくとしている。

佐藤商事は、電子事業部門の海外現地法人として、香港をはじめアジアを中心に7拠点を設け、東南アジアへの事業拡大を進めており、マレーシア地区での営業活動はこれまでシンガポールの現地法人(サトウ・ショウジ・アジア・パシフィック)が対応してきた。