来年度予算案で「RON95」補助金見直し発表か=CIMB証券

【クアラルンプール】 CIMBセキュリティ・リサーチは、10月18日に国会提出される予定の2025年度予算案に、補助金負担削減に向けて懸案となっているレギュラーガソリン「RON95」補助金制度の見直しが盛り込まれるとの予想を示した。

CIMBリサーチは、燃料補助金合理化計画の発表があれば、インフレ圧力の高まりや消費者心理の悪化を招き、今年第4四半期の新車販売にマイナス影響が出ると予想した上で、この影響を従業員積立基金(EPF)第3口座の導入と公務員給与引き上げが緩和するとの見通しを示した。

マレーシア自動車協会(MAA)は、2024年通年の新車販売が好調だった前年からの反動から4.3%減の76万5,000台にとどまるとの控えめな予想を示しているが、CIMBリサーチはさらに慎重で、売上税免除がないこと、RON95価格が上昇する可能性などを主な要因として、前年比6%減の75万1,000台と予測している。

CIMBリサーチは一方で、来年度予算案に電気自動車(EV)拡大に向けた優遇策が盛り込まれる見通しだとし、「個人向け減税や還付を継続し、新たなEVインフラへの投資も行うと予想している」とした。

2024年度予算で政府は、EV充電設備に対する最大2,500リンギの個人所得税控除を2027年まで延長し、EVレンタルに対する税控除も実施した。
(ザ・スター、10月1日)

日本ペイントと先住民信託評議会、熟練労働力育成に向け協力

【クアラルンプール】 日本ペイント・マレーシアは1日、技術職業教育訓練(TVET)での協力に向けた覚書(MoU)を先住民信託評議会(MARA)と締結した。

両者は覚書に基づき、日本ペイントの専門家の支援を受けて、MARAの学生240人と講師37人を対象にさまざまなトレーニングプログラムを実施する。自動車塗装業界に関連する技術が主な研修項目で、選ばれたMARAトレーニングセンター24カ所が日本ペイント認定トレーニングセンターとなり、業界の高い基準を満たす教育が行われることが保証される。

自動車セクターはマレーシア経済の要の産業であり、2023年の生産台数は過去最高の79万9,731台に達した。高度なスキルを持つTVET労働力と高品質の自動車部品はマレーシアの自動車産業に不可欠となっている。

日本ペイント・マレーシアのゼネラルマネジャー、タイ・ツェトゥック氏は、「覚書締結は、マレーシアの労働力と自動車業界の将来に投資を続ける日本ペイントにとって重要な節目となる。競争の激しい自動車補修分野において、日本ペイントの自動車補修部門は常に先頭を走り、マレーシアで新たな業界基準を確立している」と述べた。
(ビジネス・トゥデー、10月1日)

阪和興業、プレスメタルの金属シリコン精錬部門に出資

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 阪和興業(本社・東京都中央区)は9月30日、アルミニウム製錬・押出製品同国最大手であるプレス・メタル・アルミニウム・ホールディングスのグループ会社、PMBシリコンに出資すると発表した。

PMBシリコンはアジア最大の金属シリコン精錬業者。阪和興業は、PMBシリコンの親会社で、プレス・メタルの子会社であるPMBテクノロジーとの間で、PMBシリコン株2,400万株の売買で合意した。

これに合わせて阪和興業は、PMBシリコン製品の日本、韓国、ベトナム、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシアにおける独占販売権及び在外日系資本企業への独占販売権を取得した。PMBシリコンは、阪和興業との提携を受けて、アルミニウム、有機シリコンおよび半導体産業向け金属シリコンの供給能力を強化する。

阪和興業はまた、鉱産物、合金鉄の粉砕加工事業を手掛ける啓和ファインマテリアル(本社・岡山県備前市)と、PMBシリコンから調達した金属シリコンを半導体産業および太陽電池産業向け主・副原料に加工する合弁会社、HKファイン・マテリアルをマレーシアに設立することで合意した。合弁会社の資本金は1,300万リンギで、阪和が80%、啓和が20%出資する。所在地はサラワク州ビントゥルのサマラジュ工業団地内。

イオンクレジット、第2四半期は減損処理で41%の減益

【クアラルンプール】 イオンクレジットサービス(マレーシア)は、第2四半期(6-8月)決算で収入が5億4,143万リンギと前年同期比14.8%増加したものの、純利益は40.8%減の7,116万リンギにとどまったと発表した。同期の配当は1株14.25セン。

大幅減益は受取勘定の減損処理が増えたためで、8月末時点の受取勘定は132億リンギだったが、減損処理のための引当金を差し引いた額は124億8,000万リンギになった。

不良債権比率は同2.98%から2.37%へ改善した。似たような事案を再発させないための是正措置をとった結果だという。

収入に対する営業経費の割合は68.1%で、前年同期の58.3%を上回った。減損処理が1億9,358万リンギと前年同期(1億2,057万リンギ)より増加したためだ。

上半期(3―8月)決算では、収入が前年同期比15.1%増の10億6,370万リンギ、純利益が19.1%減の1億7,757万リンギだった。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月27日、ベルナマ通信、9月26日)

格安航空エアアジア、2025年1月から炭素税を強制徴収

【セパン】 格安航空会社エアアジアは、2025年1月からすべてのエアアジア機の乗客にいわゆる「炭素税」を課すことを計画している。親会社であるキャピタルAのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEOが明らかにした。

フェルナンデス氏は、同グループが乗り入れているタイ、インドネシア、フィリピン、カンボジアなどすべての当局から承認を求めている段階だと言明。足並みを揃えるために来年1月に実施すると述べた。

マレーシア航空委員会(MAVCOM)が「炭素税」徴収を航空会社の任意としていることについては、フェルナンデス氏は「任意にしたら誰も支払わない。自主性に任せる選択肢もあるが任意にはしない」と述べた。なおマレーシア航空は「炭素税」について乗客の任意にするとしている。

フェルナンデス氏は、「炭素税」徴収を成功させるには、その背後にある理論的根拠について国民の認識と理解を高める必要があると指摘。「我々ができる最大のことは国民を教育することだ。国民を教育し、我々が集めた資金が東南アジア諸国連合(ASEAN)の炭素削減プロジェクトに投資されるようにしたい」と述べた。
(エッジ、9月26日)

政府、27年までに初の国産ハラルワクチン2種を生産

【クアラルンプール】 マレーシア政府は、科学技術革新省の主導と資金提供の下、2027年までに初の国産ハラル(イスラムの戒律に則った)ワクチン2種を生産する予定だ。マレー語紙「ウトゥサン・マレーシア」が同省のアミヌディン・ハシム事務次官の話として報じた。

初の国産化を予定しているワクチンの一つは、無細胞百日ぜきと不活化ポリオ抗原を含む六価ワクチン。もう1つはマレーシア初の肺炎球菌結合型ワクチンで、肺炎の主な原因である肺炎球菌の13の血清型(タイプ)から人体を保護する。これら2種のワクチンで▽ジフテリア▽破傷風▽百日ぜき▽ポリオ▽ヘモフィルスインフルエンザb型(Hib)▽B型肝炎――の6種類の病気を防ぐことが可能になるという。2種のワクチンは、技術移転を通じた国際的パートナーの協力のもとで地元企業によって開発される。

アミヌディン氏は、マレーシアにおけるハラルワクチン開発研究はもっと注目される必要があると指摘。取り組みを強化するために同省では研究開発助成金を出し、産学の戦略的協力を促進を図っていると述べた。

(マレーシアン・リザーブ、9月30日)

ジェトロのEC活用に関する実証事業、ソフトバンク子会社に委託

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は、マレーシアにおける日本企業の電子商取引(EC)活用に関するデジタルマーケティング実証事業について、ソフトバンクのマレーシア子会社、STデジタルソリューションズ・マレーシアに業務を委託すると発表した。

同事業は、ECプラットフォーム「ショッピー・マレーシア」(Shopee.com.my)に出品している日本企業を対象に、2024年10月から2025年3月にかけてターゲティング広告などを通じたデジタルマーケティングの実証事業を行うというもの日本企業の出展可能性が高い同プラットフォームを効果的に活用するためのヒントを得ること、これからマレーシアのEC活用に取り組む日本企業にとって参考となる情報を得ることを目的としている。

キャンペーン広告の実施では、STデジタルが提供する、スマートフォンなどのアプリデータや位置情報データを活用したサービスをもとに、対象セグメントを絞り込んだターゲティング広告を打つ。個別フィードバックでは、キャンペーン広告から得た情報に基づき、参加企業のEC活用ノウハウの蓄積を支援する。

ジェトロでは、9月30日まで参加企業を募集していた。

メニコン、マレーシアなど東南アジア3カ国の販社を買収

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 メニコン(本社・愛知県名古屋市)は1日、マレーシアを含む東南アジア諸国連合(ASEAN)3カ国のコンタクトレンズ販売会社3社を、シンガポールの製造・販売会社、オキュラスから9月30日付けで買収し、完全子会社化したと発表した。

メニコンが買収したのは▽オキュラス(マレーシア)▽オキュラス・ビジョンケア(シンガポール)▽PTオキュラス・インドネシア――。これまで東南アジアでは輸出または代理店での販売を展開してきたが、若年層人口や所得の増加などによりコンタクトレンズ市場の伸長が見込まれることから販売拠点が必要と判断した。

メニコンは、東南アジアにおける1日使い捨てコンタクトレンズの製造拠点として、シンガポール工場のほか同社最大規模となるマレーシア工場を2026年3月期下期に稼働予定しており、今回の販社買収により、東南アジアにおける販売と製造の両輪が確立されるとしている。

ジョホール州議会補選、与党連合擁立候補が圧勝

【クアラルンプール】 ジョホール州議会マコタ選挙区の補欠選挙の投開票が9月28日に行われ、与党連合・希望同盟(PH)と協力関係にある国民戦線(BN)が擁立したサイド・フセイン・サイド・アブドラ氏(統一マレー国民組織=UMNO)が79.21%の得票率で地滑り的勝利をおさめた。

同補選は8月2日にシャリファ・アジザ・サイード・ザイン議員(享年63、UMNO)が病気で死亡したことを受けたもの。野党連合・国民同盟(PN)が擁立したモハメド・ハイザン・ジャアファル氏(統一プリブミ党=PPBM)との与野党一騎打ちとなったが、ハイザン氏は20.79%の得票にとどまった。

2022年3月12日に行われたジョホール州議会選挙では、マコタ選挙区はPH、PN、BN――の3政党連合が擁立した候補による三つ巴の争いとなったが、BNに所属する故シャリファ氏が得票率45.86%で当選していた。BNは、2022年11月の総選挙後にPHを率いるアンワル・イブラヒム政権の樹立に協力し、現在は与党連合と共闘関係にある。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、9月28日)

在マ日本大使館、来年3月24日から旅券発給体制を変更

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 在マレーシア日本大使館は、旅券の偽変造対策を強化するため2025年3月24日から人定事項ページにプラスチック基材を用いた旅券の発給を開始すると発表した。

新旅券は日本国内で作成され大使館まで配送されることとなるため、最短でも2週間、場合によっては4週間の日数を要することになる。具体的な交付日については旅券申請時に予定時期を伝えるが、交付準備が整った段階で再度連絡する。従来の旅券は申請から交付まで最短4営業日で行っていた。

発給に要する日数が長くなるため大使館では、有効期限を確認した上で早めの旅券切替申請を求めると共に、滞在許可事実確認のためのマレーシア入国管理局での手続きに要する日数などを勘案し、出張や旅行のスケジュールを立てるよう呼びかけている。

なお大使館は、旅券の発給申請についてすでにオンライン申請を開始しており、オンライン申請の場合、手数料のオンライン決済(クレジットカード払い)が可能となるほか、来館は交付の際のみとなる。