韓国コンビニのイーマート24、店内カフェでハラル認証取得へ

【クアラルンプール】 韓国系コンビニエンスストアのイーマート24は、店舗内のイートインスペース「eカフェ」に関し、年内にeカフェ全店舗でイスラム開発局(JAKIM)が発行するハラル(イスラムの戒律に則った)認証の取得を目指す。

イーマート24は韓国の小売り大手、新世界グループが手がけており、2021年に海外1号店としてマレーシアに進出。現在、マレーシア国内で80店舗以上を展開している。セランゴール州バンギとシャアラムの2店舗が、すでにハラル認証を取得済みで、今後毎月5店舗程度ずつ取得していくという。

イーマート24ホールディングスのヴィトン・パン最高経営責任者(CEO)は「ムスリムフレンドリー(イスラム教徒への配慮のある)の料理を提供するのは重要な一歩」とする。同社は昨年、5年以内に300店舗まで拡大する計画を打ち出しており、今回のハラル取得で市場での存在感を高め、より幅広い顧客層にアピールしていくとみられる。
(ラクヤット・ポスト、ザ・スター、2月5日)

資本所得への課税とGST再導入、世銀が推奨

【クアラルンプール】 世界銀行は5日、マレーシアの財務に関する調査報告を公表。資本所得の非課税が税制の弱点で、税収の少なさの主因だと指摘。資本所得(配当、利子、賃貸所得、資本利得など)への課税が税収基盤の拡大につながるとした。

世銀は、給与所得者の所得税の支払いが発生する境界線が高いこと、所得層上位に対する低率の課税、複数の減税措置の適用が税収を妨げているとし、複数の減税措置の適用には上限額を設定すべきと指摘した。

世銀はまた物品・サービス税(GST)の再導入が望ましいとの見解を改めて表明。マレーシアの税収比率は低中所得国も下回っており、歳出が制限されている。GSTは最も効率的な税の1つとみなされており、広範かつ速やかに実施できるため、再導入が望ましいとした。GSTについては2022年にもアプルバ・サンギ主任エコノミスト(マレーシア担当)が、再導入が望ましいとの意見を述べていた。

また所得格差については、民族間の不平等より民族内の不平等の方が大きいとの分析を示した
(エッジ、マレー・メイル、2月5日)

生成AIディープシークは脅威でなくチャンス=デジタル相

【クアラルンプール】 ゴビンド・シン・デオ デジタル相は4日、中国の新興企業ディープシークを始めとする新たな生成AI(人工知能)の出現は、マレーシアのデータセンター産業にとって脅威ではなく、むしろ需要増につながる可能性があるとの見方を示した。

ゴビンド大臣はこの日の記者会見で「低コストで生成AIを活用できるようになれば、サービスや利用者が広がり、データ需要は増加する。地域のデータハブとしてのマレーシアの地位を強化する機会になる」と述べた。

一方で、懸念が報じられているディープシークのデータセキュリティとコンプライアンスについて政府として調査中であることに言及。「重要なのは、世界中のAI技術の発展に遅れないよう、国がいかに対処していくかだ」と強調した。
(ベルナマ通信、ザ・スター、マレーシアン・リザーブ、2月4日)

ペナン橋での5G利用、Uモバイルが試験運用に成功

【クアラルンプール】 国内2つ目の5G(第5世代移動通信システム)ネットワーク構築・運営業者に選ばれたUモバイルは、全長13.5キロのペナン橋における5G試験運用に成功した。ダウンロード速度は毎秒120メガビット超を達成。時速80キロの走行中も通話中断は生じなかった。商業運用の開始後は、動画ストリーミング、没入型ゲーム、ハイビジョン放送を楽しむことができるという。

華為技術(ファーウェイ)の5G向けアンテナセットを利用した。ペナン橋のような長い橋では4G基地局を橋の中ほどに設置するのが常だが、5Gアドバンスト(5Gの強化版)技術を利用することで、橋の両端にアンテナを設置するだけで済んだという。同アンテナ技術では、交通量が少ない時は99%の遮断率で超低消費電力を実現する。ファーウェイが「0ビット、0ワット」と呼ぶ技術だ。

Uモバイルのウーン・ウーイユエン最高技術責任者は、5Gアドバンストの利用で、交通安全サービス、人工知能(AI)を活用した監視、緊急時のドローン配備などが橋上で可能になると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月5日、モバイル・ワールド・ライブ、2月4日)

今年の祝祭シーズンの有料道路は5割引=公共事業相

【クアラルンプール】 アレキサンダー・ナンタ・リンギ公共事業相は4日、今年の祝祭シーズンの有料道路の通行料金は50%割引が適用されると言明した。今年1月の旧正月連休では祝日に先立つ平日2日間が50%割引されたが、その際の閣議決定ですでに年間を通じて同様の措置になることが承認されているという。

昨年は祝祭シーズンとして計8日間が無料になったが、今年も同じ程度の日数で割引が実施され、旧正月同様、対象はクラス1の乗用車のみとみられる。これにより全て無料とした場合に1億6,000万リンギに上るとみられる公費負担が、半分の8,000万リンギに軽減される。

ナンタ大臣は今後のニーズを踏まえある程度柔軟に対応する余地はあるとする一方で、「無料化は公的負担で実現していたことを認識してほしい。節約分は道路整備に活用される」と改めて強調した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、2月4日)

電気料金の値上げは産業界・超富裕層にのみ影響=首相

【クアラルンプール】 7月に予定されている電気料金の値上げについて、アンワル・イブラヒム首相は、産業界及び超富裕層にのみ影響するとし、総人口の85%の国民には影響しないと強調した。電気料金値上げは、不均衡コスト転嫁(ICPT)メカニズムに基づいて実施される。

アンワル首相は4日の下院議会答弁で、「政府の電力料金値上げに対する姿勢が二転三転している」と非難した野党議員の指摘に対して反論。電気料金の値上げが必要だとする発言は産業界に向けたもので、学校、病院、その他の公共の利益となるプログラムなどに資金をより多く割り当てるための政府の取り組みの一環だと主張した。

電気料金については1月、「1キロワット時(kWh)あたり現行の39.95センから14.2%値上げされ45.62センとなる」と報じられたが、アンワル首相は先のイベントでそれは事実ではなく14%未満になると発言した上で、電気料金値上げの必要性を強調していた。

政府は現在、85%以上の世帯に電気料金に補助金を支出している。電気基本料金はインセンティブベース規制(IBR)の枠組みの下でエネルギー委員会によって設定され、3年ごとに見直されることになっている。基本料金に加えて不均衡コスト転嫁(ICPT)メカニズムがあり、これは6カ月ごとに見直される。次回の関税見直しは2025年7月に予定されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、2月4日、マレーシアン・リザーブ、2月3日)

三菱商事とサラワク州、持続可能なエネルギーで協力へ

【クチン】 三菱商事の菊地清貴常務執行役員(シンガポール支店長)が3日、サラワク州のアバン・ジョハリ首相を表敬訪問し、多様な分野における協力関係の継続を表明した。カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、実質的な排出量をゼロにする取り組み)に重点を置くという。州広報部が発表した。

菊池氏によれば、将来の戦略、双方にとっての利益を話し合ったが、具体的なプロジェクトは協議しなかった。

サラワク州はカーボンニュートラルにおいて東南アジアの中心地になる潜在性を持つとされており、持続可能なエネルギーの分野において、将来持つ会合において具体的協力の形を協議することになるという

三菱商事とサラワク州の協力関係は50年に及ぶ。具体的事業では、三菱商事はビントゥルの焼き畑跡地における熱帯林再生プロジェクを支援。サラワク生物多様性センターとは共同で、藻類培養設備を建設した。またサラワク州の液化天然ガス権益を保有している。
(ボルネオ・ポスト電子版、2月3日)

今年の自動車総需要量、アナリストは前年下回ると予想

【クアラルンプール】 金融アナリストらは2025年の自動車総需要量(TIV)について、81万台超と過去最高の販売台数を記録した前年を下回る73万―80万5,000台程度と予想している。

最も高い前年並みの80万5,000台と予想したのはケナンガ・インベストメント・バンク。現地組立 (CKD) 車に対する物品税免除措置の延長に伴う需要を見越したもので、CKD比率の高いダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)がその恩恵を受ける可能性が最も高いとしている。一方で、所得上位15%(T15)や中所得層40%(M40)では、レギュラーガソリン「RON95」補助金合理化に伴い、新車購入控えや、小型車へのダウングレード、ハイブリッドを含めた電気自動車(EV)への乗り換えが進む可能性を指摘している。

逆に、前年比11%減の73万台と予想しているRHBグループは「2024年の高水準の維持が期待できるような、説得力のある要因が見当たらない」と分析。「非国産車部門で価格競争が続き、受注数が軟化しており、引き続き慎重な見通し」としている。またEV販売は成長するものの、市場はまだ小規模で全販売台数に大きな変化をもたらすほどではないとの見方を示している。

CIMB証券は前年比7%減の76万台と予測している。特に、市場の75%を占める価格が10万リンギ以下の車の需要は堅調だとし、この価格帯の車の8割が国産車、残り2割を日本と中国のブランド車が分け合っていると指摘。政策金利も安定が予測されることから「市場全体でも国産車が優位を維持し、64.5%のシェアを獲得する」と予測している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、1月31日、エッジ、ベルナマ通信、1月28日)

新たな国境管理機関が発足、国境検問所の管理を一元的に

【セパン/ジョホールバル】 新たな国境管理機関、マレーシア国境管理・保護庁(AKPS)の発足式が2日、クアラルンプール新国際空港(KLIA)で行われた。ファディラ・ユソフ副首相は「円滑な国境管理の枠組みを構築する」と述べた。

これまで複数の政府機関が担っていた国境管理機能を一元的に引き受け、全国114カ所の国境検問所の管理を段階的に引き継ぐ。国境管理には人工知能(AI)を活用し、検問、通関をスムーズにする。初代長官はハザニ・ガザリ氏。

ファディラ副首相は「友好的で能率の良い国境を確保する。マレーシア観光年の2026年は多数の旅客の来訪が予想され、入国時に良い印象を持ってもらうよう努める」と語った。

国境管理の一元化で円滑な検問の実現を特に期待しているのがシンガポールとの国境検問所利用者で、バスを利用し第2リンク経由でシンガポールに通勤している土木技師のカレズ氏は、週末や祝祭シーズンの混雑にAKPSが有効に対処することを望むと述べた。
(ザ・スター、2月4日、ザ・サン電子版、ベルナマ通信、2月2日)

近日開業のKLGCCモール、タイの屋内遊戯施設など出店

【クアラルンプール】 今年第3四半期に開業予定のショッピングモール「クアラルンプール・ゴルフ&カントリークラブ(KLGCC)モール」には、高級スーパーのジャヤ・グローサーや、タイで人気の屋内遊戯施設「ハーバーランド・キッズプレイランド」のマレーシア1号店などの出店が予定されている。

開発を手がける不動産開発大手のサイム・ダービー・プロパティはこのほど、アンカーテナント5社との間で調印式を行った。ジャヤ・グローサーやハーバーランド以外のアンカーテナントはセカイグループ、ACEハードウェア、アジア・バレエ・アカデミー。

KLGCCモールは、クアラルンプール市西側に位置し、延床面積は60万平方フィートで、80以上のテナントが入居する。小売りや国内外の料理を楽しめる飲食店など、すでに7割近くのテナントが決まっているという。サイム・ダービーにとって、KLイーストモール、エルミナ・レイクサイド・モールに次ぐ3番目のモールとなる。既存のゴルフ場やホテル、中高層の高級住宅とともに一体的な開発を行っている。
(ザ・スター、1月24日、エッジ、1月23日)