ハラル認証取得、57%が非マレー企業=首相府相

【クアラルンプール】 イスラム開発局(JAKIM)が発行するハラル(イスラムの戒律に則った)認証(SPHM)について、11月10日時点で認証取得企業の57%をブミプトラ(マレー人と先住民の総称)以外の企業が占めている。

モハメド・ナイム・モクタル首相府相(宗教担当)によると、認証取得企業は9,520社で、うち5,449社、率にして57.2%は非ブミプトラ企業だった。ブミプトラ企業は3,803社で39.9%にとどまり、残りの3%(268社)は外資系企業だった。

ナイム氏によると、より多くのブミプトラ企業にハラル認証取得を促す取り組みとして、先住民信託評議会(MARA)、ブミプトラ・アジェンダ振興局(TERAJU)、マレーシア・マレー商工会議所(DPMM)などの関係者との戦略的協力が随時行われている。

2024年1ー9月のハラル製品の輸出額は450億4,000万リンギに達し、前年同期の393億6,000万リンギから大幅増加した。
(ワールド・オブ・バズ、11月16日)

ニッソウ、OSKホールディングスと不動産事業で業務提携

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 不動産リフォームのニッソウ(本社・東京都世田谷区)は18日、マレーシアのコングロマリット(複合企業)であるOSKホールディングスと不動産事業における包括的業務提携で基本合意し、覚書を締結したと発表した。

覚書締結により、OSKがマレーシアと豪州で開発を進めている不動産物件を日本で紹介することができるようになる。またニッソウは声明の中で、「OSKは不動産関連事業以外も活発であるため、アジアを中心とした国際ビジネスのさらなる拡大が期待できる」としている。

OSKは豪州メルボルンで大規模開発「メルボルン・スクエア」(総工費約2,800億円)を手掛けており、両国で大規模な不動産開発をおこなっており、従業員積立基金(EPF)も49%(OSKが51%)出資している。

南海電鉄幹部と観光バスの安全策を協議=観光芸術文化相

【クアラルンプール】 ティオン・キンシン観光芸術文化相は15日、10月にペラ州で発生した日本人観光客が死傷した観光バスの事故を受け、南海電鉄(本社・大阪市)の幹部と会談し、今後の対策について協議したことを明らかにした。ティオン大臣がフェイスブックに投稿した。

ティオン氏は仙台市で開催された「観光レジリエンスサミット」(9ー11日)に出席した際、南海電鉄の芦辺直人専務と会談した。南海電鉄は、JTBと共同で事故にあったツアーを募集し、現在はツアーを取り止めている。ベルナマ通信によると、ティオン氏は哀悼の意を表明したうえで、「マレーシア政府観光局が事故の損害賠償請求を今後支援することを確約した」という。

ティオン氏は、観光バスの規制は本来観光芸術文化省の管轄外だが、こうした事故が観光部門に悪影響を及ぼしているとし、今後、運輸省と協力し安全確保に向け対策を講じていく方針だと述べた。南海電鉄との会談では、運転時間の制限▽8時間超の場合は運転手複数制の義務化▽運転手のアルコールおよび薬物検査の実施▽長距離路線にビデオ監視の実施▽乗客のシートベルト着用の義務化▽ツアーバスの高さ制限導入ーーなどの対策を提案したという。

南海電鉄とは、来年開催される大阪・関西万博の期間中、2026年の「ビジット・マレーシア・イヤー」(マレーシア観光年)の宣伝を電車内で実施することが決まっている。
(ベルナマ通信、11月15日)

交通安全研究所がEVの安全指針発表、緊急時対応を説明

【クアラルンプール】 マレーシア交通安全研究所(MIROS)は15日、電気自動車(EV)の緊急事案に関する安全確保のための指針を発表した。

アンソニー・ローク運輸相によると、指針は▽EVインシデント管理のための道路利用者と公共の安全に関する指針▽高圧EV評価手続き▽EV衝突試験所の安全指針--の3つ。EVインシデントは、爆発、感電、火災などを招く恐れがあり、そうした緊急時の対処法を、一般人が理解しやすい簡明な表現で示しているという。

MIROSは東南アジア諸国連合(ASEAN)で際立った車両試験所と認識されており、指針はマレーシア国内だけを意図したものではなく、域内各国の交通安全当局による採用も期待している。

EVインシデント管理の指針では、車両火災などに際し、その場にいる最初の対応者がどう行動すべきかを説明している。衝突試験所の安全指針では、試験所がASEAN自動車安全評価プログラム(NCAP)の条件を満たすことを求めている。
(ザ・スター電子版、エッジ、ベルナマ通信、11月15日)

ツタヤがマレーシア3号店、テブラウシティにオープン

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC、本社・東京都渋谷区)が展開する書店チェーン「蔦屋書店」のマレーシア3号店が15日、ジョホール州ジョホールバルの「イオンモール・テブラウシティ店」内にオープンした。

マレーシアの「蔦屋書店」は、CCCと双日の合弁会社であるツタヤ・ブックス・マレーシアが、マレーシア現地企業とフランチャイズ契約を結んで展開しているもので、3号店はジョホールバルおよび隣接するシンガポール在住のニューファミリーをメインターゲットに、多言語の書籍や文具雑貨を取り揃える「BOOK & CAFE」スタイルの書店となっている。

店舗面積は2,399平方メートル。特徴は多言語の書籍や日々の暮らしに彩りを与える文具雑貨やアート本を揃えた点で、 英語、中国語、マレー語、日本語の4言語の書籍や、海外でも人気の日本のIP(アニメ・コミック等)を販売するほか、日々の暮らしに彩りを与える文具雑貨やアート本を取りそろえた。今後ジョホールバルおよびシンガポール在住のアーティストとのコレボレーションイベント等の開催も予定している。またマレーシアと日本の食文化を融合させたカフェ「IVY TOKYO」 を開設した。

ミシュランガイド、KLの2軒が新たに一つ星獲得

【クアラルンプール】 美食ガイドとして世界的に親しまれている「ミシュランガイド」の「マレーシア2025」が14日、発表された。第3版となる今回は、新たに星を獲得したクアラルンプール(KL)の2軒を加え、一つ星の評価を得たのは計6軒。また持続可能性の高いレストランに対する「グリーンスター」が新設され、二つ星のマレー料理店「デワカン」が輝いた。

一つ星に新たに選ばれたのは、タイ料理店「チムbyシェフ・ヌー」と、ヨーロッパ料理店「モリーナ」。今年3月オープンのチムは、タイ・バンコクの一つ星の店の系列店にあたる。またモリーナを経営するアレックス・タン氏はアムステルダムでミシュラン二つ星の「スペクトラム」を経営している。

また、価格以上の満足感が得られるレストラン「ビブグルマン」には、新たにKLの5軒、ペナンの7軒を加え、計56軒が選ばれた。仏ミシュランはペナンの「BMヤムライス」が選ばれたことを挙げて、「これらの店は地元の味覚の豊かな多様性を示す」と評した。

なおセレクティッド・リストには、10軒増えて計80軒が紹介されている。
(ザ・スター、11月14日、ミシュラン発表資料)

ユーロ5基準のガソリンを来年9月導入=天然資源相

【クアラルンプール】 EU(欧州連合)の排ガス規制「ユーロ5」に対応したガソリンが来年9月までに導入される。マレー語紙「ウトゥサン・マレーシア」が、ニック・ナズミ天然資源・環境持続可能性相の13日の講演での発言として報じた。2027年までに完全に切り替えられるという。

導入は、2015年の環境品質規制に基づくもの。ディーゼル燃料については、すでに2021年に導入済みだが、レギュラーガソリンRON95とハイオクガソリンRON97については2025年9月を目標としてきた。ユーロ5基準のガソリンは、現在の基準と比較して硫黄含有量が少なく、大気汚染を大幅に削減すると期待されている。

ニック・ナズミ大臣は「ユーロ5ガソリンの導入は持続可能な社会に向けた解決策。業界関係者と緊密に協力し、スムーズな移行を促進していきたい」と語った。
(ポールタン、マレー・メイル、11月14日)

JICA、ムスリムフレンドリーに関する第3国研修を開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 国際協力機構(JICA)マレーシア事務所は、マレーシア外務省及びマレーシア標準工業標準研究所(SIRIM)と共同で第三国研修「ムスリムフレンドリー・ホスピタリティを適応したツーリズム・デリバリー改革」を2024年11月17日―27日に開催すると発表した。

第三国研修は、ある開発途上国において、他の開発途上国から研修員を受け入れて行われる研修をJICAが資金的・技術的に支援する技術協力の一種。特定の分野における日本とマレーシアの経験を共有し、研修員が自国の様々な課題に対処する能力を強化することを目的とする。

マレーシアにおいては、マレーシア外務省が1980年からマレーシア技術協力プログラム(MTCP)を実施しており、1992年からマレーシア外務省と JICAが共同で第三国研修を実施している。

今回の第三国研修は、研修実施機関であるSIRIMが受け入れ機関となり、アジア諸国9カ国の研修員10人を受け入れてムスリムフレンドリーに関する研修を行う。研修員の多くは本分野を担当している政府職員で、ムスリムフレンドリーのコンセプトとフレームワークの紹介、ムスリムフレンドリー関連施設や企業視察などを行う。

7回目のイスラム債、イオンクレジットサービスが発行

【クアラルンプール】 イオンクレジットサービス(マレーシア)は14日、発行枠50億リンギのスクーク(イスラム債)発行計画に基づく7回目の起債を行った。

優先債で、5年で償還の2億5,000万リンギの債券と、6年で償還の2億リンギの債券の2種。調達した資金は、消費者ローンの原資、以前調達した資金の借り換えなどに利用する。貸し付けで得た収益はイスラム法に準拠した用途にのみ使う。
(ザ・スター、11月15日、ベルナマ通信、11月14日)

アストロ、ネットフリックスの料金値上げを発表

【クアラルンプール】 有料テレビ放送のアストロ・マレーシア・ホールディングスは14日、提携する米動画配信サービス「ネットフリックス」のマレーシア国内での料金プランの値上げを発表した。

モバイルプランはこれまでの月額17リンギから18.9リンギに、ベーシックプランは月額28リンギから29.9リンギに値上げされた。また、スタンダードプラン(2台まで同時視聴可)は45リンギから49.9リンギに、プレミアムプラン(4台まで同時視聴可)は55リンギから62.9リンギになった。スタンダードまたはプレミアムプランで、世帯外の人と共有する場合は、1人に対して月額13リンギの追加料金が必要になる。

新規加入者は14日から、既存の加入者は21日以降の請求時に適用される。またテレビ放送のアストロとネットフリックスがセットになっているプランの加入者は、来年3月1日までは据え置かれる。
(ビジネス・トゥデー、ソヤチンチャウ、ローヤットドットネット、アストロ発表資料、11月14日)