米・イラン戦争の直接的影響は管理可能=エコノミスト

【クアラルンプール】 米国とイランとの戦争がマレーシアに及ぼす影響について、マラ工科大学のラビアトゥル・ムニラ経営・管理学上級講師は、米国あるいはイランとマレーシアとの2国間貿易への影響より、石油価格、資金の流れ、投資家マインドなど2次的影響の方が大きいとの見解を示した。

ラビアトゥル氏は「国際原油価格が上昇すればペトロナスの収入が増加し、ペトロナスから政府への配当も増えるが、マレーシアは一部の石油製品の純輸入国であり、原油価格の上昇は国内経済に影響する」と述べた。

産業セクター別では、輸送業、航空業、エネルギー消費の多い製造業、農業が特に石油値上がりの影響を受ける。一方で石油上流部門は業績向上が期待できるという。

ラビアトゥル氏は「地政学上の緊張が長期にわたる石油の供給ひっ迫をもたらせば、世界的な経済減速など実体経済へのリスクが高まる」と述べた。マレーシアにとっては外需不振につながるという。
(ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、3月3日)

国家詐欺対策センターが本格始動、年中無休24時間対応に

【サイバージャヤ】 マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)タワー2内に開設された新たな国家詐欺対策センター(NSRC)が3日、本格運用を開始した。緊急ホットラインの番号は「997」で、オンライン金融詐欺に関する苦情に年中無休24時間体制で対応する。

NSRCはオンライン金融詐欺への関係各所の迅速な対応を調整するための、全国的なワンストップ対応センター。警察、中央銀行バンク・ネガラ(BNM)、MCMC、国家金融犯罪対策センター(NAC)が連携してサイバー犯罪対策にあたる。被害者から通報があると銀行口座の停止、取引の調査、回収した資金の被害者への返還が行われる。

サイフディン・ナスティオン内務相は、詐欺師がミュール口座を使って3分から10分で口座の80―90%を盗んだ例を挙げ、通報の遅れは大きな損失につながる可能性があると強調。「最初の1―2時間は非常に重要だ。対策に乗り出すまでの時間が長くなれば長くなるほど、資金の移動を阻止することが難しくなる」と述べた。

NSRCは2025年を通じて14万6,147件の苦情電話を受理し、その結果138件の資金凍結措置が実施され、詐欺シンジケートの手に渡っていた3,453万リンギが回収された。また、被害者への返還に成功した金額も急増し、2024年の50万8,407リンギから昨年は670万リンギに増加した。今年は1月だけでも、3万5,322件の通報があったという。NSRCは2022年の設立以来、中央銀行ビル内で活動を行っていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、ベルナマ通信、3月3日)

中国系雑貨MINISO LAND、サンウェイピラミッドに開業

【クアラルンプール】 中国系雑貨店「名創優品」は2月28日、セランゴール州に旗艦店「MINISO LAND」を開業した。MINISO LANDとしてはマレーシア初で、東南アジアでも最大規模の店舗となる。

旗艦店は、ショッピングモール「サンウェイ・ピラミッド」ファースト・フロアの1,700平方メートルを占有。ホーム&ライフスタイル、美容・スキンケアなど15のテーマゾーンにわたり計8,000点以上を取り揃える。

MINISO LANDは通常のMINISOの店舗より大型で、キャラクターとの写真撮影スポットなどの体験を重視。昨年11月にタイ・バンコクに海外1号店を開業し、その後、スペイン、オーストラリアなど出店を加速させている。

同社は近年、キャラクターの知的財産(IP)を活用した商品を中心に展開。ディズニーやサンリオとコラボした商品のほか、独自のYOYOというキャラクターも好評だ。今回の新店舗でも7割以上がIP商品という。また、箱を開けるまで何のキャラクターが入っているかわからない、くじ引きタイプの「ブラインド・ボックス」も人気で、開業初日からコレクターズアイテムを求める多くの客でにぎわった
(ビジネス・トゥデー、3月2日)

消費者信用法が発効、販売信用業者などは免許が必要に

【クアラルンプール】 昨年12月31日に官報に掲載された消費者金融にかかわる消費者信用法(2025)が3月1日付で発効した。消費者信用に携わる企業は6月末までの免許取得、あるいは登録が必要だ。

財務省の発表によると、法施行に合わせ政府は消費者信用委員会(CCC)を設立した。法制定は透明で責任ある信用制度の構築が狙いで、消費者保護をより確かなものとし、不当、非倫理的商慣行に消費者がさらされないよう図る。

個人が商品購入・サービス利用時に後払いする販売信用の業者、リース会社、売掛債権を買い取るファクタリング会社は6月末までに、CCCから営業免許を取得しなければならない。

債権回収会社、不良債権買い取り会社、債務者の生活再建をアドバイスするクレジットカウンセリング機関はCCCへの登録が必要だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、エッジ、3月2日)

首相の任期10年制限、憲法改正案が2票足りず下院で否決

【クアラルンプール】 首相の任期を最長10年に制限する憲法改正法案が下院議会で2日、否決された。賛成票が146票にとどまり、可決に必要な3分の2に当たる148票に2票足らなかったためで、与党所属議員8人を含む32人が欠席、44人が棄権したことが影響した。

首相の任期制限案は与党連合・希望同盟(PH)構成党の民主行動党(DAP)が要求しアンワル首相もかねてから同意していたもので、民主化を標榜する同政権における目玉政策の一つとなっていた。現時点で法案が再提出されるかどうかは明らかにされていない。

改正案では、10年の上限に達した場合、首相及び内閣は辞職しなければならないが、新首相が任命されるまでは暫定的に首相職にとどまることも可能と規定されている。また同改正は遡及し既に10年以上在任している元首相の再任は禁止されるため、成立すればマハティール・モハマド元首相の再々登板はなくなる。

複数の議員から上限の計算方法や、任期が上限に達した際の首相交代の方法について懸念が示されたが10年という年数の上限よりも任期数を制限する方が有効ではないかとの声が上がった。

一部の野党議員(主に汎マレーシア・イスラム党=PAS所属)は、国家元首である国王の権限を侵害するのではないかと懸念を示し、首相の最終決定権は国王にあると主張した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、3月2日)

26年の経済は順調なスタート=中銀月例報告

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は27日、1月度の金融報告を発表。国内経済の出だしは強固な外需と強いリンギが特徴だったとした。

報告によると、リンギの値上がりが顕著で、対米ドルで2.9%の上昇と、域内(シンガポール、タイ、フィリピン、インドネシア、韓国)の平均(0.3%上昇)を上回った。経済の基礎的条件に対する信頼、外国からの証券投資が背景にある。

貿易は強靭さを示し、前年同月比の輸出増加率は19.6%(25年12月は10.2%)で、電気・電子機器輸出が貢献した。

消費者物価指数(CPI)上昇率は1.6%で前月と同じ。価格変動の激しい品目と価格統制品を除いたコアCPIの上昇率も2.3%と安定していた。個別の品目では、貴金属の値上がりを背景に、宝飾品、腕時計に価格上昇圧力がかかった。

金融以外の民間セクターに対する信用供与は5.5%増。うち社債発行残高の増加(7.6%)が際立った。家計への信用供与は横ばいの5.6%増。

代表的株価指数のFBM・KLCIの上昇率は3.6%(域内平均は7.1%)にとどまった。
(ビジネス・トゥデー、BNM発表資料、2月27日)

中東空域閉鎖の影響、KLIAでも欠航相次ぐ

【セパン】 中東情勢によるフライトの欠航が相次ぐ中、クアラルンプール新国際空港(KLIA)は比較的安定かつ秩序ある運航を維持している。

空港運営会社マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)によると、1日時点で出発便13便、到着便13便、合計26便が欠航となった。

またマレーシア航空は、ドーハなど発着の全便の運休を3月4日まで延長すると決めた。欠航の影響を受ける乗客には通知を行い、必要に応じて代替の旅行手配の支援なども行っている。

MAHBは定期的に危機対応会議を開催し、状況報告を受け、最新の運航状況の把握に努めているという。さらに、影響を受ける地域へ渡航または乗り継ぎをする乗客は、連絡先を最新にしたうえで、空港に向かう前に航空会社に直接フライト状況を確認するよう求めている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、3月1日)

イラン攻撃、マレーシア経済に及ぼす影響について調査=経済相

【ジョホールバル】 アクマル・ナスルラー・モハメド・ナシル経済相は、米国とイスラエルによるイラン攻撃がマレーシア経済に及ぼす影響について、調査を行うと述べた。

アクマル氏は、経済的な観点から、マレーシアとイランの直接的な関係や、世界経済に影響を与える地政学的緊張など、検討すべき重要な問題がいくつかあると指摘。世界全体の経済エコシステムへの混乱の規模を判断するのは時期尚早だが、地政学的動向を軽視することはできないと述べた。

その上でアクマル氏は、「評価すべき重要な視点の一つは石油とガスの生産だ。イランは地域的にも世界的にも主要な産出国だ。世界経済のサプライチェーンへの影響も見極める必要がある」と述べた。

世界的な石油・ガス価格の上昇の可能性について、アクマル氏は主に市場メカニズムに左右されるが、同時に生産国が生産と価格設定を管理するために用いる他のメカニズムもあると指摘。「我が国もこれらのメカニズムの一部に関与している」と述べた。

アンワル・イブラヒム首相はフェイスブックへの投稿で、即時かつ無条件の敵対行為停止を求め、高まる緊張は中東を破滅の瀬戸際に追い込む可能性があると警告。また今回の攻撃を、進行中の交渉を妨害し、他国を封じ込め不可能な紛争に引きずり込む「卑劣な試み」だと批判した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・サン、エッジ、ベルナマ通信、2月28日)

子ども向け体操教室のネイス、KLのモールでの開校を発表

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 子ども向け体操教室を展開するネイス(本社・東京都千代田区)は26日、初の海外店舗としてクアラルンプール(KL)のショッピングセンター「イオンモール・タマンマルリ」に出店すると発表した。

マレーシアは糖尿病が深刻な社会課題になっており、幼少期から体を動かす習慣を身に付けてほしいとして、初進出を決めたという。初店舗の開校日は明らかになっていないが、モールのB1フロアに入店。跳び箱や鉄棒などを使った日本式のプログラムを提供する。

ネイスは2011年に1号店を開業し、日本国内では2月現在、約170店舗を展開。今後10年以内に500店舗まで増やす方針だ。合わせて、長期的な経営戦略の一環として、グローバル展開も強化していく。

ランカウイ島の高級ホテル、2年以内に1750室増加見込み

【ニューデリー】 マレーシア半島北西部のリゾート、ランカウイ島で2年以内に6軒の高級ホテルの開業が予定されている。
今年4月にも開業とされているのが「ヒルトン・バラウ・ベイ・ランカウイ・リゾート」。251室で、6月1日以降の宿泊予約を受け付けている。ランカウイで人気の「ザ・ダナ」などを運営するトレードウィンズ・ホテルズ&リゾーツとの提携で運営される。

米ヒルトンは、チェナンビーチでももう1軒の開発を予定しているとされる。同ビーチには、マリオット・インターナショナルと地元不動産開発のトロピカナ・コーポレーションの提携による「シェラトン」ブランドのホテル(約270室)も計画されている。

また、クアタウンの複合施設「ディー・シトリン」でも住宅に加えホテルの開業が見込まれている。またマリーナ施設の「ロイヤル・ランカウイ・ヨットクラブ」内の小規模ホテル「ラマダ・バイ・ウィンダム・ランカウイ・マリーナ」でも、拡張などの可能性がある。

ランカウイ開発庁(LADA)のムザファル・ゾヘル氏が、インド・ニューデリーで開催された観光産業フェアで国営「ベルナマ通信」の取材に対し、ホテルの進出計画を説明。それによると、これら新規ホテル開業で計1,750室が増加する。島内には現在ホテル計約2万室があり、そのうち5つ星ホテルが2,017室、4つ星ホテルが2,376室となっており、新規ホテルの完成で5つ星ホテルの客室数は約85%の増加が見込まれる。中国に加え、インドからの観光客もビザが免除されており、人気が高まっているという。
(マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、2月26日、ペナン・ハイパーローカル、2月23日)