「リンギ高でも、構造的弱点の解消が不可欠」=世銀エコノミスト

【クアラルンプール】 世界銀行マレーシア担当主任エコノミスト、アプルバ・サンギ氏は、リンギがアジアで最も好調な通貨の一つになっていると評価しつつ、真の経済大国になるには、さらなる構造的弱点の解消が不可欠と指摘する。

サンギ氏は現在のマレーシア経済は堅調な経済成長と低インフレ、実質賃金の上昇に支えられていると分析。一方で、所得水準の地域差が大きく、「マレーシアが40年近く中所得国にとどまっている要因で、少数の力だけでは高所得国になることはできない」と警告する。

また、マレーシアの世界経済におけるシェアは小さいものの、その潜在力は依然として大きいと強調。例えば、世界トップ10の半導体輸出国にランクインしているものの、研究開発費は国内総生産(GDP)の1%未満であり、イノベーション強化の重要性を訴える。

人工知能(AI)を引き合いに、AIによる自動化で失業が拡大する可能性がある一方、新たな雇用を生み出す可能性もあり、「マレーシアには未開拓の機会が開かれている」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月4日、エッジ、1月28日)

財政計算は国際基準を採用、第2財務相が議会で釈明

【クアラルンプール】 アミル・ハムザ第2財務相は4日、議会における国王演説を受けた審議のまとめで、国の収支、税額などを算出する財政計算は国際基準に沿っており、格付け機関、国際機関からも認められていると述べた。政府は先進国同様、現金に基づく計算法を採用しており、政府の会計諸表は会計検査長官から承認されており、財政赤字の数字に間違いはないという。

ラフィジ・ラムリ前経済相は最近、「数字には、実施前の納税者還付金が含まれており、政府は収入を実際より多く計算している可能性がある」と発言していた。2024年の財政赤字は対国内総生産(GDP)比で4.1%。ラフィジ氏は、還付金を考慮すれば同5.8―6.0%になると主張した。

アミル・ハムザ氏は「現政権になって3年しか経過していないが、財政、統治面の思い切った改革で経済がこれまでになく拡大し、国民の生活も天井を突破した」と述べ、株価上昇、リンギ値上がり、過去最高を突破する勢いの認可投資、1人当たり国民所得の増加など成果を強調した。
(エッジ、マレーシアン・リザーブ、バイブズ・ドットコム、2月4日)

MM2Hでの不動産購入は過去2年で744人、中国が最多

【クアラルンプール】 外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラム参加者のうち、2023年から2025年の間に744人が住宅などの不動産を購入。さらに2,637人が購入手続き中だ。ティオン・キンシン観光芸術文化相が4日、下院議会の質疑応答で明らかにした。

購入者を国籍別でみると、中国が304人で最多となり、台湾(91人)、シンガポール(63人)が続いた。日本は14人で10番目となった。

MM2Hは現在、カテゴリー制度に基づき、最長滞在期間はプラチナが20年、ゴールド15年、シルバー5年、特別経済区10年となっている。いずれも5年ごとに更新の必要がある。ティオン氏は「MM2Hは世界中の人が対象の制度であり、市民権や永住権を付与するものではない」と改めて強調した。
(マレーシアン・リザーブ、ザ・スター、エッジ、2月4日)

商船三井グループ会社、産直ECのセカイマルシェに出資

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 商船三井グループの「MOL PLUS」(エムオーエル・プラス、本社・東京都港区)は2日、東南アジアで生鮮食品の産地直売EC(電子商取引)を展開するセカイマルシェ(本社・東京都千代田区)への出資を発表した。

MOL PLUSは、2021年に設立された商船三井のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)。同グループは経営計画「BLUE ACTION2035」で、世界市場での事業拡大を目指す地域戦略を推進。特に経済発展と人口増加による需要拡大が見込まれる東南アジアを重視している。

今回、セカイマルシェが生鮮品の品質を維持しながら産地から消費地まで一貫輸送を可能とする物流網を構築していることなどから出資を決めた。出資額は非公表。今後、生鮮食品の保管・輸送などのコールドチェーン分野における協業を目指し、具体的な検討を進めるとしている。

いすゞマレーシア、商用車市場で56.1%の過去最高シェア

【クアラルンプール】 いすゞマレーシアは3日、2025年の販売実績を発表。6,880台のトラックを納車し、マレーシアの商用車市場で同社として過去最高の56.1%のシェアを獲得した。

マレーシアの自動車市場産業は、商用車部門が11.4%、ピックアップトラック部門が7.3%ともに減となり縮小傾向にあるが、いすゞの販売台数は前年比7.2%増を記録。市場シェアでも、これまでの最高だった2023年の47.1%から大幅に増加した。

最も売れたモデルは「エルフ」の6,362台で、いすゞの販売台数の92.5%を占めた。16年連続でマレーシアで最も人気の小型トラックに輝いた。また中型トラックの「フォワード」は454台で、前年比63.6%増。同部門ではトップとなった。ピックアップトラックの「DーMAX」も好調で、市場シェア15%を占めた。

現地組立(CKD)のエルフとフォワードは、生産子会社のいすゞ・ハイコム・マレーシア(IHM)が2007年から操業するパハン州ペカン工場で生産されており、昨年は同工場での累計生産台数が10万台を突破した。

同社は好調の要因について、物流ニーズに密接に適合した製品ラインナップと、変化する経済状況に迅速に対応できるディーラーネットワークの存在を挙げる。さらに、昨年はアフターセールスサービスの受注が12%増加したという。山口朋之 最高経営責任者(CEO)は「サービスのさらなる向上などで、ダウンタイムを短縮し、より充実したドライブを提供していきたい」としている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月3日、発表資料)

国家ハラル政策は3月中に完成、方向性をより明確に

【バンギ】 ファディラ・ユソフ副首相は3日、国際ハラル経済会議の開幕演説で、国家ハラル政策は策定の最終段階にあり、3月中には作業が終わると明らかにした。ハラル(イスラムの戒律に則った)分野の方向性をより明確にし、持続可能性を強化する。

ファディラ氏は「包括的、組織的、持続可能なハラルビジネス・エコシステムを構築するための戦略的指針だ。マレーシア・イスラム開発局(JAKIM)や各州のイスラム法委員会の認証権限が損なわれることはない」と説明した。ハラル産業の一層の開発では基準を高め、認証制度を改善する。産業全体の発展を目指し、世界のハラルリーダーとしてのマレーシアの地位強化を図る。

JAKIMは2019年から、製品認証機関が特定製品について製品規格への適合性を評価し認証をする能力を有しているかどうかを、ISO/IEC17065(適合性評価-製品、プロセスおよびサービスの認証を行う機関に対する要求事項)に基づいて審査し、認定を行っているが、政府はこれを各州のイスラム評議会、イスラム局に拡大する方針だ。
(エッジ、ベルナマ通信、2月3日)

食糧安保政策に着手、食糧の安全・質にも配慮

【クアラルンプール】 政府は1月29日、2030年までの食糧安全保障の方向性を示した国家食糧安保政策の開始式を開催した。モハマド・サブ農業食糧安保相は、同政策は単に食糧生産・入手を確保するだけでなく、食糧の安全度、質を高め環境持続性を強化し、強靭な食糧システムを構築することを目指すと述べた。

政策の柱は4つで、まずコメ産業に改革をもたらし、種の国産化を強め、機械化、デジタル化の推進で農業者をサポートする。2つ目は持続可能な、強靭な農業・食品システムの構築で、気候変動、自然災害に対処する。

3つ目は安全で栄養価の高い食品の全国民への提供で、すべての児童、市民が国産物から最高の栄養を摂取できるようにする。4つ目は収入源、経済成長の刺激役としての農業で、高い価値を生む産業セクターに位置付ける。

政府は食糧安保を確かなものとするため、法的根拠となる国家食糧安保法を作成する。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ザ・サン電子版、1月29日)

HIS、KLで主要観光地とホテルを結ぶ乗合型移動サービス開始

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 エイチ・アイ・エス(HIS、本社・東京都港区)は、マレーシア現地法人H.I.S.トラベル(マレーシア)が、主要観光地とホテルを結ぶ乗合型ミニバス移動サービス「BOLEH BOLEH Ride」をクアラルンプール(KL)で2月1日に開始したと発表した。

WILLERグループ(本社・大阪市)が提供するAIオンデマンド交通サービス「mobi」のシステムを活用する。「mobi Community Mobility」をダウンロードし、アプリで乗降地点を入力すると乗車予定時刻、目的地到着時刻が表示され、車の手配が完了する。事前の予約は不要で、運行時間内であれば、旅行中、必要なタイミングで手配できる。

停留所は、ペトロナスツインタワーやブキビンタン、セントラルマーケットなど主要観光地やリッツカールトン、マンダリンオリエンタルなど主要ホテルを含め100カ所以上を設置している。HISの個人旅行「Ciao」の対象商品を申し込んだ旅行客は、滞在中何度でも無料で利用できる。

運行時間は午前10時から午後10時まで。ミニバスの乗客座席数最大は12人で、英語またはマレー語のドライバーとなる。

首相任期10年制限で閣議承認、今国会にも憲法改正案を提出へ

【ペタリンジャヤ】 アンワル・イブラヒム内閣は、過度の権力集中を防ぎ、国の民主主義体制を強化するため、首相の任期を2期10年に制限する方針を1月30日の閣議で承認した。アザリナ・オスマン首相府相(法務・制度改革担当)が明らかにした。

首相の2期10年の任期制限案は与党連合・希望同盟(PH)構成党の民主行動党(DAP)が要求していたもので、アンワル首相もかねてから同意していた。政府は首相の10年の任期制限を法制化するため、現国会会期中に連邦憲法の関連改正案を提出する予定だという。

アザリナ氏は「10年の任期制限は、国の指導部に対する国民の信頼を高めることにもつながり、国際的に成熟した民主主義の慣行にも合致させるもの」と強調。政策提言、国民からのフィードバック、そして複数の関係者が参加する包括的な対話セッションを通じて得られた提言を徹底的に検討した結果、決定されたと述べた。
(ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、1月31日)

未払い印紙税の履行に罰金を免除、自発的申告を奨励

【クアラルンプール】 内国歳入庁は、未払い印紙税に関する自発的開示プログラムを開始したと発表した。アンワル首相の新年メッセージに基づく措置で、2023年1月1日から2025年12月31日までの期間に取り交わされた、印紙税が未払いの取引文書が対象。自発的な法令順守を促すのが狙い。

6月末までに申告し、税を納めた者には延滞に対する罰金を免除する。納税した時点で罰金は自動的に削除されるため、罰金免除の申請書類提出は不要。

またこのプログラムに基づき納税が済んだ文書は監査対象から外される。しかし詐欺が絡む事案の文書は監査対象になる。
(マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、エッジ、1月28日)