産業廃棄物のアミタ、バイオマス資源活用でシナジーSEAと提携

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 産業廃棄物リサイクルのアミタホールディングス(本社・京都府京都市)は10日、同社の海外事業統括会社であるアミタ・サーキュラー・デザイン(ACD)が、マレーシア政府系企業UEMレストラ の子会社であり、再生可能エネルギー関連の事業を行うシナジーSEAとの間で、戦略的業務提携に関する基本合意書を締結したと発表した。

本合意に基づき、両社は共同で、マレーシア国内における未利用バイオマス資源の利活用事業に関する事業性調査および事業モデル開発を行っていく。

具体的には、パーム油の製造工程で排出されるパームヤシ空果房(EFB)等を代替燃料として、マレーシア現地企業や日本国内に供給する事業モデルを検討する。これにより、ACDとナザグループの合弁会社アミタ・ベルジャヤがマレーシアにおいて展開する100%再資源化事業の拡大に寄与するとともに、石炭などの天然資源からバイオマス資源へとエネルギー転換を促し、顧客企業における脱炭素化支援を目指す。

2―3年以内を目途に、マレーシアでの未利用バイオマス資源の包括的な利活用事業の確立、インドネシアへの水平展開に向けた調査・検討、社会デザイン事業の海外展開の加速などを行っていくという。

国内観光客数、第1四半期は19%増=政府観光局

【バチョク】 マレーシア政府観光局によると、マレーシアの国内観光客数が今年第1四半期に5,860万人となり、前年同期の4,926万人から19%増加した。国内観光客の定義は25キロメートル以上移動し1泊以上した者となっている。

同期の国内観光客の支出は241億リンギに達し、前年同期の192億1,000万リンギから25.3%増加した。セランゴール州、パハン州、マラッカ州には数多くの観光名所があるため、国内観光客が多く訪れる州となっているという。

政府観光局のムサ・ユソフ副局長(プロモーション担当)は、「国内観光の増加は休日が多かったこととマレーシア人がリラックスするための休暇を求める傾向が高まっていることによるもの」と指摘。「今日の旅行者は、贅沢よりもリラクゼーションと家族の楽しみに重点を置き、ますます癒しの体験を求めている」と述べた。

(マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、9月9日)

マリオット、ジョージタウンに55階建て複合宿泊施設を開設

【クアラルンプール】 米ホテル・チェーンのマリオット・インターナショナルは8日、ペナン州ジョージタウンのガーニードライブ沿いに55階建ての複合宿泊施設「ペナン・マリオット・コンプレックス」を正式オープンした。同社にとり国内で50カ所目の宿泊施設となる。

同施設は、客室数223室の「ペナン・マリオット・ホテル」、90室のサービスアパート「マリオット・エグゼクティブ・アパートメント・ペナン」、302室の同「マリオット・レジデンス・ペナン」の3ブランドで構成されている。

「ペナン・マリオット・ホテル」は、イタリア料理、多国籍料理、軽食などのレストランや24時間利用可能なフィットネスセンター、サウナ、インフィニティ・プールなどを備えている。

「マリオット・エグゼクティブ・アパートメント・ペナン」は、長期滞在客を対象とした高級サービスアパートで、1-2ベッドルームにリビング、キッチンも備えている。フィットネスセンターやビジネスセンター、スタッフサービスを24時間利用できる。

「マリオット・レジデンス・ペナン」では、45メートルのインフィニティ・プール、共同クラブハウス、ジム、ハーブ園などを用意。コンシェルジュサービスやハウスキーピングサービスも利用できる。

(エッジ、9月9日)

ゼロエミッション車専用のナンバープレートの運用開始

【サイバージャヤ】 道路交通局(JPJ)が発行する、電気自動車(EV)を含むすべてのゼロエミッション車(ZEV)専用のナンバープレート「JPJePlate」の運用が9日、開始された。二輪車を除くすべてのZEV新車に対し、同日付で「JPJePlate」 の使用が義務づけられる

「JPJePlate」は1セット98リンギで、フロントプレート、リアプレート、RFIDフロントガラスステッカー、標準配送料が含まれている。安全性の向上と取り締まりのしやすさに向け、反射視認性を向上させ、偽造防止ホログラムやRFIDによるスマートテクノロジーを導入している。

自動車メーカーや自動車販売業者は、同日から公式ウェブサイト(jpjeplate.jpj.gov.my) を通じて新車のZEV を購入した顧客に代わり、「JPJePlate」を注文できるようになった。また既存のZEVは専用ナンバーの取得は義務化されないが、切り替えを希望するユーザーは11月9日から申請することができるようになる。

アンソニー・ローク運輸相は、EVインデックスマーク付きナンバープレートの特別入札プロセスが9月13日まで「JPJeBid」システムを通じて行われると明らかにした。入札結果は入札プロセス終了後24時間以内に発表される。収益の一部は公共事業に割り当てられる。

(フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ソヤチンチャウ、9月9日)

プロトンがエジプトで現地組立、ユニットの輸出を開始

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは9日、近くエジプトでプロトン車の現地組立(CKD)が開始されると明らかにした。エジプトは左ハンドル市場であり、同社にとり初の海外左ハンドルモデル工場となる。

同日、現地組立に向けたCKDユニットの輸出が開始された。第一陣ではAセグメント・セダン「サガ」120台分のユニットが輸出された。

エジプトでのCKD生産はエズ・エルゼウェディ・オートモビル・ファクトリーズ(ESAF)が手掛ける。プロトンは2023年11月、現地販社のエズ・エルアラブとの間でパートナーシップ協定を締結していた。

CKD生産に向けた投資額は1,500万米ドル(約6,500万リンギ)を超える見通しで、CKD車の年産能力は向こう数年間で5万台に達するとみられる。エジプトにはこれまで完成車(CBU)を輸出しており、輸出台数は過去6年間で3,200台に達した。

プロトンは現在、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ、ケニア、エジプトの5カ国でCKDプロジェクトを手掛けており、今後数年間で輸出台数1万台の達成を目標としている。プロトンは現在、アジア、中東、アフリカなど20カ国に輸出している。

(ポールタン、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、9月9日)

官民協働のガバナンス強化策「PIKAS2030」を発表=首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は9日、官民協働のガバナンス強化に向けた「官民協働マスタープラン2030(PIKAS2030)」を発表した。

PIKAS2030は、既存の官民協働(PPP)政策やガイドラインを下敷きに、より明確で包括的な方向性を示している。成功を測る基準となる目標も設定されており、「2030年までに780億リンギの民間投資、国内総生産(GDP)に820億リンギの貢献、90万人の雇用機会の創出を目指す」としている。

目標達成に向け、4つの戦略方針と17の主要イニシアティブを設定した。具体的には、競争入札の優先、再開発・再生・運営・譲渡(ROT)や建設・再開発・再生・運営・譲渡(BROT)モデルの導入、利用者負担PPPの優先、資金調達手段としての事業信託や不動産投資信などの導入などを検討する。

アンワル首相は、これまでの道路、発電所、空港などの公共事業の民営化により、社会が進歩を遂げた側面もあるものの、不正行為を生む余地も生じたため、ガバナンスや労働者の福利厚生を優先する必要があると説明。企業のみに富を集中させるのではなく、労働者の賃金、住居、教育なども企業規模に見合った水準に引き上げるためにPIKAS2030が機能すると述べた。

(マレーシアン・リザーブ、エッジ、9月9日)

多角経営のPPB、向こう5年で7.9億リンギの設備投資

【クアラルンプール】 穀物販売、映画興行、食品加工など多角経営のPPBグループは、向こう5年間で7億8,700万リンギを設備投資に割り当てる方針を明らかにした。

中国の製粉工場への投資とマレーシアのサイロおよびトウモロコシ工場の建設に3億9,200万リンギ、マレーシアでの7つの新映画館開設と既存の映画館の改修に2億9,600万リンギをそれぞれ投じる。また消費者向け食品加工部門のシステムアップグレードと自動化に6,700万リンギ、「チェラス・レジャーモール」の改修に3,200リンギをそれぞれ割り当てる。

メディア向け説明会に出席したリム・スーンフアット社長は、気候変動、地政学的紛争、経済および金融市場の不安定性によって引き起こされる混乱の影響を軽減するために、サプライチェーン管理と業務効率の向上に重点を置くと言明。「穀物市場の不安定性がPPBグループの課題のひとつだが、問題は価格変動をどれだけ上手に管理できるかだ」、「市場の不安定性はさらに高まる可能性がある。地政学的展開を予測することはできない」と述べた。

PPBグループは、農業ビジネスや加工食品販売を手掛けるFFM、シネコン経営のゴールデン・スクリーン・シネマ(GSC)を傘下に持つ。

(ベルナマ通信、9月5日)

民族間平等、都市と農村で意見が相違=ムルデカ青少年調査

【クアラルンプール】 世論調査機関のムルデカ・センターが青少年を対象に実施した調査によると、ブミプトラ(マレー系および先住民)優遇政策の支持について、マレー系の中でも都市部と農村部では意見が異なる傾向が明らかになった。

東マレーシアでは、回答者の65%が全民族の平等を支持、反対は33%だった。マレー半島の中部地域では52%が支持、47%が反対、南部では53%が支持、44%が反対だった。その一方、北部では、46%が支持、51%が反対、東海岸では22%が支持、75%が反対という結果となった。

他民族との交流機会が多い都市部では、平等を受け入れる傾向にあるが、農村部では、マレー系以外のコミュニティと接する機会が少ないため、特権を守りたいという傾向が強くなっているという。

民族間の差別意識は増加傾向にある。華人の57%、インド系の58%が「政府から不当な扱いを受けており、頻繁に差別を受けている」と回答した。マレー系は同じマレー系を信頼すると回答したのは75%だったが、他民族に対する信頼度は低く、華人を信頼しているのは57%、インド系を信頼しているのは53%にとどまった。華人では、同じ華人への信頼度は95%、マレー系は92%、インド系は83%。インド系では同じインド系で85%、マレー系で79%、華人で83%となった。

本調査は2024年4月3日―5月12日、18―30歳の1,605人を対象に、電話インタビューにより実施された。回答者の57%がマレー系、21%が華人、7%がインド系。20%が18―20歳、41%が21―24歳、39%が25―30歳だった。

(マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、9月6日)

マレーシア航空、来年3月22日にKL―パリ線を再開

【クアラルンプール】 マレーシア航空は6日、クアラルンプール(KL)と仏パリ(シャルル・ドゴール空港)を結ぶ直行便を2025年3月22日に再開すると発表した。同路線及び欧州大陸路線の運航は9年ぶり。

マレーシア航空のKL―パリ線は1981年に就航したが、ボーイング「B777」型機の段階的廃止に伴い、2016年1月にパリ線の運航を停止していた。

機材はエアバス「A350-900」型機を使用。マレーシア航空にとって68都市目の乗り入れ先となる。3月22日―28日は週4回運航を行うが、29日からデイリー運航を行う。運賃は往復3,699リンギから。9月6日から発売を開始した。

デイリー運航のスケジュールは往路の「MH21」便はKL発が23時40分、パリ着が翌日の6時40分。復路の「MH20」便はパリ発が11時25分、KL着が翌日の6時10分となっている。

マレーシア航空は2016年の再編以前、パリ線のほかドイツ線(フランクフルト、ミュンヘン)、イタリア線(ローマ)、スペイン線(マドリード)、スイス線(チューリッヒ)を運航していた。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、9月6日)

ジョホール港、8月にコンテナ取扱量10万TEUを突破

【クアラルンプール】 ジョホール港の運営を手がけるMMCグループ傘下のジョホール・ポートは、8月にコンテナ取扱量が10万2,324TEU(20フィート標準コンテナ換算)となり、2019年7月の9万9,039TEUを抜いて月間取扱量の最高記録を更新した。

今年年初8カ月(1―8月)の累計取扱量は69万8,914TEUとなり、前年同期比15.7%の大幅増となった。ジョホール・ポートは、ジョホールにおける貿易活動の増加とジョホール港のサービスレベルの向上を反映していると分析。向こう5年間で10億リンギ以上の設備投資を割り当て、インフラ改善と新機器購入により港湾業務の一部を自動化すると明らかにした。

デリック・バシル最高経営責任者(CEO)は、同港が毎日平均1,700人の外部運送業者を管理し、ヤード利用率が最大120%に達したとした上で、同港の貨物処理能力および地元の輸出入業者や産業を支援する能力を示したと述べた。

マレーシア運送業者協会のズルファリク・アブドル・マナップ副会長は、貨物量の急増によりジョホール港を利用する運送業者の数が増えたにもかかわらず、トラックターンアラウンドタイム(TTT=トラックが港に着いてから荷積み・荷下ろしを終えて港を出るまでの時間)は適切に管理され、ほぼすべてのトラックのTTTが45分未満だったと述べた。

(ザ・スター、9月6日)