KLのインター校パインヒルズ、日本事務局を開設

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 クアラルンプール(KL)近郊で5つのキャンパスを展開するパインヒルズ・インターナショナルスクールは16日、日本からの入学を希望する家族へのサポート体制を強化するため東京都渋谷区に日本事務局を開設したと発表した。

2001年創業の同スクールは、幼稚園から高校(4―18歳)の生徒を受け入れている。同校では「HENKAN(変換)」という独自のメソッドを掲げ、少人数制で英国式教育を提供。また、在籍する生徒の15%がスペシャルニーズを持つ生徒といい、専用のコースを設けるなど手厚いサポートでも知られる。

日本事務局開設の背景として、マレーシアは日常的に英語が使われ比較的物価が安いなどの理由で教育移住先として人気が高いことが挙げられる。同校では各家庭のニーズに合わせ、長期留学のほか、短期留学、交換留学、グループ研修などさまざまなプログラムを提供しており、入学前の相談や手続き、現地での生活サポートを日本語で行うことで、保護者や学生が安心して学べる環境を整備するとしている。

高砂熱学工業、マレーシア日本国際工科院と連携協定

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 高砂熱学工業(本社・東京都新宿区)は17日、マレーシア日本国際工科院(MJIIT)と高砂熱学工業の冠講座である「高砂熱環境システム講座 」の共同運営継続及びサテライトラボの設置などについて合意したと発表した。

高砂熱学とMJIITは2014年に包括連携協定を結び、2015年は教育研究基金に関する契約、2020年には同社冠講座の契約を4年間延長し、人財の育成、研究の連携を進めてきた。今年1月16日にはマレーシア現法のT.T.Eエンジニアリング(M)を合わせた3社間で連携継続で合意し、2024年度より3年間の協定を締結した。

連携協定における主な活動内容は、▽高砂熱学の冠講座の共同運営、サテライトラボ設置▽人財採用、インターンシップ学生の受け入れ――。高砂熱学の講座は、熱力学、流体力学および環境科学・工学の分野、特に再生可能エネルギーや省エネ技術の領域で研究活動を行うもので、MJIITの20ある講座(研究室)のうち、唯一の企業冠講座となっている。新連携協定では、T.T.Eの参画に加えてサテライトラボも設置することで、教育研究支援の多角化や新たな研究の立ち上げも期待されるという

石川県フェアをKL市内で開催、1月25日まで

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 石川県及び石川県食品協会は1月17日―25日の日程で、県産の水産物や農産品を使った特別メニューを期間限定で提供する「石川フェア」をクアラルンプール(KL)市内の日本レストランで開催する。

石川県が令和6年度にマレーシアなど9カ国で実施する、県産品の輸出拡大支援に向けた「石川フェア」事業の一環。KLの会場は「鮨和」で、同店の日本人シェフが考案したメニューによるコース料理となっている。料金は1人598リンギ(税抜き)。

石川県産の鮮魚、ズワイガニのほか、源助だいこん、ハト麦茶豆腐、くるみ、中島菜、能登柿之助、とり野菜味噌、五郎島金時(さつまいも)などが供される。

第4四半期のGDP成長速報値は4.8%、通年は5.1%=統計局

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 統計局は17日、2024年第4四半期(10ー12月期)のマレーシア国内総生産(GDP)成長率の速報値を発表。前期(7ー9月期)のプラス5.3%を下回るプラス4.8%と予測した。正式発表は2月14日を予定している。

セクター別では、牽引役のサービス業は、前期のプラス5.2%からやや改善しプラス5.3%の堅調な成長を維持。卸売・小売業、輸送・倉庫、情報・通信のサブセクターが貢献した。

製造業は前期のプラス5.6%から減速したもののプラス4.3%成長を維持した。電気・電子・光学製品、石油、化学、ゴム・プラスチック製品、植物性・動物性油脂、食品加工品の増加が貢献した。

農業は天然ゴムが二ケタの成長を遂げたもののアブラヤシや林業の減速が響いて、前期のプラス3.9%から0.6%のマイナス成長に転落した。 鉱業・採石業は原油・コンデンセートの生産が減少したものの、天然ガスの生産増に下支えされて前期のマイナス3.9%からマイナス1.4%に持ち直した。

建設業は住宅及び非住宅建設の成長に支えられ、前期のプラス19.9%からほぼ横ばいのプラス19.6%となった。

2024年通年のGDP成長率速報値はプラス5.1%で、前年の3.6%を上回った。セクター別ではサービスがプラス5.3%、建設がプラス17.2%、製造業がプラス4.2%、鉱業・砕石がプラス0.8%、農業がプラス3.0%と、いずれもプラス成長となった。

今年の航空旅客数は新型コロナ前を上回る見通し=運輸相

【クアラルンプール】 マレーシア航空委員会(MAVCOM)は今年のマレーシアの航空旅客数が前年比8.4―15.6%増となり、1億580万―1億1,290万人に達すると予測しており、新型コロナパンデミック前の2019年に記録された1億930万人を上回る見通しだ。アンソニー・ロ―ク運輸相が明らかにした。

ローク氏は、2024年の航空旅客数・貨物量の実績と2025年の見通しに関する記者会見で、昨年の航空旅客数が前年比14.3%増の9,710万人と大幅に回復し、パンデミック前の水準の90%にまで回復したと述べた。東南アジア諸国連合(ASEAN)と世界全体の成長率はそれぞれ19.8%と38.9%だったという。

その上でロ―ク氏は今年の航空旅客の成長の要因として、前年比15.8%増が見込まれる座席数の増加、前年比21.1%増と見込まれる国内旅行のほか、前年比4.5―5.5%と見込まれるマレーシアの堅調な国内総生産(GDP)成長、通貨リンギ・レートが1米ドル=4.45リンギで安定するなど、マクロ経済環境が良好であることを挙げた。

航空貨物部門も成長の兆しを見せており、MAVCOMは、経済回復と電子商取引の拡大に支えられ、今年の貨物量が前年比4.5―8.5%増加すると予測している。2024年の航空貨物量は前年比8.3%増の10億3,410万キログラムとなった。

マレーシアの航空旅客数は2020年にパンデミックに伴う移動制限により2,670万人に急落し、国境が閉鎖された2021年にはさらに悪化していた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、1月15日)

輸出成長率は4%に減速、シンクタンクSERCが予想

【クアラルンプール】 シンクタンクの社会経済研究センター(SERC)は、今年の輸出は昨年の推定5.1%増から4%増に減速すると予想している。経済見通しに関する会見でリー・ヘングイエ専務理事が表明した。

トランプ次期米国政権が関税引き上げを示唆しているためで、トランプ氏は特に中国に対する高関税を言明しているが、中国企業や多国籍企業が調達先を中国からマレーシアに変更する可能性もあり、マレーシアへの影響は軽減されるという。

リー氏は、チャイナプラスワン(中国に一極集中していた海外拠点の分散)や台湾プラスワンによる調達先の再編でマレーシアは優位な立場にあるが、マレーシアがどの程度恩恵を受けるかは、マレーシア企業の能力にも左右されると述べた。

政府が計画している、永住権を持たない外国人社員に対する従業員積立基金(EPF)加入義務付けについて、リー氏は雇用者の負担を増すだけと否定的だ。

最低賃金引き上げ、外国人労働者雇用税の複層化、EFP義務化がすべて実施された場合、新規雇用の外国人については月454リンギ、既存の外国人社員については同267リンギ、雇用者負担が増すという。
(SERC報道資料、エッジ、1月15日)

村田製作所の現法、ミルクラン方式の越境トラック輸送を開始

【イポー】 村田製作所のマレーシア現地法人、ムラタ・エレクトロニクス(マレーシア)は、貨物ターミナルを運営するイポー・カーゴ・ターミナル(ICT)を利用し、部品・商品の越境トラック輸送を開始した。複数の調達先を巡回し、部品を集荷する巡回集荷(ミルクラン)方式となる。

ムラタ・マレーシアの岸上幸生代表によると、タイ、イポー、シンガポールにある村田の拠点間のトラック輸送で、タイからマレーシア、シンガポールへの一方通行。ムラタ・マレーシアは村田グループ企業に働き掛け、復路での貨物積載も目指す。ベトナムを巡回先に含めることも検討する。

ムラタ・マレーシアは24年から、税関局、ICTなど利害関係者と越境輸送に関する調整を進めてきた。

ICTのロスナワティ氏は、ICTは村田の商品がより早く顧客の元に届くことを確保すると述べた。ICTでは税関申告が可能で、マレーシアからの輸出であれば商品に税金はかからない。
(ベルナマ通信、1月15日)

ウズマ、マレーシア初の高解像度地球観測衛星を打ち上げ

【クアラルンプール】 石油・ガス(O&G)サービスのウズマは15日、マレーシア初の商用超高解像度地球観測衛星「UzmaSAT-1」の米カリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地からの打ち上げに成功したと発表した。マレーシアの人工衛星としては13機目となる。

ウズマの人工衛星は民間航空宇宙産業、米スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)の「ファルコン9」ロケットを使用したライドシェアミッション「トランスポーター12」によって他の衛星と共に米国時間14日に打ち上げられ軌道に乗った。

ウズマが開発した「UzmaSAT-1」は重量45.4キログラムで、サブメートル(1ピクセルあたり最大50センチメートル)の高解像度画像やデータを配信する。

「UzmaSAT-1」からの1枚の画像には最大1ギガバイト(GB)のデータが含まれており、カバー範囲は50平方キロメートル、解像度は50センチメートルに向上している。これにより農業、プランテーション、エネルギー、防衛、災害対応、監視アプリケーションなど、さまざまな分野での活用が見込まれている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、ビジネス・トゥデー、エッジ、1月15日)

ケダ州、看板や標識へのジャウィ文字使用を義務化へ

【クアラルンプール】 ケダ州政府は、州内の看板や標識の表記においてジャウィ文字(マレー語表記のために作られたアラビア文字を改良した文字)の使用を義務化する計画だ。州地方自治・保健委員会のマンソール・ザカリア議長(国政の閣僚に相当)が明らかにした。

州政府が行っているジャウィ文字の使用促進活動の一環で、すでにジャウィ文字促進を謳った条例があるという。ただし第1の文字であるマレー語表記のためのローマ字に加え、第3の文字として他の言語の併記も認められる。

その一方でマンソール氏は、看板や標識の表記において、露出度の高い服を着た女性など挑発的な画像の使用を禁止すると言明。「その他の禁止されている映像には、扇動的な内容、人種的要素、危険な武器の描写などがある」と述べた。州政府は地方当局と協力して施行にあたるという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、1月14日)

原子力エネを潜在的電源として再評価へ=ファディラ副首相

【ペタリンジャヤ】 マレーシアは原子力エネルギー事業を潜在的電源として再評価する方針だ。エネルギー移行・水利転換相を兼任するファディラ・ユソフ副首相が明らかにした。

14日にサンウェイ大学で開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)持続可能な開発2025ワークショップに出席したファディラ氏は、産業用需要、データセンター拡張、電気自動車(EV)導入による需要増を踏まえ、エネルギー需要増に対するあらゆるソリューションを模索していると言明。「世界的に最もクリーンなエネルギー源の1つとして認められている原子力エネルギーは、我々が検討している選択肢の1つ。(国連の)COP28(気候変動会議)では、20カ国以上が原子力発電を3倍にすることを約束し、その重要性を強調した」とし、原子力発電をエネルギーミックスに含めることの実現可能性を慎重に検討していると述べた。

ファディラ氏によると、科学技術革新省傘下のマレーシア原子力庁の調査結果に基づき、エネルギー移行・水利転換省が同省傘下のMyパワー・コーポレーションに原子力発電に関する調査を委託した。調査は原子力技術、安全対策、セキュリティ、規制枠組み、そして特に国民との利害関係者の関与に焦点を当てたものとなっているという。

ファディラ氏は、マレーシアが2050年までにCO2排出量の実質ゼロを目標に掲げていることを指摘した上で、目標達成には環境保護とエネルギー安全保障のバランスを取るよう努めなければならないと強調。エネルギーが手頃な価格であるだけでなく、すべてのユーザーに公平に分配されることを保証することが含まれるとし、水力、バイオマス、太陽エネルギーを含む多様なエネルギーミックスが組み込まれた包括的な電力開発計画を策定したと述べた。
(ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、1月14日)