自然電力、トレンガヌ州系企業と太陽光発電開発で協力

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 自然電力(本社・福岡県福岡市)は29日、グループ傘下の自然・インターナショナルがトレンガヌ州における太陽光発電プロジェクトの開発協力で、同州政府系投資持株会社のトレンガヌ・インコーポレイテッド(トレンガヌ社)と合意したと発表した。

同州内での野立て太陽光発電プロジェクトの共同開発を検討することに合意し覚書を締結した。調印式は2024年8月6日に行われた。

自然・インターナショナルの古賀大幹 代表取締役は、「トレンガヌ社と連携することで、地域の社会経済の発展を促進し、2025年までに再生可能エネルギー設備比率35%を達成するというトレンガヌ社の環境・社会・企業統治(ESG)目標への貢献を目指す」と述べた。

トレンガヌ社のブルハヌディン・ヒルミ最高経営責任者(CEO)は、「トレンガヌ社と州政府が州内でのグリーン・テクノロジーに関する取り組みを推進するにあたり、今回の提携がグローバル企業と協力する戦略的機会を創出することを期待している」と述べた。

仏アコーホテルズ、来年第1四半期にKLでホテル2軒開業

【クアラルンプール】 ホテル経営大手の仏アコーホテルズは、2025年第1四半期に「グランド・メルキュール」と「イビス・スタイルズ」の2軒をクアラルンプール(KL)の中心部ブキビンタンで開業する。先ごろ、ホテル運営のシンガポール系ワールドワイド・ホテルズ・グループと覚書を取り交わした。

マレーシアでは初となる「グランド・メルキュール」の客室数は325室で、24時間営業のレストラン、フィットネスセンター、プールのほか、多目的会議室・イベントスペースを備える。

手頃な料金の「イビス・スタイルズ」の客室数は168室で、24時間営業のレストランとバー、セルフサービスのコインランドリー、フィットネスセンターが設置される。

アコーホテルズは現在、プレミアム、ミッドレンジ、エコノミー(PM&E)セグメントにおいて、▽プルマン▽モーベンピック▽ノボテル▽イビス▽イビス・スタイルズ――の5ブランドにより、マレーシアで24軒のホテルを運営している。

(SMEマガジン・アジア、8月28日、ホテルマネジメント、8月22日)

マレーシア航空の連続トラブル、部品不具合と熟練社員不足が原因

【プトラジャヤ】 技術的な問題による緊急着陸や引き返しが複数回発生しているマレーシア航空(MAB)について、アンソニー・ローク運輸相は、機械部品の不具合と熟練スタッフの不足が原因との見方を示した。

ローク氏は、マレーシア民間航空局(CAAM)が6月24日から28日にかけて航空機整備を手掛けるMABエンジニアリングサービス(MABES)に対して行った調査で、1月以降、有資格整備スタッフ411人のうち63人が退職したことが明らかになったと指摘。「CAAMはMABESの整備スタッフの退職は他のメンテナンス会社からの高給オファーによる引き抜きである可能性があると結論づけた」と述べた。同調査結果は28日に行われた閣議でも発表されたという。

その上でローク氏は、調査を受けてMABは航空機の安全レベルの向上、積極的な熟練人材の採用実施、航空機エンジンのスペアパーツの相手先ブランド製造会社(OEM)からの十分な供給確保などのいくつかの対策を取り纏めたとし、「MABは実施状況に関する月次報告書をCAAMに提出するよう指示されている」と述べた。またCAAMがMABに対する監査を実施できるように、MABの航空運送事業許可(AOC)の更新期間が3年から1年に短縮され、AOCの有効期間は2025年8月31日までとなったと述べた。

今回の問題を受けてマレーシア・アビエーション・グループ(MAG)は24日、MABなど傘下3社で12月まで一時的に減便すると発表。クアラルンプール(KL)―東京(成田)線が週12便から10便に、同大阪(関西)線が9便から7便に減便となることが決まっている。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、8月28日)

遅延5時間以上のフライト、購入者への全額返金を義務化

【プトラジャヤ】 航空利用者保護法の改正で9月2日から、5時間以上遅延したフライトについて航空会社は、チケット購入者に全額返金しなければならない。アンソニー・ローク運輸相が発表した。

返金手段は購入の際の手段と同じでなければならない。存在しない便の航空券購入を防ぐため、欠航便は予約システムから削除することも義務づけられる。法改正は航空会社の責任を明確にするのが目的。違反の場合、航空会社には最大20万リンギの罰金が科せられる。

予測不能な事情によるフライト遅延、取り止めの場合、航空会社は現金による返金でなく、旅行券やクレジットシェル(次回の予約や購入に利用できるポイント)の提供を申し出ることもできる。どれを選択するかは利用者の自由。

航空会社はまた、燃料サーチャージ、空港税、炭素税なども利用者に弁償しなければならない。これは払い戻し可能な航空券と払い戻し不可の航空券の両方に適用される。

2025年1月施行の変更では、離陸予定に変更がある場合、航空会社は実際の離陸より少なくとも2週間前に乗客に知らせなければならない。機器故障など異常事態の場合を除く。このほか▽乗客が搭乗後の搭乗拒否はできない▽利用者による苦情申し立ての期間は2年(従来は1年)とする――などが盛り込まれている。

(エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、8月28日)

KLのジャランマスジットインディアを通行止め、陥没事故を受け

【クアラルンプール】 ファディラ・ユソフ副首相は28日、陥没事故が発生したクアラルンプール(KL)のジャラン・マスジッド・インディアの事故現場を訪問。約50メートル先の地点で2カ所目の陥没が発生したため、周辺一帯を一時通行止めにすると明らかにした。

国営「ベルナマ通信」によると、ジャラン・マスジッド・インディアからジャラン・ブヌスのメイバンクまでの道路が、車両が出入りできないよう警察の黄色いテープで封鎖されているという。ただし歩行者は影響を受けていない道路の通行を許可されており、周辺の店舗も通常通り営業している。

ファディラ副首相は、23日に発生した陥没事故の被害者である48歳のインド人観光客の捜索救助活動はいまだ続行中だが、それが完了し次第、地下設備の完全性監査を開始すると述べた。陥没が2カ所発生したことで、同様の事故を繰り返さないためにも、全関係者が地域の地下設備や排水システムを調査する必要があるとしている。

クアラルンプール市政府(DBKL)は、陥没事故の被害者がまだ発見されていないことから、30日に予定されていた独立記念日前夜祭を中止にすると発表した。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、ベルナマ通信、8月28日)

ユーグレナ、ペトロナスの研究開発部門とバイオ燃料原料を研究へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ユーグレナ(本社・東京都港区)は28日、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)の研究開発部門子会社のペトロナスリサーチとの間で、21日付けで包括的共同研究契約を締結したと発表した。

両社は、微細藻類の大規模生産技術を確立し、持続可能な航空燃料(SAF)や水素化植物油(HVO)などのバイオ燃料の原料として活用することを目指す。具体的にはユーグレナがペトロナス、イタリアの石油企業エニと共に建設・運営する予定のバイオ燃料製造プラントへのバイオ燃料用原料の供給を行うという。微細藻類の大規模生産に向けた培養、藻体回収、油脂抽出、脱脂藻体等の副産物利用などに関する技術開発などを共同で実施していく。

バイオ燃料製造プラントに関しては、今年7月に3社が最終投資決定を行っており、合弁会社を設立の上、ジョホール州でペトロナスが運営するペンゲラン総合石油コンプレックス(PIC)内で今年第4四半期にプラント建設を開始する予定となっている。

外食のフォーフィンガーズ、大半店舗でハラル認証を取得

【クアラルンプール】 シンガポール系フライドチキン・チェーンの「フォー・フィンガーズ・クリスピー・チキン」は、マレーシア進出10周年の節目を迎え、国内90%以上の店舗でハラル(イスラムの戒律に則った)認証を取得したと発表した。

取得したのは、マレーシア・イスラム開発局(JAKIM)のハラル認証で、食材の調達から調理に至るまで、ハラル基準に準拠していることが保証されたとしている。フォ-・フィンガーズは全国でハラル認証店舗をさらに拡大する計画があるという。

フォー・フィンガーズは2009年にシンガポールで創業。マレーシア以外にもインドネシア、タイ、豪州に展開している。

(ベルナマ通信、8月27日、ザ・サン電子版、8月26日)

ベルジャヤフード、通年決算で9151万リンギの赤字に転落

【クアラルンプール】 外食チェーンの運営を手掛けるベルジャヤ・フードは27日、2024年度通年(2023年7月―2024年6月期)決算を発表。「スターバックス」チェーンに対する不買運動とジョリビーン・フーズの売却による損失で9,151万リンギの赤字に転落したと明らかにした。前年度は1億340万リンギの黒字だった。

通年の売上高は7億3,030万リンギで、前年度比34.6%の大幅減収となった。イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区侵攻に関連して対米世論が悪化し、「スターバックス」が不買運動の標的にされたことが響いた。第2四半期(2023年10月―12月)に計上したシンガポールのジョリビーン・フーズの売却損は1,050万リンギ。投資関連の特別損失を除くと税引前損失は7,684万リンギだった。

第4四半期(2024年4―6月期)の売上高は1億3,057万リンギで、前年同期比52.0%の大幅減収となった。「スターバックス」に対する不買運動が響いた。同期の赤字は3,820万リンギ。

ベルジャヤ・フードは声明の中で、「厳しい市場環境とグループの業績に影響する外部からの圧力を認識している」としながらも「慎重ながらも楽観的である」とし、業務が徐々に改善すると予想している。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、8月27日)

ベルマツ、中国XPengのEV「G6」をマレーシア市場に投入

【クアラルンプール】 中国・小鵬汽車(シャオペン・モーターズ)は、電気自動車(EV)のスポーツ車(SUV)「XPeng G6」をマレーシア市場に投入した。

ベルマツ・オートが子会社ベルマツXPengを通じて販売を行う。「G6」はスポーツ車(SUV)で、昨年4月に中国で発売された最新モデル。マレーシアでは中国からの輸入完成車(CBU)を2バリアントで展開する。

航続距離と最高出力は、「G6 580プロ」がそれぞれ435キロメートル(km)、255馬力(PS)。「G6 755プロ」が570km、282PS。両バリアントとも急速充電が可能で、10ー80%までの充電時間は20分以内となっている。車体カラーは5色。保険なし価格は、「G6 580プロ」が16万5,000リンギから、「G6 755プロ」が18万5,000リンギから。いずれも5年間または12万kmの車両保証、8年間または16万kmのバッテリー保証が付属する。BYD「アット3」やテスラ「モデルY」と同価格帯となる。

Xpengのショールームは現在セランゴール州シャアラムのグレンマリーに1店舗あるのみだが、ペナンに1店舗、9ー10月にはジョホール、マラッカ、ネグリ・センビランの各州にも店舗を開設する計画だ。ベルマツは来年、XPengの多目的車(MPV)「G9」の発売も計画しており、価格は30万リンギ以下となる見込みだという。

ベルマツ・オートのフランシス・リー・コックチュアン最高経営責任者(CEO)は、国内ではEVインフラが未整備のため、当面は販売台数や利益を追求するよりもXPengのブランド確立を優先する方針だと言明。XPengは他中国車メーカーのような販売台数至上主義ではないため、大切にブランドを育てていきたいと述べた。

(エッジ、ポールタン、モタオート、8月27日)

DBKLが建設前の地盤調査を義務づけ、道路陥没事故を受け

【クアラルンプール】 クアラルンプール市政府(DBKL)は、今後クアラルンプール(KL)市内で建物の建設を行う場合に、認定エンジニアによる事前の地盤調査を義務づける。26日付けでマイムナ・モハマド・シャリフ市長名義の書簡が関係部署に送付された。

認定エンジニアが作成した地盤調査報告書の承認が下りるまで、開発命令、建築計画承認、建築許可、土木工事承認は行われないという。

23日にKLのジャラン・マスジッド・インディアの歩道で突然8メートルの深さの陥没が発生し、48歳のインド人観光客が落下した事故を受けての措置となる。28日時点で捜索救助作業が続いているが、観光客はまだ発見されていない。27日にはカンポン・ケリンチのジャラン・パンタイ・プルマイでも排水路が崩壊し、大きな空洞ができたという。

ザリハ・ムスタファ首相府相(連邦直轄区担当)は、DBKLに対し、地質学者やインフラ専門家と協力し、今後の陥没の発生を防ぐよう指示したとし、KL市長と常に連絡を取り合い、短期・長期的な戦略を策定するとともに、KLの都市計画を見直すことも検討すると述べた。

(マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、8月27日、ザ・スター電子版、8月26日)