三井不動産の高級コンド、コンレイ来春完成へ

【クアラルンプール】 マレーシア三井不動産は6日、地元の不動産開発会社イースタン・アンド・オリエンタル(E&O)と共同で進めているクアラルンプール(KL)中心部の高級コンドミニアム「コンレイ / THE CONLAY」の上棟式を行った。来年3月に完成予定。

コンレイは51階建てで総戸数491戸。11―34階にある297戸の住宅部分は家具付きで、専有面積743―1,335平方フィート(69―124平方メートル)。E&Oのコック・タックチョン社長によると、2019年から180万リンギ以上で発売され、73%が台湾、中国、韓国などの投資家によりすでに購入済という。35―51階にある194戸は「ブランドレジデンス」として来年3月までに売りに出される予定だ。

そのほか、11階と36階は共有部分として、プールやフィットネス施設、サウナルーム、会議室などを設置。50階はレストランになる予定。マレーシア三井不動産の斉藤正義社長は「コンレイはKLの新たなランドマークとなり、街の将来の成長と活気に貢献すると信じています」とスピーチした。

E&Oは2013年以来、マレーシア三井不動産とKLでコンレイ以外に2つのプロジェクトを手がけている。
(エッジ、12月6日)

データセンター需要増への対応は困難に、マッコーリー見解

【クアラルンプール/シンガポール】 金融サービスグループの豪系マッコーリーは、マレーシアにおけるデータセンター(DC)ブームは続くが、電力供給面でこうした需要増に対応するのは困難との分析を11月29日公表の報告書で示した。

対照的に、タイはDC需要増の恩恵を受け始める見通しで、アマゾン、グーグルによる東部経済回廊への投資はデジタルサービス需要をさらに増大させるという。

マッコーリーのアナリストによると、DCは電力を大量に消費するが、電力が容易に入手できる立地に建設する傾向が強まっており、タイはその恩恵を受けている。データセンター運営業者や投資家は、電力供給がしっかりしている市場を優先投資先とすることが必要になるという。

東南アジアはデータセンター建設増の恩恵を受けており、特にマレーシアでの建設が盛んだ。しかし人工知能(AI)による膨大な計算量を支えるため、DCの消費電力量が急増しており、マレーシアは十分な電力を供給できなくなる恐れがある。

実際、ジョホール州政府は11月、過去5カ月間にDC建設申請のうち30%を不認可にしたと発表した。安易な建設認可は地域社会の水、電力供給をひっ迫させる恐れがあるためだ。
(ビジネス・トゥデー、ビジネス・タイムズ、12月4日)

デジタルプロジェクト2件の遅れ、首相が不満表明

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は国家的デジタル事業のMyデジタルIDと5G(第5世代移動体通信)ネットワーク敷設事業が遅れていることに不満を表明。速やかな解決を当事者に求めた。閣議後の会見でファーミ・ファジル通信相が明らかにした。

MyデジタルID はオンラインユーザーの安全、合法な認証を目的としたアイデンティティー管理とトランザクション(コンピューター処理)署名プラットフォームで、ファーミ氏によると、5日の時点で登録した国民は132万にとどまった。これについてアンワル氏は、国民に登録を促すための方策を2週間以内にまとめるよう、関係者に求めた。5Gネットワーク敷設問題については、第1ネットワークを運営する国営デジタル・ナショナル(DNB)に対し、事業計画の速やかな提出を要請した。

DNB出資協議がまとまらないため、第2ネットワーク工事の入札が遅れているのが遅延の原因。第2ネットワークを敷設・運営するUモバイルは既に事業計画をマレーシア通信マルチメディア委員会に提出したが、DNBは未提出で、1月までの猶予を当局に要請した。しかし首相は月内の提出を求めたという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、12月7日、エッジ、ビジネス・トゥデー、12月6日)

アパレルのyutori、ららぽーとBBCCに海外初の2店舗

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 若者向けアパレルブランドを企画・販売するyutori (東京都世田谷区)は7日、海外初進出としてクアラルンプール(KL)市の「ららぽーとブキ・ビンタンシティセンター(BBCC)」にストリート系の2ブランドをオープンした。

オープンしたのは、原宿に拠点を置く古着ミックスの「9090」と、10ー20代の男女に人気の「Younger Song」。開店初日から多くの若者が詰めかけた。yutoriは2018年創業で、アジア最大のストリートカンパニーへの成長を目標に掲げている。

武田マレーシア、保険会社などとデング熱予防接種で提携

【クアラルンプール】 武田薬品工業の現地法人、武田マレーシアは5日、大手マネージドケア事業者マイケアや大手保険会社と、ワクチン接種などのデング熱対策で覚書(MoU)を締結したと発表した。

覚書を結んだ保険会社は、トウキョウ・マリン・ライフ・マレーシア、グレート・イースタン・ライフ・マレーシア、ホンリョン・アシュランス、MCISライフに加え、タカフル(イスラム式保険)を運営するシャリカット・タカフル・マレーシア・ケルアルガ。マイケアと合わせ、最大170万人にデング熱対策に不可欠な知識を提供していく。特にワクチン接種を含めた総合的なデング熱予防法に力を入れるという。

デング熱は近年、国内で非常に流行しており、10月12日現在、今年の累計症例数は10万6,773件に上る。デング熱には4つの異なる系統があり、理論上は1人の人が4回デング熱に感染する可能性がある。2度目の感染はより重篤になりやすく、推定では2度目の感染例の20例に1例が重症デング熱に進行するという。

最近のデータでは、計画的にデング熱ワクチン接種を実施することで、今後30年間で43億リンギを節約できると予測される。武田マレーシアは今年6月、マレーシア初となるデング熱ワクチン「キューデンガ(QDENGA)」を発売し、デング熱に関するサイト(https://knowdengue.my/でもさまざまな情報を発信している。
(ビジネス・トゥデー、12月5日)

パナソニックAPエアコン、最大級の太陽光発電システムを稼働

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 パナソニック空質空調社は6日、セランゴール州シャアラムに所在するパナソニックAPエアコンマレーシア(PAPAMY)の工場に、発電容量5.2メガワット(MW)規模の太陽光発電システムを導入したと発表した。

工場のCO2排出量実質ゼロ化に向けた取り組みの一環。マレーシアでルームエアコン、業務用空調機器、ヒートポンプ式温水給湯暖房機(A2W)、コンプレッサーなどの生産を行っているPAPAMYで、エアコン工場の屋根を中心に太陽光パネル9,461枚を設置し、11月1日に稼働開始した。設置面積は3万1,786平方メートルで、パネル容量は5.156MW。

PAPAMYのエアコン工場とオフィスなどを含む全ての使用電力の約20%をカバーする規模で、パナソニックグループ内で最大級となる。稼働による年間発電量は約5,900MWh/年、CO2排出量は年間約3,912トン削減される見込みだ。

パナソニックグループは、2030年までに全事業会社で自社拠点におけるCO2排出量の実質ゼロ化を目指している。今後さらに、エアコン外装部の塗装工程をスチームレス化するなど消費エネルギー削減とエネルギーコスト合理化により、PAPAMYのエアコン工場では2025年にCO2ゼロ化の達成を目指す。

NTTデータ、ジョホールで域内最大290MWのデータセンター

【クアラルンプール】 NTTデータグループは5日、ジョホール州ゲラン・パタに計画しているデータセンターが専用ビル6棟を備えた受電容量計290メガワット(MW)の施設になり、アジア太平洋地域最大級になると明らかにした。

グループは今年8月、68.457エーカー(27.7ヘクタール)の土地を3億8,300万リンギで購入する契約を結んでいた。センターは需要が高まっている人工知能(AI)にも対応し、ダイレクト液体冷却などの新技術を採用する。6棟のうち、最初となる48MWのビルは、2027年4月の稼働を予定している。

また、2030年までにすべてのデータセンターの電力を100%再生可能エネルギーまたは低炭素エネルギーでまかなうことを目指す。

NTTデータグループのデータセンター事業は現在、世界第3位。20か国以上に150を超える施設を持ち、今後も成長の1つの柱として拡充していく方針を打ち出している。アジア太平洋地域はITとデータセンターにとって最も急成長し、最も影響力のある市場の1つ。マレーシアでの戦略的土地取得と開発は、この地域でのさらなる拡大をけん引していくものになる」としている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、12月5日)

岩田商会、ペナンの化学品商社を子会社化

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 工業薬品販売などを手掛ける岩田商会(本社・愛知県名古屋市)は2日、ペナンに拠点をもつ化学品商社のEQXマテリアルズの全株式をM&Aを通じて取得し、全額出資子会社化したと発表した。買収に伴い社名はEQXイワタに変更した。

EQXイワタは、化学品、半導体材料、建築材料の専門商社機能、物流機能を有しており、マレーシアを基盤にアジア全域で事業を展開している。岩田商会はEQXイワタの特徴ある製品群、強みである販売力と物流、岩田商会が培ってきた化学品・先端材料・建材事業が補完関係にあり、子会社化により一層の相乗効果が期待できるとしている。

EQXイワタのホームページによると、顧客は30カ国・3,000社以上、取扱品目は500品目以上で、海外拠点は14カ所に上る。

ダークウェブ上で身分証明書の情報が漏えいか、内相は否定

【クアラルンプール】 国民の約48%に相当する1,700万人の身分証明カード(MyKad)の情報が外部に漏れ、ダークウェブ上で売り出されていると、シンガポールに拠点を置くダークウェブ監視会社ステルス・モールが、Xのアカウント「フュージョン・インテリジェンス・センター」で主張している。

ステルス・モールはその根拠として、ダークウェブに掲載されたとする複数枚の身分証明書カードのスクリーンショットを掲載した。ダークウェブとは、一般的な検索エンジンではアクセスできないインターネット空間で、違法なモノや情報が数多くやり取りされている。MyKadには氏名、住所のほかに生体情報が含まれており、なりすまし、不法な金融口座の開設などに悪用される恐れもある。

しかしマレーシア警察によれば、データ漏えいの被害届けはなく、サイバー犯罪捜査部の調査でも漏えい、情報販売の証拠は確認できなかったという。サイフディン・ナスティオン内相も、国家登録局を含め関係当局が徹底的に調べたが、情報漏出の事実はなかったと述べた。
(ベルナマ通信、フィンテックニュース、12月4日、ザ・スター、ザ・サン、12月5日)

KL国際モビリティショーが開幕、ホンダのeVTOLなどが展示

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 第10回クアラルンプール国際モビリティショー2024 (KLIMS 2024) が5―11日の日程でクアラルンプール(KL)のマレーシア国際貿易展示センター(MITEC)で開幕した。2018年の第9回から6年ぶりの開催となる。

マレーシア自動車連盟(MAA)が主催するもので、「モビリティを超えて」がテーマ。持続可能性、電動化、自律移動における最先端のイノベーションを自動車関連各社が披露する。出展企業は70社で、自動車メーカー18社(プロドゥア、プロトン、トヨタ、ホンダ、三菱、日産、マツダ、起亜、長城汽車、モリス、小鵬汽車、モデナス、カワサキ、ハーレーダビッドソン、プジョーなど)、自動車関連サービス・製品など(18社)が含まれる。

新型車9車種が会期中に発表されるほか、コンセプトモデル8車種が展示される。プロドゥアの電気自動車(EV)モデル試作車「eMO-II」、ホンダの「プレリュード」コンセプトカー、バッテリー式EV「e:N1」、電動垂直離着陸機(eVTOL)などが展示される。