マレーシアはAI技術トップ20カ国入りを目指す=首相

【シャアラム】 アンワル・イブラヒム首相は19日、マレーシアは、人工知能(AI)技術でトップ20カ国入りを目指しているとし、目標達成に向け、AI関連技術の研究者、開発者、政策決定者が協力するよう呼びかけた。

アンワル首相は同日マレーシア工科大学(UTM)シャアラム校で開催された国際会議でのスピーチで、責任ある倫理的なAI開発促進には関係者間の協力が不可欠だと言明。政府は国家AIエコシステムの構築に向け取り組んでいるとし、AI研究教育センターや独自のAIクラウドシステムの開発を計画しているとした。

一方、ディープフェイク技術を用いた偽画像・動画など、AIの危険な側面にも注意が必要だとし、政府は政策や法律を通じて、AIが社会に及ぼす悪影響を最小限に抑え、強固なAIガバナンスを確保することを目指すと述べた。具体的には、ASEAN(東南アジア諸国連合)内でのデジタル経済協力、個人情報保護法の改正、サイバーセキュリティ法案やデータ共有法案の策定に取り組んでいるという。

(ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、8月19日)

ペナン港で浮体式太陽光発電所の建設計画が浮上

【ジョージタウン】 ペナン港で、停泊中の国際クルーズ船に再生可能エネルギー(RE)を供給するための、浮体式太陽光発電所の建設計画が浮上している。英字紙「ザ・スター」が報じた。2030年以降、RE電力が供給できない港湾にはクルーズ船が寄港しなくなる可能性があるためだという。

ペナン港沖のサッカー場3個分に相当する4ヘクタールに及ぶエリアに浮体式太陽光発電所を設置するというもので、晴れた日には6,000世帯に電力を供給できる規模の30メガワットの発電量が見込まれるという。ペナン本土沖のノースバターワース・コンテナターミナル(NBCT)とデルマガ・ダラムの間の海域が候補地となっている。今後、事業化調査が行われるという。

スウェッテナム・ピアクルーズ・ターミナル(SPCT)に寄港するクルーズ船にRE電力を供給することが狙いで、RE電力の利用を希望する国際クルーズ会社にとってペナン港が魅力的なものとなると期待されている。

港湾におけるRE電力供給は、国際海事機関(IMO)が2030年を目標にしている温室効果ガス(GHG)40%削減の達成に向け、船舶に供給する電力の少なくとも5-10%削減を目標に掲げており、RE供給インフラがない港湾にはクルーズ船が寄港しなくなる可能性があるという。

(ザ・スター、マレー・メイル、8月20日)

KL中心部に5つ星ホテル「インペリアルレクシス」がオープン

【クアラルンプール】 ホテル運営のレクシスホテルグループは、クアラルンプール中心部に5つ星ホテル「インペリアル・レクシス・クアラルンプール」をオープンした。

53階建てで、客室数は275室。インフィニティ・プールを備えているが、全客室に小さなプライベートプールも付属している。51階には宿泊客専用のスカイデッキ展望台があり、ペトロナス・ツインタワーやKLタワーを間近に見ることができる。環境にも配慮しており、アメニティやパッケージに環境に優しい素材を使用し、エネルギー効率の高い技術を取り入れている。タブレットやモバイル端末によるモバイルチェックインも採用しており、紙の使用量を削減している。

公式ウェブサイト(https://www.imperiallexiskl.com/)からの直接予約で、限定特典が受けられるという。

(ベルナマ通信、8月17日)

スポーツカーのロータス、旗艦店をシャアラムに開設

【クアラルンプール】 スポーツカーのロータス・カーズ・マレーシアは、セランゴール州シャアラムのグレンマリーに旗艦店「ロータス・クアラルンプール」を開設した。

床面積は1,765平方フィートで、そのうち987平方フィートをショールームが占める。2基の納車ベイ、顧客ラウンジ、専用商品エリア、ロータス車をカスタマイズできるコンフィギュレーター・ルームも備えている。営業時間は月―土曜が午前8時30分―午後5時30分、日・祝日は午前10時―午後4時。同社は今年3月、クアラルンプールのショッピングモール「パビリオン・ダマンサラ・ハイツ・モール」内に初の「ロータス・ストア」をオープンしており、今回開設した店舗は国内2店舗目となる。

開所式では同ブランドで初となる完全電気自動車(EV)の「エメヤ ハイパーGT」の公式発表も行われた。マレーシアには中国で製造された3バリアントが輸入され、保険なし価格は55万5,000―77万7,000リンギ。本体には5年間または走行距離15万キロメートル(km)までの保証、バッテリーには8年間または20万kmの保証が付属する。

(ポールタン、モタオート、8月16日)

UMWトヨタ、新型ハイラックスなど3車種の予約受付を開始

【クアラルンプール】 UMWトヨタ・モーターは、ピックアップトラック「ハイラックス」、スポーツ多目的車(SUV)「フォーチュナー」、スポーツ車「GR86」の最新モデルの予約受付を開始した。全国のトヨタ正規ディーラーで予約可能だが、「GR86」のみ「GRガレージ」9店舗限定での予約受付となる。

新型「ハイラックス」の価格は10万4,880リンギから。リモートエンジンスタート、ワイヤレス充電器、パノラマビューモニターなどの先進的機能が追加され、運転の安全性と利便性が強化された。

新型「フォーチュナー」の価格は19万5,800リンギからとなり、新しいGRボディキットとリモートエンジンスタートが搭載された。

新型「GR86」の価格は29万5,000リンギからとなり、スロットルレスポンスやサスペンションの改善、電動パワーステアリングの再調整、シフトダウン後のエンジン回転数向上などの改良が施され、フロントとリアにデジタルビデオレコーダーも搭載されている。

ラビンドラン・クルサミー社長は、ラインナップを継続的に改善することで、顧客の期待を超える最高の運転体験を提供していくと述べた。

(モタオート、8月17日、ジグホイールズ、8月16日)

新型公共バスをネグリセンビラン州で導入、今後全国にも展開へ

【ジェレブ】 アンソニー・ローク運輸相は16日、ネグリ・センビラン州で全国初となる新型バスを導入すると発表した。公共バスサービス変革(SBST)プログラムによるもので、ピンク色の新型バスおよびキャッシュレス決済システムを導入する。

ローク運輸相によると、連邦政府はネグリ・センビラン州に7,900万リンギを割り当て、44台のミニバスと2台のワゴン車を導入。地元バス運営企業ゴピ・トラベル・ツアーズにクアラ・クラワン、クアラ・ピラ/バハウ、ポート・ディクソンの3路線の運行を委託した。契約期間は5年間。新型バスでは運行間隔は30分から1時間の間で一定に保たれており、GPS(全地球測位システム)および監視カメラにより監視されるという。高齢者、障害者、学生は事前登録の上、無料で利用できるようにする。

ローク運輸相は、今後、ジョホールバル(ジョホール州)、マラッカ(マラッカ州)、カンガー(ペルリス州)、イポー(ペラ州)、クアラ・トレンガヌ(トレンガヌ州)、クアンタン(パハン州)、コタ・セタル(ケダ州)、コタ・バル(クランタン州)などの都市や、東マレーシア(サバ、サラワクの両州)での新型バスの段階的導入を目指すとし、マラッカではすでに新しい運行業者が決定しており、間もなく新型バスが導入される予定だとした。一方、他州では現行契約が満了するまで待つ必要があるとしている。

ローク運輸相はまた、新型バスの色としてピンク色を選んだのは、明るい印象を与え、より多くの人々に公共交通機関を利用してもらうためだと説明。セレンバンではバス第1ターミナルの改修も進行中で来年完工する予定だとし、同地では透析センターや病院に定期的に通う必要がある市民を対象にした、予約制のバスも運行する予定だと述べた。

(エッジ、ベルナマ通信、8月16日)

マレーシア、個人認証およびデジタルIDにワールドコインを採用

【クアラルンプール】 デジタル省傘下の研究開発組織マレーシア・マイクロエレクトロニクス・システム研究所(MIMOS)は16日、仮想通貨(暗号通貨)のワールドコイン財団、その開発組織であるツールズ・フォー・ヒューマニティ(TFH)、電子政府サービスの現地企業MyEGサービシズとの間で覚書(MoU)を締結した。仮想通貨「ワールドコイン」の虹彩スキャン技術を個人認証やデジタルIDに活用する。

「ワールドコイン」は、生成人工知能(AI)開発に携わる米オープンAIの創設者であるサム・アルトマン氏らが立ち上げたもの。MIMOSは、TFHの最先端虹彩認証デバイス「オーブ」を活用することで、国内のデジタル認証を改善できるとしている。また、「オーブ」の共同製造、ワールドチェーンとマレーシアの国家ブロックチェーン・インフラの接続、ワールドコイン技術のオープンソース利用などについても検討する。

TFHはオーブやアプリに関する技術知識とサポートを提供し、MyEGは技術統合とハードウェア展開に取り組む。

ワールドコインは欧州やラテンアメリカなどでサービス拡大を行っているが、一部の国では生体認証データの収集に関する懸念も高まっており、香港やスペインなどでプライバシー条例違反の疑いでサービス停止に至っている。一方、ワールドコインは5月、生体認証データシステムを一般公開することで、ユーザーが古い虹彩コードを安全に削除できると発表し、一時サービスを停止していたケニアでは利用が再開されている。

(コインテレグラフ、クリプトステート、8月16日)

シンガポール大手行のUOB、一部業務をマレーシアに移管

【クアラルンプール】 シンガポール大手銀行の大華銀行(UOB)は、利益率維持を目的として、バックオフィス、ミドルオフィス業務の一部をマレーシアに移管する。

リー・ワイファイ最高財務責任者(CFO)の発表によると、2026年まで費用対収益比率の40%維持を図る。主にクアラルンプールに業務を移管する。シンガポールの経費が高いための決断だ。バックオフィス業務は顧客に直接、接する機会が特にない事務管理部門を、ミドルオフィスは経営企画や広報、マーケティングなど、直接部門がより高い成果を生むためにサポートする部門を指す。

東南アジア諸国連合(ASEAN)業務の拡大、金利収入以外の業務の拡大と合わせ、株主資本利益率(ROE)も同年まで14%前後の維持を図る。

UOBはASEANではインドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムに注力しており、2026年には連結決算に占める利益の割合が30%に達すると予想している。また資産管理、トレードファイナンス、財務管理サービス部門の収益増を計画している。

(シンガポール・ビジネス・タイムズ、フィンテック・ニュース、8月15日)

「すし金」がインドネシアに進出、10年内に150店を計画

【ジョージタウン】 日系テクスケム・リソーシズは、先ごろ回転寿司チェーン「すし金」のインドネシア進出を果たした。ジャカルタ郊外に「すし金」2店舗をオープンした。開店費用は約100万リンギ。10年内にインドネシア国内に150店舗を設立する。

テクスケム・グループの創始者である小西史彦会長が明らかにした。向こう5―10年の間に2億2,000万リンギを投じ、マレーシアとインドネシアに合計220店舗を新設する計画だという。

インドネシアでは今年11、12月にジャカルタでさらに2店舗、来年はさらに10店舗の開設を予定している。その後はジャカルタと他の大都市に10店舗を設立し、5年から10年をかけてインドネシア国内に150店舗を設立する。最終的にインドネシアで1,000店舗まで増やす予定。またマレーシア国内では、店舗数を現在の130店から200店に増やす計画だ。

ペナンに本社を置くテクスケム・グループは、工業、高分子材料科学、食品、外食、ベンチャービジネスの5つの中核事業を有している。工業や高分子材料科学部門に比べて食品、および「すし金」を擁する外食部門は厳しい経営環境に置かれているが、経営改善に向けた継続的な取り組みが成果を上げ始めているという。

(ザ・スター、8月19日)

日本はグリーン水素投資への関心を継続=ファディラ副首相

【リマ】 ファディラ・ユソフ副首相兼エネルギー移行・水利転換相は16日、日本がマレーシアのエネルギー部門、特にグリーン水素部門への投資に関心を示し続けているという見解を明らかにした。

15―16日にペルーで開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)会議に参加したファディラ副首相は、シンガポール、ベトナム、ブルネイ、日本の4カ国との協議後の記者会見で、昨年12月に住友商事、エネオスの2社がサラワク経済開発公社(SEDC)との間で、日本市場を対象としたグリーン水素の大規模生産に向けた共同開発契約を締結するなど、日本はすでにグリーン水素分野でサラワク州に投資を行っていると強調。今回の協議でも両国の協力関係について議論が行われたが、詳細については持ち帰って政府レベルで検討するとした。

ファディラ副首相はまた、エネルギー移行に関する各国の戦略や、エネルギー安全保障、ベトナムのハラル(イスラムの戒律に則った)認証の開発、シンガポールによる中小企業能力開発および投資、2025年にマレーシアで開催予定の「第3回アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」閣僚会議への協力などについても協議を行ったと説明。エネルギー担当大臣会合では、国家送電網を第三者企業が利用できる「第三者利用制度(TPA)」についての議論もあったとし、マレーシアでは22日に業界関係者との対話を行い、フィードバックを得た上で、9月にTPAの詳細を発表する予定だとした。

(ザ・サン電子版、ベルナマ通信、8月16日)