ベルジャヤフード、北欧3カ国でスターバックスの運営権取得

【クアラルンプール】 ベルジャヤ・グループのF&B(飲食)部門、ベルジャヤ・フードは5日、海外事業部のベルジャヤ・フード・インターナショナル(BFI)がアイスランド、デンマーク、フィンランドの北欧3カ国におけるカフェチェーン「スターバックス」の運営権を獲得したと発表した。

マレーシアのF&B上場企業が北欧市場に参入するのはこれが初めて。BFIは声明で「BFIは現地での雇用と調達に注力するとともに、料理と運営のノウハウを提供する」と述べた。

ベルジャヤ・フードのシドニー・キーズ最高経営責任者(CEO)は「当社の専門知識と情熱を北欧のコーヒー文化に持ち込み、温かいマレーシアのおもてなしを紹介し、スターバックスの「サードプレイス(第3の場所)」コンセプトの体験を提供できることを嬉しく思う」と述べた。

ベルジャヤ・フードは現在、スターバックスのほか、▽ケニーロジャース▽クリスピークリームドーナツ▽パリバゲット――の各飲食チェーンを運営。今年4月にフィリピンで「パリバゲット」の1号店をオープンし、シンガポールでも運営契約を締結した。

現在、マレーシアとブルネイで400店舗を超える「スターバックス」を運営しており、マレーシア国内では「パリバゲット」5店舗、「ケニーロジャース」 70店舗、「サラ」7店舗、シンガポールでは「ジョリビーン」34店舗を構えている。
(ザ・スター電子版、エッジ、8月5日)

農業展示会「MAHA2024」、 9月11日―22日開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 駐日マレーシア大使館農務部は5日、100周年を迎えるマレーシア最大の農業展示会「MAHA 2024」を9月11日―22日に開催すると発表した。

農業食糧安全省が主催する「MAHA」 は、隔年で開催される農業、園芸&アグロツーリズム分野の大型イベント。「MAHA2024」のテーマは「夢が咲く明日を収穫する」で、国際的な参加を増やし、食糧安全保障分野における回復力の開発を促進し、若者が農業業界を収入源として考えられるためのイベントを目指す。

前回の「MAHA2022」はパンデミック後の制限のため、オンライン・オフライン(会場)両方のハイブリッド形式で行われ、来場者延べ120万人、オンライン来場者25万人を集客した。「MAHA2024」では来場者300万人、販売額4,000万リンギ、出展社数2,000社を目標として掲げている。

9月11―13日は業界関係者向けトレードショー(事前登録が必要)となり、9月14―22日が一般公開日となる。開催場所は、セランゴール州セパンの農業公園「MAEPSセルダン」で、入場料は無料。

駐日マレーシア大使館農務部は声明で、「MAHA2024」は日本の農業および食品業界関係者にとり、マレーシアの同業者と新たなビジネス、市場の見通し、投資機会を探求するための場となるとし、今後のマレーシア製品の日本市場での展望について共有し、マレーシアで日本製品を宣伝する最適な機会となると述べた。

セカイマルシェが5.1億円を資金調達、サービス展開加速へ

【クアラルンプール】 東南アジアにおける生鮮食品のサプライチェーンを構築するセカイ・マルシェ(本社・東京都、 グローバル拠点・クアラルンプール、シンガポール)は5日、総額5.1億円のシリーズA資金調達を完了したと発表した。

投資したのは、▽ベンチャーキャピタルのビヨンド・ネクストベンチャーズ(追加投資)▽同スパイラルベンチャーズ・アジア・ファンド(追加投資)▽三菱UFJキャピタルが運営するファンドの三菱UFJキャピタル9号投資事業有限責任組合▽食領域のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンドであるフューチャーフードファンド2号投資事業有限責任組合▽海事系商社・石油販売・CVCの常石商事▽青果物流の福岡ソノリク▽生鮮流通のフーディソンの山本徹 代表取締役兼最高経営責任者(CEO)――。

セカイ・マルシェは、今回調達した資金を、フルフィルメントセンターの拡充、人工知能(AI)を活用した需要予測のさらなる精度向上、ラストワンマイルの自動化・最適化に活用する。また、体制構築費およびマーケティング活動にも充てる。本資金調達を皮切りに、東南アジアのマーケットシェアを一気に拡大していく計画だ。

出光興産、ペトロナスと気候変動緩和プロジェクトを共同検討へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 出光興産(本社・東京都千代田区)は6日、グループ会社の出光インターナショナル(アジア)(出光アジア、本社・シンガポール)が、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)傘下のPETCOトレーディング・ラブアン(PTLCL)との間で、マレーシア国内外における気候変動緩和プロジェクトの探索と事業化に向けた共同検討に関する覚書(MoU)を締結したと発表した。

出光アジアとPTLCLは、本MoUの締結により、発電・輸送・農業・廃棄物を含むさまざまな分野においてGHG排出削減に寄与するプロジェクトを共同で探索する。また両グループが石油・石油化学事業で長年培ってきた強固なパートナーシップと、グループ内でトレーディング機能を担う出光アジア・PTLCL両社の強みを生かし、カーボンクレジットを含む環境証書の創出などを通じた事業化を共同検討する。

出光アジアは、出光興産グループのトレーディング拠点として、石油・石化製品および低炭素商材のトレーディング・事業開発を担っている。出光興産グループにてオフセットで使用するボランタリーカーボンクレジットの調達のほか、高品質なカーボンクレジットの創出を目的としたプロジェクトの探索・開発を行っている。

三菱重工、サラワクで発電タービン2台を受注

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 三菱重工(本社・東京都千代田区)は5日、サラワク州に建設される総出力約50万キロワット(kW)の天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電所向けに、M701F形ガスタービン1台と蒸気タービン1台を受注したと発表した。

サラワク州政府が100%出資する石油ガス企業、ペトロリアム・サラワク(ペトロス)が同州ミリで計画しているGTCC発電所プロジェクトに向けたもの。発電所の完工後は、ペトロス傘下のペトロス・パワーが所有・運営する。三菱重工はこのほど、プロジェクトのEPC(設計・調達・建設)取りまとめを行う中国水利水電建設集団(シノハイドロ・コーポレーション)との間で機器供給契約を締結した。2027年の運転開始を予定している。

三菱重工は、プロジェクトの中核機器であるガスタービンおよび蒸気タービン各1台、ならびに関連補機類を供給する。ガスタービンは、30%の水素を含む燃料で運転できるよう将来を見据えた計画となっている。三菱重工はこのほか技術員を派遣して据え付け・試運転を支援する。商業運転開始後は、ペトロスと直接締結した長期保守契約(LTSA)を通じて、発電所の安定的な営業運転をサポートする。発電機は三菱ジェネレーター製を採用する。

大型量販店ロータスズ、プチョンに新業態店舗をオープン

【クアラルンプール】 大型量販店「ロータスズ」は、セランゴール州プチョン店をリニューアルオープンした。一般消費者のみではなく、食品小売、フードサービス、ホスピタリティなどの業界の企業や慈善団体などもターゲットとする新業態の店舗となる。

20週間の改装工事を経て生まれ変わったプチョン店は、5,000平方メートルの面積に、1万3,500点の商品を取り揃えており、そのうち600点は、日用品、調理用品、生鮮食品、家庭用洗剤、缶詰などのホスピタリティ業界向け商品となっている。大量購入専用の支払いレーンや事前注文サービスも用意する。オープンを記念して、抽選会やプレゼントなどのキャンペーンを期間限定で実施する。

ロータスズ・マレーシアのネイル・グルサミー店舗責任者は、新業態店舗は、既存の顧客を大切にしながら、ビジネス分野の新しい顧客を開拓できるとし、プチョン店の実績を評価した上で、同様の試みを全国に展開することを検討すると述べた。
(ラクヤットポスト、ベルナマ通信、8月2日)

9月17日は自動的に振替休日とはならず=首相府

【クアラルンプール】 今年の9月16日はマレーシア・デーと預言者ムハンマドの誕生日(マウリドル・ラスル)の祝日が重なっているが、首相府は翌9月17日が自動的に振替休日にはならないと発表した。

内閣・憲法・政府間関係部門のウェブサイトによると、「1951年祝日法」(第369号法)では、祝日が重なった場合について自動振替休日を規定していないためで、ただし政府は必要に応じて別の日を祝日として指定することができるとして、今後政府の意向で祝日を設ける可能性を残している。
(ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、8月2日)

プロトン初のEVを「e.MAS7」と命名、早ければ年内発売

【シャアラム】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは2日、同社の電気自動車(EV)ブランド「e.MAS」から近く発売を予定している最初のモデルの名前が正式に「e.MAS7」に決まったと発表。早ければ2024年末にも発売開始すると明らかにした。

「e.MAS7」はCセグメント・スポーツ車(SUV)で、サイズは全長4,615ミリメートル(mm)、全幅1,901mm、全高1,670mm。その他のスペックや価格については明らかにされていないが、プロトンに出資している吉利汽車が5月に発売した「ギャラクシーE5」をベースとしているとみられる。

プロトンのロスラン・アブドラ副最高経営責任者(CEO)は、発売を早めるため、中国で生産した完全組立(CBU)モデルを輸入するとし、現地組立(CKD)モデルへの移行にはマレーシアのエコシステムの開発が必要で、これは将来の目標だと述べた。またプロトンのEVはより広範なマレーシア市場に対応するという使命に沿って、手頃な価格のセグメントをターゲットにしていると言明。長期的に市場に浸透する持続可能な製品を投入していくつもりだと強調した。

プロトンは今年6月に「e.MAS」ブランドを発表し、EV5車種を発売予定であることを公表。当初18カ所だったプロトンのEV販売子会社プロトン・ニュー・エナジー・テクノロジー(プロネット)の販売店は現在、29カ所に増加している。
(ザ・スター電子版、ポールタン、エッジ、ベルナマ通信、8月2日)

スマートドライブのマレーシア子会社、DX事業会社に出資

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 モビリティサービスのスマートドライブ(本社・東京都千代田区)は2日、マレーシアの連結子会社が、マレーシアにおいてソフトウェア開発事業や、電気自動車(EV)関連分野を含むデジタルトランスフォーメーション(DX)事業を行う57コード・ボックスを関連子会社化すると発表した。

57コード・ボックスの第三者割当増資を引き受け、発行済株式の28%を取得して関連会社化する。従来よりスマートドライブ・グループは一部の開発業務を57コード・ボックスへ委託しており、今後も新サービスの展開を積極的に進める上で57コード・ボックスとの関係強化が開発リソースの増強につながると判断した。また57コード・ボックスは、マレーシアにおいてEVをはじめとした再生エネルギー関連にもサービスを提供しており、当領域への展開の一助になるとみている。

スマートドライブは新事業の開発やM&Aを積極的に進めており、今回の出資は今後のM&A戦略の一環として初の事例となるとしている。

東洋製缶、マレーシアの受託充填会社の子会社化を完了

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 東洋製缶グループホールディングス(本社・東京都品川区)は2日、ホームケア製品、パーソナルケア製品などの受託充填を手掛けるプレミア・センター・グループ(PCG)の子会社化が完了したと発表した。

PCGは、セランゴール州クランに所在。マレーシアでホームケア製品、パーソナルケア製品および食品用香料の相手先ブランド生産(OEM)・相手先ブランド設計・製造(ODM)を行う大手受託充填メーカーであり、かつプラスチック容器の製造、内容物の調液および充填をワンストップで行うマレーシアで唯一の企業。2020年、21年、22年と売上高、営業利益共に前年度を上回った。

東洋製缶は今年2月、PCGの全株式(809万6,976株)を7,500万米ドルでPCマニュファクチャリング・ソリューション・ホールディングスから買収すると発表。PCGの事業領域であるホームケア、パーソナルケア市場が安定して成長するとの見通しに加え、東洋製缶グループが保有する容器の製造・開発の技術と、PCGが保有する内容物の調液・充填の技術を融合することにより、事業シナジーや新規市場を創出できると判断したと説明していた。