「有害コンテンツ」対策でメタをけん責、免許制導入協議で

【クアラルンプール】 政府が2025年からフェイスブック、TikTokなどのSNSサービス運営する企業に免許取得を義務付けることについて、フェイスブックなどを運営するメタ・プラットフォームズは、明確な指針がなく、制度に対応するための時間が少なすぎると不満を表明した。

免許制導入は8月に発表された。サイバー犯罪対策の一環で、国内の利用者が800万人以上のプラットフォームが対象だ。2025年1月1日までの免許申請を求めている。

メタの東南アジア地域幹部ラファエル・フランケル氏はロイター通信の取材に対し、免許申請までの期間が極めて短く、SNSが果たすべき責務も明確でないと指摘。「こうした規制は適切に組み立て、安全と技術革新、デジタル経済成長とのバランスをとる必要があるため、2-3年の協議が必要だ」と語った。

ファーミ・ファジル通信相は10月29日、メタ代表者と会い、小児性愛やチャイルドグルーミングの問題に対する対策が、特にフェイスブック上で不十分とメタをけん責。「そうした性犯罪に関与するグループアカウントに対しメタは積極的対策を講じるべき」と語った。
(ベルナマ通信、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、マレー・メイル、10月30日)

ナジブ元首相の別の汚職裁判、高裁が継続を決定

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 政府系ファンド、ワン・マレーシア・デベロプメント(1MDB)に絡む一連の汚職事件における、ナジブ・ラザク元首相(別件で収監中)が1MDBから22億7,000万リンギ相当の資金を不正受給した件に関する裁判で、クアラルンプール高等裁判所は30日、検察側が提出した証拠が不十分だとするナジブ被告側の主張を却下。裁判の継続を決定した。

高裁のコリン・ローレンス・セクエラ判事は、検察側が出した証拠は刑事訴訟法に基づく法的基準をすべて満たしていると指摘。ナジブ被告側に検察側の主張に対して反証を行うよう求めた。反証が不十分だと判断されれば、先のSRCインターナショナルの件に続き本件でもナジブ被告が有罪判決を受けることになる。ナジブ被告は本件で職権乱用とマネーロンダリングに関する25件の罪状に問われており、有罪判決を受けた場合、最高20年の禁固刑が科される可能性がある。

ナジブ被告側は、元1MDBの元会長や最高財務責任者(CFO)AMバンクの元マネジャーらの検察側証人の証言が伝聞に基づく信用できないものだと主張したが、セクエラ判事は、「これらの証言は一貫しており、証言の信頼性は損なわれていないと判断する」と述べた。

ナジブ被告側は、1MDB事件で国外逃亡中の実業家ロー・テックジョー(通称ジョー・ロー)容疑者とは共謀関係にはなく、ロー容疑者らに騙されたものであって事件の首謀者ではないと主張。自身の口座に入金された多額の資金については、1MDBの資金とは知らずサウジアラビアからの寄付だと信じていたとしていた。
1MDBに関わる一連の汚職事件を巡っては、SRCインターナショナルから4,200万リンギがナジブ被告のAMイスラミック・バンクの個人口座に振り込まれた背任(CBT)や職権乱用など7件の罪状に問われた件では、2022年8月に有罪が確定し、ナジブ氏は即日収監されている。

ナジブ被告はこれ以外にも、SRCインターナショナルの2,700万リンギの資金洗浄とアラブ首長国(UAE)の国際石油投資会社(IPIC)に支払われた66億リンギの政府資金に関する横領の罪の2件でも告発されている。

補助金対象外の定義、世帯所得1.3万リンギ超の可能性も

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 アンワル・イブラヒム首相は、補助金対象・非対象を世帯収入によって決める案に関連して、対象外となる上位15%の富裕層(T15)の定義を世帯収入1万2,000リンギ以上に設定する方向で検討していることを明らかにした。統計局は1万3,000リンギ以上としているが、それを上回る額になる可能性もあるという。

来年半ばに実施するレギュラーガソリン「RON95」補助金合理化に当たっては、85%の国民には影響が及ばない、すなわち「T15」のみが補助金対象外となる見通しであることが発表されたが、野党からは「T15」を対象外とすれば、しきい値が月収1万2,000リンギになり、多数の国民が影響を被ると批判の声が上がっていた。

アンワル首相は「政府はT15の定義を1万2,000リンギ以上に定めたことはない。T15の人が補助金なしでやっていけるか検討しており、やっていけない場合には定義を引き上げる。1万5,000リンギ、あるいは1万8,000リンギ以上になるかもしれない。いずれにしても重要なことは下位85%が補助金削減の影響を受けないということだ」と述べた。

「T15」の定義を巡り混乱が続いていることを受け、ラフィジ・ラムリ経済相は先ごろ、1カ月内に決定すると言明。地域による物価差を考慮したもので全国一律にはならないとの見通しを示した。

ASEAN首脳の移動車両を全てEVに=アンワル首相

【プトラジャヤ】 マレーシアが2025年に東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国となることを受け、アンワル・イブラヒム首相は、来馬する各国首脳を含む代表団の移動用車両をすべて電気自動車(EV)にする方針だと明らかにした。

持続可能かつ包括的な社会経済成長の触媒としてのエネルギーセクター」と題するフォーラムに出席したアンワル首相は、「EVの車両サイズが比較的小さくなる可能性があるが、他の車両に比べてコスト効率が良い」と言明。「ASEAN諸国には首脳全員にできるだけ大きな車両を提供したいと伝えるが、入手可能な最大のEVとなるだろう」と述べ、政府ができるだけ多くのEVを確保するよう努めると付け加えた。

エネルギー転換を目指すマレーシアの真摯な姿勢を国内外に示すためで、先ごろ閣議で決定したという。アンワル首相は、「マレーシアはASEAN議長国としての機会を捉え、マレーシアを持続可能な成長のためのASEANハブとして位置づけなければならない」と述べた。マレーシアがASEAN議長国となるのは2015年以来で通算5回目。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、10月29日)

6月時点の家計債務はわずかに増加、GDP比83.8%に

【クアラルンプール】 6月末時点の家計債務は1兆5,700億リンギで、昨年末の1兆5,300億リンギより増加した。財務省が議会に書面で回答した。

債務の内訳は、61%が住宅ローン、13.5%が自動車ローン、12.4%が消費者ローン、残りがその他(クレジットカード、証券金融、住宅以外の不動産ローン)。対国内総生産(GDP)比で83.8%に相当する額だが、引き続き安全な水準にあるという。月収に対する月々の返済額の割合の中央値は35%。新たに認可されたローンでは、この割合は41%だった。

政府は消費者信用法案の国会提出を目指しており、品物を先に受け取り、後で代金を支払う後払い決済の提供者など、ノンバンクの規制に乗り出す。若者や低所得者による過剰な借り入れを抑制するためだ。
(マレー・メイル、10月29日)

LRT3号線計画、5駅復活も総工費は当初計画以下に

【クアラルンプール】 首都圏軽便鉄道(LRT)3号線計画で復活した5駅の工事費は、推定53億リンギとなる見通しだ。ハスビ・ハビボラ副運輸相が下院審議での答弁で明らかにした。

アンワル・イブラヒム首相が昨年の予算案上程に際し示した額(47億リンギ)を上回るが、それでも全体の工事費は219億3,000万リンギと、当初予算計画(316億5,000万リンギ)以下になるという。

LRT3はバンダル・ウタマとクラン地区ジョハン・セティアを結ぶ延べ37キロメートルの路線。国民戦線(BN)が政権を掌握していた2015年に計画されたが、2018年の希望同盟(PH)政権時代に見直しが行われ、財政ひっ迫を理由に総工事費の166億3,000万リンギへの削減と5駅(トロピカナ、ラジャ・ムダ、テマシャ、ブキラジャ、バンダル・ボタニック)の廃止が決められた。

工事は95.6%が完了しており、2025年第3四半期に運行を開始する。5駅の駅舎建設は同年第4四半期に始め、2027年第4四半期に完工の予定。運用開始は2028年第2四半期。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、10月28日)

エアアジアグループ5社、1―9月の旅客数が4500万人超

【クアランプール】 キャピタルAは24日、今年第3四半期(7―9月)の業績を発表。格安航空部門のエアアジア・アビエーション・グループ(AAG)5社(マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、カンボジア)について、年初9カ月の旅客者が4,500万人を突破したと明らかにした。ロードファクター(座席利用率)は90%と高い水準を維持した。

第3四半期でみると、5社の旅客数は前年比8%増の1,585万5,155人で、ロードファクターは89%だった。エアアジア・マレーシアの旅客数は13%増の758万3,348人に上り、ロードファクターは89%となった。スバン空港(セランゴール州)へのジェット機乗り入れ再開を受けて8月下旬に開設されたサバ・サラワク州への路線の搭乗率は92%に達した。

旅行アプリ「エアアジア・ムーブ」を使ったエアアジア以外のフライトとホテルの予約が急増した。決済サービス「ビッグペイ」でも、第3四半期のカード利用者は前年同期比8%増の157万3,987人となった。新規ユーザーの44%がムーブ経由だった。

また貨物・物流部門であるテレポートは、貨物輸送量が前年同期比31%増の7万7,341トンに達し、貨物、配送部門ともに力強い成長軌道を維持した。
(ベルナマ通信、10月28日、キャピタルA発表資料)

イオンクレジット、最終7回目のイスラム式起債を実行

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 イオンクレジットサービス(マレーシア)は28日、イスラム金融式コマーシャルペーパー発行プログラムに基づく、7回目で最後の起債を実行した。起債額は1億リンギ。

調達した資金は無担保金融の原資、既発行イスラム債の借り換えなどシャリア(イスラム教に準じた)業務に活用する。

コマーシャルペーパー発行プログラムを開始したのは2023年3月。1回の起債額はそれぞれ5,000万―2億リンギで、合計で7億3,000万リンギを調達した。

イオンクレジット(マレーシア)の設立は1996年12月で、2005年11月、ノンバンクとして初めてクレジットカードを発行し、2007年1月には日系企業として初めてイスラム金融方式の資金調達を実施した。

シーエムプラス、ハラル関連サービスで政府系企業と覚書

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 シーエムプラス(本社・神奈川県横浜市)は、セランゴール州政府傘下のコンサルティング会社、ヒストイバとハラル(イスラムの戒律に則った)分野でのパートナーシップについて、14日に覚書を取り交わしたと発表した。

ヒストイバはセランゴール州でハラル産業の発展を支援しており、ハラル認証につながる教育訓練支援での知見や、輸出促進など、グローバルな支援体制を拡充している。19日まで開催されたハラル関連産業の国際展示会「セランゴール国際ハラル会議(SELHAC)」を運営。シーエムプラスは同展示会に出展した。

シーエムプラスは覚書に基づき、製薬・医療機器・化粧品・食品などを取り扱う日本企業のマレーシア国内における製造施設建設や認証取得、日本国内での教育サービスを提供。日本企業のハラル対応を支援する。

具体的には▽ハラル認証の取得支援▽ハラル認証に準拠した製造承認の取得支援▽ハラル教育研修コンテンツの提供▽ その他、ハラルに関連したサービスの提供――を行う。

 

離任の髙橋大使、日本への投資拡大に期待

【クアランプール】 今月末で離任する髙橋克彦・駐マレーシア日本大使は、「フリー・マレーシア・トゥデー」との単独会見に応じ、マレーシア企業による日本への投資拡大への期待を示した。

髙橋大使は、日本が世界3位の経済大国であることに加え、人材の質の高さや、高度な研究開発環境をアピール。「海外での事業拡大を目指すマレーシアの製造業およびテクノロジー企業にとって魅力的な投資先である」と語った。

また、観光分野でも、マレーシア企業が北海道や京都、沖縄などですでに投資に成功していることを指摘。「日本では質の高い宿泊施設が不足しており、今後もマレーシア企業にとって有利な分野だ」とした。

さらに、過去5年間でマレーシアへの日本食品輸出が倍増したことを挙げ、「ハラル産業で、マレーシアはイスラム諸国とのビジネスの入り口として、日本企業から大きな注目を集めている」と述べた。

そのほか、グリーン経済やデジタル経済分野、物流の分野などでの2国間の可能性も大きいとし、「今後、日本の首相がだれになろうとも、マレーシアとの(良好な)関係は変わらない」と強調した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、10月26日)