極貧の定義、今後は世帯収入ではなく個人収入で=首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は、現在、世帯当たりの収入を基準としている極貧の定義について、今後は1人当たりの収入に切り替えると述べた。以前の方法よりもより正確な状況を把握できるという。

22日の下院議会の質疑の中でアンワル首相は、世帯所得の調査でいくつかの問題に気付いたと表明。「世帯当たりの月収が2,000リンギであれば、4人家族の場合は1人当たりの平均所得がわずか500リンギとなる」とし、より正確で子供や扶養家族の数も考慮にいれた1人当たりの収入に移行すると述べた。

昨年1月31日時点で世帯主12万6,372人が極貧カテゴリーに入れられた。今年7月29日までに解決されたが、8月1日から新たな登録申請受付を開始したことから、再申請も含めて2万2,893人が登録されたという。

アンワル首相はまた、極貧をなくすための補助金などの諸政策において民族差別はないと強調。極貧者に対する支援がマレー系だけを対象にしているというのは真実ではないと述べ、「極貧者の大多数は確かにマレー系だが、かなりの数のインド系の極貧者もおり、人口比でみると高い」と述べた。
(ザ・スター電子版、マレー・メイル、10月22日)

JBICの前田会長ら、アンワル首相を表敬訪問

【クアラルンプール】 国際協力銀行(JBIC)の前田匡史会長率いる代表団が22日、アンワル・イブラヒム首相を表敬訪問した。

アンワル氏は自身のフェイスブックページへの投稿で、JBIC代表団はさらに多くの日本からの投資を推進すると表明した。JBICは現在、マレーシア企業と活発な協議を持っているという。

アンワル氏は「一層の、高品質の投資を実現するため、両国間の友好と協力を強化する重要性を強調した。エネルギー分野の投資を特に望む」とした。
双方はグリーンエネルギー開発、再生可能エネルギー、エネルギー市場についても意見を交換した。
(ベルナマ通信、10月22日)

日本・マレーシア次官級協議、9年ぶりにプトラジャヤで開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本の外務省は22日、第16回日本・マレーシア次官級協議がプトラジャヤで開催され、日本側から船越健裕外務審議官、マレーシア側からアムラン・モハメド・ジン外務次官が出席したと発表した。

今回の協議は、昨年12月に両国首脳が本協議を再活性化させることで一致したことを受け、9年ぶりに開催したもの。両国の「包括的・戦略的パートナーシップ」を強化するために、安全保障や経済、環境、人材育成の分野における幅広い協力の深化のあり方について具体的な議論を行った。

また東・南シナ海、ミャンマー、ウクライナ、中東情勢を含む地域・国際情勢についての幅広く意見を交換。来年、マレーシアが東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国を務めることも踏まえ、ASEAN主導の枠組における両国の連携を一層強化していくことを確認した。

船越外務審議官は、マレーシアのモハマド・ハサン外相とラジャ・ヌシルワン国家安全保障会議事務局長を表敬し、両国間の意思疎通をさらに重層的にすることで一致した。

中電工とサマイデンの合弁会社、太陽光発電設備に投資

【クアラルンプール】 再生可能エネルギー(RE)のサマイデン・グループと中電工(本店・広島市)は、22年に設けた合弁会社サマイデン・チュウデンコウ・リニューアブルズを通じ、太陽光発電施設・同関連サービスに共同で投資する合意書を交わした。

合意はREにおけるプロジェクト投資を実施する際の双方の権利・義務を規定したもの。合弁会社への出資比率は、サマイデン子会社のサマイデン・キャピタルが51%、中電工が49%。中電工は2022年にサマイデンの7.27%株を取得し大株主になった。その後買い増しし、現在の持ち株比率は15.15%。日本の顧客向け屋上ソーラーシステム設置、REプロジェクトの運用・保守技術の紹介など、共同での投資や合弁を推進することで合意している。

中電工は電気・空調・給排水・情報通信関連工事を手掛ける総合設備エンジニアリング企業。東岡孝和常務執行役員は、サマイデンとの提携はマレーシア業務の拡大につながり、RE採用が急拡大している東南アジアへの参入機会も生じるとしていた。
(ザ・スター、10月22日、報道資料、10月21日)

プロドゥア初のEV発売計画、投資貿易産業省が支援

【クアラルンプール】 テンク・ザフルル投資貿易産業相は、第2国民車メーカーのダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)が掲げる、2025年末までにマレーシア初の電気自動車(EV)を10万リンギ以下の廉価で発売する計画を支援すると述べた。

ザフルル氏は同省によるプロドゥア支援の理由について、同社の初EVを手頃な価格にしたいためだと説明。「プロドゥアと協議を続けており、2025年末までに目標を達成するという同社の計画を楽観視している」と述べた。

プロドゥアの同社初EV「EMO-1」は、今年5月に開催された「マレーシア・オート・ショー2024」で試作車が展示された。プロドゥアのBセグメント・ハッチバック「マイヴィ」をベースにしたもので、バッテリー容量は55.7キロワット時(kWh)。最高出力68PS(50kW)、最大トルク220ニュートンメートル(Nm)、航続距離350キロメートル(km)を発揮するとされる。ただその後の変更については明らかにされておらず、開発の進捗状況も不明だ。

ザフルル氏はまた、バッテリー式EV(BEV)の新車登録台数が9月時点で約1万6,000台に達し、2023年通年の約1万3,000台を上回ったと公表。「2030年までに新車販売全体の20%をEVにするという目標に近づいた」と述べた。

充電インフラについては、わずか3カ月間で565基の充電チャージャーが新たに設置され、9月末時点で公共充電ステーションの総数は約3,200カ所に達した。政府は2025年末までに公共チャージャーを1万基設置し、充電器とEVの比率を1対9にすることを目指しているという。
(ザ・スター電子版、ポールタン、マレー・メイル、エッジ、10月21日)

第13次マレーシア計画、来年第3四半期に発表予定

【クアラルンプール】 ラフィジ・ラムリ経済相は、同省がすでに次期5カ年計画「第13次マレーシア計画」(13MP、対象期間2026ー30年)の起草に着手しており、2025年第3四半期に議会に提出予定だと明らかにした。

ラフィジ氏は、アンワル・イブラヒム現政権が掲げる「マダニ経済」(持続可能性、繁栄、革新、尊敬、信頼、思いやりという6つのコアバリューに基づく枠組みに沿った経済政策)の目的である経済再構築によりマレーシアをアジアの経済リーダーにし、国民の生活の質を向上させるには、13MP をより総合的、戦略的、包括的に起草する必要があると強調。経済省が13MPの枠組みを策定するための意見や提案を募るために、積極的にディスカッション、対話、省庁間計画グループ会議を開催していると述べた。

9月5日と6日に開催された「13MPキックオフ会議」は、国連と世界銀行と共同開催し、国内外の専門家が社会経済のメガトレンド、問題、課題に関する情報や経験を共有した。12月までは一般国民が参加する「マダニ・メンデンガー(聴取)」聴聞会を開催し、13MPに求める希望について社会のあらゆる階層から意見や意見を収集する。
(エッジ、10月21日)

新たな投資優遇政策は来年初頭発表、租税免除以外の措置に

【クアラルンプール】 投資貿易産業省は、アンワル・イブラヒム首相が2025年度予算案で明らかにした新たな投資優遇措置の枠組みを、2025年第1四半期に発表する。2025年からグローバル・ミニマム課税を導入することに備えるもので、テンク・ザフルル投資貿易産業相は「租税免除のような税制面の優遇措置での投資誘致はもはやできない」と語った。

GMTは企業が最低限負担すべき法人税の割合を15%に定める仕組みで、多国籍企業の最低税率がマレーシアで満たされない場合、マレーシア当局はトップアップ税を課し不足分を補う。付加価値の高い投資に的を絞って優遇措置を提供する。二酸化炭素排出の少ない分野への投資のみ認める。

ザフルル氏は、外国からの投資は地元企業を潤し、高度な職の機会を提供するものでなければならないと強調。人材育成、環境配慮にかかわる投資を優遇すると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月22日、エッジ、ビジネス・トゥデー、10月21日)

経常黒字は今年と来年は増加、財務省経済見通し

【クアラルンプール】  財務省は18日に発表した「経済アウトルック2025」の中で、経常収支の黒字が2023年に282億リンギと26年ぶりの低水準に落ち込んだが、今年と来年は増加が見込めるとの予想を示した。

経常収支の今年の黒字は434億リンギ、来年は491億リンギが見込めるという。国民総所得(GNI1)比でそれぞれ、2.3%、2.4%になる。

サービス収支はインバウンド需要で赤字の縮小が見込める。所得収支は直接投資の増加で赤字継続が予想される。上半期の経常黒字は192億リンギで、下半期は242億リンギが見込めるという。

今年通年の貿易黒字は1,151億リンギの予想。工業品や農産物、天然ガスなど鉱業品の輸出増以上に、輸入が増加する見通しのためだ。来年は1,256億リンギが見込める。

旅客運賃の受け取り・支払い、外国人旅行者・海外旅行者の宿泊費の受け取り・支払いなどサービス収支の赤字は今年、204億リンギ、来年は168億リンギに改善するという。旅行収支が改善するためだ。

直接投資収益など対外金融債権・債務から生じる利子・配当金の収支を示す第一次所得収支の赤字は今年、488億リンギに改善し、2025年は565億リンギが予想されるという。
(エッジ、10月18日)

グローバルミニマム課税を25年1月から施行、財務省方針

【クアラルンプール】 財務省は18日に公表した財政見通し・連邦政府歳入見込み報告で、グローバル・ミニマム課税(GMT)を2025年1月から施行すると明らかにした。東南アジアではベトナムも施行する。

GMTとは企業が最低限負担すべき法人税の割合を15%に定める仕組みで、経済協力開発機構(OECD)加盟国を中心に約140カ国・地域が合意した。国家間の税率引き下げ競争に歯止めをかけ、多国籍企業による課税逃れを防ぐ狙いがある。

売上高が年7億5,000万ユーロ以上の企業が、拠点を世界のどこに置いても法人税率が15%以上になるよう調整する仕組みで、▽所得合算ルール▽軽課税所得ルール▽国内ミニマム課税の3ルールがある。

最低法人税率がマレーシアで満たされていない場合、企業はミニマム(トップアップ税)を納入することで不足分を補わなければならない。

課税対象は、2025年1月1日かそれ以降に会計年度が開始される多国籍企業で、企業は27年6月までにミニマム課税納税申告書を当局に提出しなければならない。
(ザ・スター、10月19日、エッジ、ベルナマ通信、10月18日)

長谷川香料、子会社増資と新工場建設を発表

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 長谷川香料(本社・東京都中央区)は18日、マレーシアの連結子会社、T.ハセガワ・フレーバーズ(クアラルンプール)への増資、及び新工場建設計画を明らかにした。

同日の取締役会で決定した。中長期的に安定した市場拡大が期待できるアジア市場・ハラル市場において、現地需要拡大に対応した生産能力の拡大に対応するのが狙い。

T.ハセガワ・フレーバーズは2014年10月に買収した各種食品香料の製造販売を手掛ける全額出資子会社で、増資額は1億7,100万リンギ。これにより同社の資本金は1億9,600万リンギとなる。長谷川香料から社員が出向しているほか、香料などの原材料を購入している。

新工場の所在地はネグリ・センビラン州エンステック工業団地。敷地面積は4万8,300平方メートルで、用地は2017年に取得済み。投資予定額は1億8,500万リンギで、自己資金及び今回の増資で充てる。稼働開始は2026年12月を予定している。