イオンマレーシア、イスラム債発行枠を設定

【クアラルンプール】 小売り大手の日系イオン・カンパニー(M)は、スクーク(イスラム債)発行枠を設定したと証券委員会に届け出た。コマーシャルペーパー(短期の約束手形)と中期債の2種で、発行枠は計20億リンギ。資金は、設備投資、運転資本、借り換えに利用する。

コマーシャルペーパーの償還期限は7年で、中期債は無期限。イオンは必要に応じ起債し、資金を調達することができる。1回目の起債は届け出から90営業日以内。
格付け会社のRAMレーティング・サービシズは、短期手形には最高のP1の格付けを、中期債にはダブルA2の格付けを付与した。幹事行はメイバンク・インベストメント・バンク。

イオングループでは、金融のイオンクレジットサービス(マレーシア)が最近、3億リンギ相当のスクークを発行している。
(エッジ、ベルナマ通信、マレーシアン・リザーブ、7月2日)

レギュラーガソリン補助金合理化は未定=首相

【クアラルンプール】 ディーゼル油(軽油)に続いて年内にも実施されるとみられているレギュラー・ガソリン「RON95」の合理化について、アンワル・イブラヒム首相は、実施した際のさまざまな影響を依然検討中だと述べ、いかなる決定にも至っていないと強調した。

アンワル首相は2日の下院議会質疑の中で、「私はいかなる可能性も排除しない」と述べた上で、「現在、我々の焦点はディーゼル補助金合理化だ」と強調。これまでに実施した電力料金、鶏肉、ディーゼルの補助金合理化の影響評価に注力していると述べた。

その上でアンワル首相は、「これまでの補助金合理化の影響と国民の反応を見極めた上で、初めてRON95の合理化の必要性について議論することになる」と強調。「重要なのは富裕層や外国人への補助金をやめなければならないということだ。国民に負担がかからないような仕組みを考えなければならない」と述べた。

「RON95」の補助金合理化の実施時期については、金融大手CIMBの調査部門は、10月11日の来年度予算案の上程に合わせ行うとの見通しを表明。独立系シンクタンク、マレーシア経済研究所(MIER)は、「緩やかな調整」が今年7月か10月に行われると予想している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、7月3日)

配車サービスのインドライブ、登録ドライバー数の倍増を予想

【クアラルンプール】 ロシア発祥で米カリフォルニアに本社を構える配車サービスのインドライブは、マレーシア市場で大幅な成長を見込んでおり、現在の1万人の登録ドライバー数も、年内に2倍の2万人に増加すると予想している。

インドライブは、クアラルンプール、ペナン、ジョホールバル、クチン、ミリ、シブ、ビントゥル、コタキナバルなどの国内主要都市でサービスを提供している。
マーク・ローラン社長兼副最高経営責任者(CEO)は国営「ベルナマ通信」の取材に対し、インドライブの配車アプリは昨年マレーシアで4番目に多くダウンロードされた配車アプリだとし、世界では2番目に多くダウンロードされた配車アプリとなったと述べた。独自の料金入札システムに対する関心が高まっているため、今後の成長も期待できるとしている。

配車サービスに加え、宅配や都市間輸送サービスも収益の柱となることも見込んでおり、インドライブアプリ内で修理や家電製品の設置、清掃、ペット関連サービス、トレーニング、情報技術(IT)サービスなどについても依頼できるという。

ローラン社長はまた、市場動向や顧客からの反応を分析した上でサービス内容を拡大していくとし、関係者全員にとって公平な価格を提供できる入札モデルを他サービスにも展開すると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、7月1日)

マレーシア、世界の人気観光地ランキングで14位に

【クアラルンプール】 マレーシアは、2024年版「世界の人気観光地ランキング」で14位にランクアップした。前年は15位だった。

世界観光機関(WTO)が収集した国際線到着者数データをもとに米データパンダスが公開したランキングによると、マレーシアを訪れた観光客数は2,610万人で、前年の2,014万人から大幅に増加した。

東南アジアでは、タイが3,980万人で8位となった。ベトナムは21位(1,800万人)、インドネシアは27位(1,550万人)、シンガポールは28位(1,510万人)だった。

1位はフランスで、観光客数は8,940万人。次いで、スペイン(8,370万人)、米国(7,930万人)が続いた。日本は3,230万人で11位だった。
(ザ・スター電子版、ワールドオブバズ、7月2日、データパンダス発表資料)

東南アジアの中央銀行、決済システム連結の第4フェーズに着手へ

【クアラルンプール】 マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの中央銀行4行は、各国の即時決済システムを連携させ、国境を越えた即時決済を可能にする「プロジェクト・ネクサス」の第3フェーズを完了した。マレーシア中央銀行(BNM)が1日、発表した。

プロジェクト・ネクサスは国際決済銀行(BIS)が推進するプロジェクトで、G20が進める国境を越えた決済計画を補完するもの。続く第4フェーズでは各国の即時決済システムを実際に連結する作業に入る。またインド中央銀行がプロジェクトに加わる。インドネシア中央銀行は特別オブザーバーとして引き続き関与する。

BNMのアブドル・ラシード総裁は「世界でも屈指のクロスボーダー決済インフラを提供するもので、連携が参加国だけでなく、世界的な広がりを持つようになる」とした。

BISゼネラルマネジャーのアグスティン・カルステンス氏は「最初に連携する国だけで、ネクサスは17億人の市場をつなぐ潜在性がある。即時決済が低料金で容易にできるようになる」と述べた。

参加国の中銀や即時決済システムが出資して設立する予定のネクサス・スキーム機構が、決済システムの運用に当たる。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月2日、ベルナマ通信、7月1日)

DJI・ハッセルブラッドの1号店、スリアKLCCに開設

【クアラルンプール】 ドローンメーカー大手の中国DJIとその傘下のスウェーデン高級カメラブランド「ハッセルブラッド」は6月29日、マレーシア初となるDJI ・ハッセルブラッド店舗をクアラルンプール(KL)のショッピングモール「スリアKLCC」に正式オープンした。
新店舗では、カメラ、ジンバル(電動式スタビライザー)、ドローン、ワイヤレスマイク、ポータブル電源など、両ブランドの最新製品を体験できる。ハッセルブラッドコーナーでは、ビンテージデザインと現代的な性能を兼ね備えたミラーレスデジタルカメラ「907X 100C」、卓越した画質とダイナミックレンジを誇る「X2D 100C」、数量限定の「907X 50C 80周年記念エディション」などを取り揃える。
DJコーナーでは、高出力の小型手持ちジンバルカメラ「DJIオスモポケット3」や、先進ドローン「DJIアバター2」などを展示している。営業時間は午前10時―午後10時。
(ハリアン・メトロ、7月1日、ソヤチンチャウ、6月29日)

ホンダマレーシア、自動車保険の特典を拡充

【ペタリンジャヤ=アジアインフォネット】 ホンダ・マレーシアは1日、ホンダ車向けの自動車保険プラン「ホンダ・インシュランス・プラス(HiP)」の改良版を発表した。同日より提供を開始している。
新HiPは、走行距離無制限のレッカー移動サービス、最長15年間の100%保険金支払い、最長13年間の事故修理100%補償という3点が特長となっている。ホンダの正規ディーラーで新規申し込みや更新が可能。
吉村宏信 社長兼最高経営責任者(CEO)は、2002年の導入以来、HiPはホンダ車のオーナーに包括的な保険サービスを提供してきたとし、今回改良されたHiPは、修理のみではなく、レッカー移動サービスや割引特典なども提供するもので、市場ニーズに応えるとともに、ホンダ車購入時に最大限の利益や安心が得られると述べた。保険金請求についても、効率的で手間がかからないような手続きにするとしている。

豊トラスティ証券、マレーシア子会社を解散・清算へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 豊トラスティ証券(本社・東京都中央区)は1日、マレーシアの連結子会社、ユタカ・ショウジ・マレーシアを解散し、清算すると発表した。同日の取締役会で決議した。
中期的な経営計画に基づいて、国内外を通じた経営資源の選択と集中を進めるためで、ユタカ・ショウジ・マレーシアを解散・清算し、商品先物その他金融商品取引事業基盤を整備し、経営効率を高め持続的成長を図っていくとしている。
ユタカ・ショウジ・マレーシアは2017年9月設立で、資本金は2,060万リンギ。商品デリバティブ取引業などを行っていた。2022年3月期からの3年間の経常収支はそれぞれ196万リンギ、90万リンギ、66万リンギの赤字を計上していた。

車載電子部品製造のベータメック、三信の買収を完了

【クアラルンプール】 自動車向け電子部品製造サービス(EMS)のベータメックは6月28日、三信電気(本社・東京都港区)の現地法人で、チューナーやカーステレオの製造に携わる三信エレクトロニクス(マレーシア)の買収を完了したと発表した。買収額は1,340万リンギ。

ベータメックは、三信エレクトロニクス(マレーシア)の完全子会社化によりベータメックの顧客基盤が大幅に拡大し、市場での存在感がさらに強固なものとなるとしている。

ベータメックのムハンマド・ファウジ専務取締役は、三信の専門知識や市場での存在感を統合することで、顧客基盤の多様化と製品ラインナップ拡大が可能になるとし、今回の買収は「自動車エレクトロニクス業界をリードし、革新する」というベータメックの戦略的ビジョンに沿ったもので、業界の進化を推進するものだと述べた。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、6月28日)

サバ州独自のMM2Hがスタート、1日に申請受付開始

【コタキナバル=アジアインフォネット】 サバ州独自の外国人の長期滞在を奨励するサバ-マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムが正式にスタートし、申請受付が7月1日に開始された。

サバ州独自の「サバMM2H」の参加条件は、マレーシアと外交関係のある国・地域に籍をもつ30歳以上で、60万リンギ相当の高層住宅を購入し、定期預金15万リンギ以上と月収1万リンギ以上の所得条件を満たす必要がある。購入物件は購入後5年間転売できない。また物件の又貸しは認められない。「サバMM2H」参加者の購入条件を満たす高層住宅は約3,000戸に上るが、サバ州政府は18カ月程度で売り切れると見込んでいる。

また家族連れの場合の所得条件は、定期預金は30万リンギ以上で月収は1万5,000リンギ以上。参加者はマレーシアでの労働は禁じられている。申請処理と承認には約8―10週間かかる見通し。有効期間は10年だが、5年後に規定を満たしているかをチェックした上で残りの5年分を発給する。最低でも年間30日はサバ州に滞在する必要がある。

問題となっている認可権限については、連邦政府・観光芸術文化省(MOTAC)が先ごろMM2H申請代行業者のライセンスを全国的に取り消す通達を出したことから、サバMM2Hでは州政府の指名者に移行する。

MOTACが突然、申請代行業者のライセンスを全国的に取り消す通達を出したため、すでに連邦政府から「サバMM2H」の承認を受けていたサバ州は困惑。当初6月1日に予定していた申請受付開始を延期していた。