楽天トレード、積み立て型米国株投資商品を売り出し

【クアラルンプール】 オンライン証券の楽天トレードは、米国株に100リンギから投資できる積み立て型商品「ラク・インベスト」を売り出した。証券のほか、米預託証券(ADR)、上場投資信託(ETF)を取引できる。

毎月、決まった日に決まった金額を自動的に引き落とし、証券を購入するサービスで、日本の楽天証券が扱っている商品のマレーシア版。1,200余りの銘柄を購入できる。

楽天トレードの三瀬和正最高経営責任者(CEO)は声明で、「日本の若者、投資の初心者に人気を博した商品で、マレーシアでも同様の成果を期待している」と述べた。現在の口座開設者は28万人で、今回の商品投入で年末までに30万人への増加を目指す。

資金を分割して均等額ずつ定期的に継続して積み立て投資する定額購入法の戦略であり、市場変動に左右されない、長期投資の手法だという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月20日、エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、6月19日)

住友商事、マレーシアのマネージドケア事業者を完全子会社化

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 住友商事(本社・東京都千代田区)は19日、グループ子会社のSCヘルスケア・ホールディングスを通じて、マレーシアでマネージドケア事業を展開する、コンピュメッド・サービシズを完全子会社化したと発表した。

マネージドケアは、企業や保険会社向けに従業員や被保険者が医療機関で受診した際の医療費の支払い・請求代行を行い、医療費請求内容の審査や、投薬量や入院回数の適正化、また服薬・診療継続支援や適切な医療機関の紹介等を通じて、医療サービスの高度化・医療費抑制を図るサービス。

マレーシアには日本のような公的医療保険制度がなく、患者や民間医療保険会社、企業が医療費を負担するため、医療費増を背景に医療費抑制ニーズは年々高まっているという。

住友商事はヘルスケア関連事業において、2019年にマレーシアでマネージドケア事業、2020年にクリニック事業にそれぞれ参入している。今年5月には民間医療クリニックを経営するケアクリニックス・ヘルスケア・サービシズ(CCHS)への出資を拡大し、筆頭株主となったと発表していた。

ベルジャヤフード、韓国「パリバゲット」をブルネイで展開へ

【クアラルンプール】 韓国のベーカリーチェーン「パリバゲット」をマレーシアで展開するベルジャヤ・フードは、「パリバゲット」のブルネイ1号店を今年第4四半期までに出店する計画だ。ベルジャヤ・フード傘下のベルジャヤ・フード・インターナショナル(BFI)が、パリバゲット・シンガポールとの間で、意向表明書(LoI)を締結した。

LoIに基づき、BFIはブルネイの地元企業と協力の上、今後10年以内に5店舗のオープンを目指す。高級ベーカリー製品への需要が高まるブルネイ市場に可能性を見出しているという。現地パートナー名の発表は追って行われる予定。ベルジャヤは「パリバゲット」をマレーシア国内で5店舗、フィリピンで1店舗運営している。

ベルジャヤ・フードのシドニー・キーズ最高経営責任者(CEO)は、ブルネイでの運営権を得られたことは同社にとり画期的なことであり、ブルネイでもマレーシアとフィリピンでの成功を再現できると確信していると述べた。

「パリバゲット」は1988年にソウルで創業。ペストリー、パン、ケーキなどを幅広く提供している。韓国国内で3,750店舗、海外11カ国で500店舗以上を展開している。
(ザ・サン電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ワールド・コーヒー・ポータル、6月18日)

世界競争力ランキング、マレーシアは7ランク下落の34位

【クアラルンプール】 スイスのビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)が発表した最新版・世界競争力ランキング(WCR)で、マレーシアは67カ国・地域中で34位となり、前回の27位から7ランク下落した。

同ランキングは、各国政府や地域組織、民間機関などから得た統計と、2024年2月から5月にかけて行われたオンライン調査に基づく経営幹部へのアンケートに基づき、▽経済パフォーマンス▽政府の効率性▽ビジネスの効率性▽インフラ――の4つの主要素の下で全20のサブ項目に分けてランク付けした。

マレーシアは、アジア太平洋地域(14カ国)では4ランク下落して10位にとどまった。タイ(25位)やインドネシア(27位)よりマレーシアが下位にランクされたのは今回が初めて。

マレーシアはインフラのみが順位を維持したものの、経済パフォーマンス、政府の効率性、ビジネスの効率性でランクを下げ、国内経済のサブ項目で19ランク下がって35位、生産性&効率性で17ランク下がって53位となった。

リポートでは、マレーシアについて、▽研究開発への投資を増やして企業の回復力を高めること▽労働市場の最適化によって労働力の生産性を最大化すること▽政策や規制を更新して国際競争力を高めること▽先進技術を活用して生産性の向上を加速すること▽戦略的な生産性向上によって増加するコストを軽減すること――の5つの課題を指摘している。

世界全体ではシンガポールが前回から4ランク上がってトップに立ち、2位以下はスイス、デンマーク、アイルランドが続いた。日本は3ランク下がって38位にとどまった。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、6月18日、IMD発表資料)

プロトンの生産台数が通算500万台に到達、創業41年目で

【スバンジャヤ】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは18日、創業41年目にして生産台数が通算500万台に到達したと発表。セランゴール州スバンジャヤの本社で式典を開催した。

記念となる500万台目は資本提携先である中国・吉利汽車「豪越」のリバッジ・モデルである「X90」だった。テンク・ザフルル投資貿易産業相と、マレーシア・中国国交樹立50周年を記念して訪馬中の中国・金壮龍・工業情報化相が500万台目の出荷に立ち会った。

プロトンは1983年創業で、1985年に三菱自動車のセダン「ランサー」のリバッジ・モデルである「サガ」を発売。モデルチェンジを重ねながら「サガ」だけで累計販売台数は200万台を突破している。

吉利汽車との提携は2017年からで、以来、吉利汽車のリバッジ・モデル4車種(X50、X70、X90、S70)を発売し、5年連続の販売台数増・生産台数増を達成した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ポールタン、ベルナマ通信、6月18日)

奇瑞汽車がシャアラム自社工場を開設、「JAECOO」を製造

【シャアラム】 中国の自動車メーカー、奇瑞汽車(チェリー自動車)のマレーシア法人、チェリー・オート・マレーシアは、セランゴール州シャアラムに東南アジア諸国連合(ASEAN)初の自社工場を開設。18日にテンク・ザフルル投資貿易産業相や訪馬中の中国の金壮龍・工業情報化相、奇瑞汽車の尹同躍会長が臨席して開所式が行われた。

同工場は傘下の「JAECOO」ブランドのプレミアム・スポーツ車(SUV)、「J7」の現地生産を担当する。工場開設を記念して同日、「J7」の全輪駆動(AWD)バージョンの初出荷を行った。工場開設により500人の雇用創出に繋がったとしている。

同工場では今後、「J7」のほか大型の「J8」や電気自動車(EV)である「J6」も生産する見込み。敷地内には右ハンドル化を目的とした研究開発センターとテストコースも建設される予定だ。投資額や年産能力などは明らかにされていない。なお「チェリー」ブランドについては、引き続きケダ州クリムのイノコム工場で製造される予定。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月19日、ポールタン、ビジネス・トゥデー、6月18日)

BRICS加盟手続きを近く開始へ=アンワル首相

【ドーハ/ペタリンジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は中国の李強首相によるマレーシア訪問を前に、中国メディア「大報版」との会見に応じ、BRICS(ブリックス)加盟を希望していることを明らかにした。加盟の意向を議長国ブラジルに伝えており、ブラジルの対応をまって加盟手続きを開始するという。

ブリックスはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国の英語の頭文字を並べたもので、著しい経済成長が見込まれる新興国の代表。2024年にサウジアラビア、アラブ首長国連邦、イラン、エジプト、エチオピアの5カ国が加盟し、10カ国体制になった。

アンワル氏は中国の台頭を「世界に抑制と均衡が存在するとの、かすかな希望の光をもたらした」と称賛。習近平国家主席はアジアの価値復活の重要性を認識していると指摘した。さらに「初めて習主席と会った際、引き付けられた。文明を語ることができる、傑出した指導者のひとりだ」と語った。

アンワル氏はまた国際貿易における米ドル支配を批判したルーラ・ブラジル大統領の発言に賛意を表明。「マレーシア、中国間貿易に無関係の通貨が支配的地位にいる。国際通貨として利用されている、というだけの理由で」と語った。
(アルジャジーラ、フリー・マレーシア・トゥデー、6月18日)

ブルームズベール・ショッピングギャラリーが正式オープン

【クアラルンプール】 ケルジャヤ・プロスペック・プロパティは15日、クアラルンプール(KL)のジャラン・プチョンに新たなショッピングモール「ブルームズベール・ショッピング・ギャラリー」を正式オープンし、同日開業式を開催した。

完全子会社のケルジャヤ・プロパティを通じて開発したもので、4階建てで総床面積は32万平方フィート。賃貸店舗数は100店舗で、賃貸可能面積は23万平方フィートに上る。入居率はすでに85%を達成している。新興スーパーマーケットの「ミミズーズー(Memi ZoooZooo)」、ホームセンター「ミスターDIY」、スポーツ量販店「スポーツ・プラネット」などが入居する。

同ショッピングモールは、総開発価値(GDV)12億リンギの面積5.2エーカーの「ブルームズベール@OKR」複合開発の一部となっている。同複合開発では高層マンション2棟、オフィスタワー、「コートヤード・バイ・マリオット・ホテル」も開発される。
(エッジ、6月15日)

テスラがクアンタンに急速充電施設を開設、東海岸では初

【クアラルンプール】 電気自動車(EV)メーカーの米テスラは、マレーシア半島部東海岸初となる有料の急速充電器「スーパーチャージャー」をパハン州クアンタンに設置した模様だ。

目撃者のフェイスブック投稿によると、設置されたのは最新型の「V4スーパーチャージャー」ではなく、一世代前の「V3スーパーチャージャー」4基で、一般利用が可能だという。利用料金は他拠点と同様、1キロワット時(kWh)あたり1.25リンギ。満席時に充電完了後5分以上エリアを占有した場合、1分あたり4リンギがアイドル料金として請求される。

テスラは今年3月、4-6月にかけ全国5カ所に充電施設を設置すると発表しており、4月にはペナン州のセベラン・ジャヤにあるショッピングモール「サンウェイ・カーニバル」に設置を行った。「V4スーパーチャージャー」についても、プトラジャヤの「IOIシティモール」、セランゴール州プチョンの「IOIモール・プチョン」に設置されている。今後は、クアラルンプールのミッドバレー・シティにある「ザ・ガーデンズ・モール」にも充電施設を設置する予定だという。
(モタオート、6月15日、ソヤチンチャウ、6月13日)

最新版MM2Hを発表、永住権申請資格は廃止=観光芸術文化相

【クアラルンプール】 ティオン・キンシン観光芸術文化相は14日、外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムの最新版を正式に発表した。

2023年12月に導入された、プラチナ、ゴールド、シルバーの3カテゴリー制度は維持されたが、プラチナで得られていた永住権(PR)の申請資格が今回廃止された。申請できる年齢は25歳以上となり、年間で90日以上の現地滞在が必要となっている。マレーシア国内銀行に必要な定期預金額はプラチナが100万米ドル、ゴールドが50万米ドル、シルバーが15万米ドルと、従来のリンギ建てから米ドル建てに変更された。

MM2Hの申請代行業者については、その信頼性を強化するため、ライセンス要件を厳格化し、▽払込資本金の5万リンギから20万リンギへの引き上げ▽年間ライセンス料を2,500リンギに設定▽事業所が有効な住所を持つこと――を必須とした。新要件に基づきライセンスを取得した業者は、プトラジャヤの観光芸術文化省(MOTAC)内ワンストップセンターで申請を開始できるとしている。

MOTACは要件厳格化に先立ち、申請代行ライセンスの全国的な取り消しを実施。サバ・サラワクの両州は、州独自で設定しているMM2Hプログラムが取り消しの影響を受け機能不全に陥ったとし、強く反発していた。

(ザ・スター電子版、6月17日、15日、14日、マレーシアン・リザーブ、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、6月14日)