日新商事、サラワク州でバイオマス燃料ペレット製造設備建設へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日新商事(本社・東京都港区)は10日、15億円を投じ、サラワク州でバイオマス燃料ペレット製造設備「EFB・OPTペレット製造プラント(仮称)」を建設すると発表した。

延床面積は約7,500平方メートルで製造能力は年間2万トン。10月の稼働開始を目指す。

日新商事は、科学技術振興機構が進めるSATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)の研究チームにおいて、パームヤシ残渣である空果房(EFB)およびパーム古木(OPT)を原料とするバイオマス燃料ペレット製造設備の研究を進めており、研究後、社会実装可能と判断したものの、それに伴う各所調整などに時間を要していた。今回、関係者間の合意形成がなされたことや天然資源・環境持続可能性省との調整が完了し、完成の見通しが立ったことから、本格的な建設に着手することを決定した。

KL市内でまた街路樹が倒木、死傷者はなし

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 クアラルンプール(KL)市内で13日午後3時半ごろ、暴風雨によって「メナラ・プレステージ」前のジャラン・ピナン沿いの街路樹が倒れる事故があり、自動車3台とバイク5台が下敷きとなった。

これによりジャラン・ピナンが一時閉鎖されたが、ケガ人などは報告されていない。

現場は7日に街路樹が倒れる事故が起きたジャラン・スルタン・イスマイルや「ペトロナス・ツインタワー」から数百メートルしか離れていない場所で、ジャラン・ピナンを横切るように倒れて「ワンKLコンドミニアム」の駐車場に駐車中の車両が被害を受けたという。マラッカ州首相の警護の警察車両も被害を受けた模様だ。

7日に起きた倒木事故では17台の自動車が巻き込まれ、1人が死亡、2人が負傷した。

3月時点で全国に2288基のEV充電器を設置=投資貿易産業相

【クアラルンプール】 テンク・ザフルル投資貿易産業相は11日、2024年3月時点での全国の電気自動車(EV)充電施設数は268カ所で、設置した充電器数は2,288基に達したと明らかにした。

投資貿易産業省では「新規充電施設1万カ所設置」という目標を以前から掲げているが、その目標は変更しないものの、直流(DC)急速充電器の設置数目標を1,000基から1,500基に引き上げたとしている。

ザフルル大臣は今年第1四半期に国内のEV市場は急速に発展し、2024年3月までにバッテリー電気自動車(BEV)とハイブリッド車が1万1,000台近く販売されたとした。また、国家EV運営委員会(NEVSC)では、EVバッテリーについて、使用後の追跡やリサイクルを容易にするため、識別番号を付与する必要があるという結論に達したとしている。
(ザ・スター、5月13日、ザ・サン電子版、ベルナマ通信、5月11日)

廃業ショッピングモール「eカーブ」を取り壊し、高層住宅開発で

【クアラルンプール】 営業停止となっているセランゴール州ペタリンジャヤのムティアラ・ダマンサラのショッピングモール「eカーブ」が今年第2四半期に取り壊される。「eカーブ」は2006年にオープンしたが、再開発に向け2021年3月に営業を停止していた。

「eカーブ」跡地には、不動産開発のブーステッド・プロパティーズが、サービスアパート「ラインズ」を建設する。全4棟のうち、3棟・749戸は一般向け、1棟・250戸は低所得層向けの手頃な価格の住宅となる。最も高い棟は67階建てで、幅広のドア、バリアフリーのバスルーム、緩やかなスロープなど、高齢者のニーズに応えた設計を採用する。

ウェルネスセンターや小売店が入居する、約10万平方フィート・50区画の小売スペースも備え、電気自動車用充電器、雨水利用システム、廃棄物管理システムなど、環境に配慮した設備も設置する。販売ギャラリーが6月中に一般公開され、第3四半期に発売を開始する。
(マレーシアン・リザーブ、ワールドオブバズ、5月10日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、5月9日)

配車サービスの入札システムは無認可、調査を実施=運輸相

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は11日、一部の配車アプリが導入している入札システムについて、運輸省は認可しておらず、公共陸運局(APAD)に調査を開始するよう指示したと述べた。

ローク運輸相は、当該入札システムでは、運転手が事前に運賃を設定できるため、「乗客に相場よりも高い料金を支払わせる可能性がある」という懸念の声が上がっていると指摘。運輸省は入札システムの導入について事前に知らされておらず、認可も与えていないため、詳細について調査すると述べた。

■サバ州とサラワク州にJPJアカデミーを設置へ■
ローク運輸相はまた、長期的な戦略として、サバ州とサラワク州に道路交通局(JPJ)職員の訓練施設である「JPJアカデミー」を設立し、両州の職員が半島まで出向くことなく現地で十分な訓練を受けられるようにすることを検討していると述べた。現在は計画段階で予算も下りていないが、第12次マレーシア計画(12MP)の枠組みの中で申請中だとしている。現在、サバ州には786人、サラワク州には739人のJPJ職員がいるという。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、5月10日)

KLセントラル再開発プロジェクトが年内に開始=運輸相

【クアラルンプール】 クアラルンプール(KL)最大の交通ハブであるKLセントラル駅の再開発プロジェクトが年内にも始まる見通しだ。アンソニー・ローク運輸相が明らかにした。同プロジェクトはすでに昨年8月の閣議で承認を得ているという。

首都圏の交通インフラ開発を手掛ける、政府系マレーシアン・リソーシズ・コーポレーション(MRCB)が、10億リンギ超の予算で政府の負担なしに再開発を行う。首相府傘下の官民連携部門(UKAS)との協議が進行中で、より近代的かつ効率的なターミナルを目指し、周辺地域とシームレスに接続できるように改良を加える。

ローク運輸相は、KLセントラル周辺が過去20年間の成長により混雑が激しくなっているため、再開発が必要だと指摘。「KLセントラルの価値を高めるだけでなく、この地域の混雑を緩和する方法を検討することが急務であると考えている。再開発が完了した後は、このエリアの交通の流れが良くなることを願っている」と述べた。

KLセントラルには、マレーシア国鉄(KTM)コミューター線および高速電車(ETS)、軽便鉄道(LRT)ケラナジャヤ線、KLモノレール、エクスプレス・レール・リンク(ERL)が乗り入れている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月11日、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、5月10日)

ジョホール経済特区、イスカンダルプテリやペンゲランが対象地域に

【ジョホールバル】 計画中のジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)開発プロジェクトについて、ジョホール州のオン・ハフィズ・ガジ首相はイスカンダル・プテリや石油コンビナートのあるペンゲランが対象地域に含まれると明らかにした。

オン・ハフィズ首相は12日に行われた州議会の質疑の中で、JS-SEZ対象地域はジョホールバル、イスカンダル・プテリ、パシル・グダン、クライ、コタ・ティンギの州内5つの自治体にまたがると言明。州と国家に社会経済的な利益をもたらすと期待される16の経済セクターへの注力を提案しており、州内の世帯収入月額1万3,000リンギを目標としていると述べた。

注力セクターとして提案されているものには、電気・電子、医療、製薬、航空、特殊化学品、物流、保健・教育、金融・ビジネスサービス、エネルギー、デジタルエコノミー、観光、食品、農業技術、クリエイティブ、ハラル(イスラムの戒律に則った)産業などが含まれている。

JS-SEZについては、2024年1月11日にマレーシア・シンガポール間で推進覚書(MoU)が締結されており、シンガポールとの正式な交渉セッションは6月に始まる見通し。年内に両国の間で正式な合意が結ばれる予定だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月13日、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、5月12日)

セランゴール州が都市計画案発表、パブリックコメントを募集

【シャアラム】 セランゴール州のアミルディン・シャリ首相は9日、2035年までの都市開発計画である「セランゴール州構造計画2035年」の修正案を発表した。第1次セランゴール計画(対象期間2021-25年)の後継計画で、州の立案、政策、戦略を連邦政府および国際水準に沿ったものにする。

第1次計画は一切変更を加えられておらず、今回が初の見直しだ。州の発展、繁栄を図るための計画で、17の戦略、73の政策、522のイニシアチブで構成する。6月9日まで掲示し、パブリックコメントを募る。

ペタリンジャヤ、シャアラム、ゴンバック、セパンのほか、北部、南部地域の開発案も計画文書に盛り込んだ。
(ザ・サン、エッジ、5月10日、フリー・マレーシア・トゥデー、5月9日)

独VWがマレーシアの域内拠点化を計画=投資貿易産業相

【クアラルンプール】 独フォルクスワーゲン(VW)がマレーシアを域内輸出拠点にすることを目指しており、マレーシア国内で電気自動車(EV)組立を行う計画だ。テンク・ザフルル投資貿易産業相がX(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。

マレーシア法人、VWグループ・マレーシア(VGM)幹部と協議を行った際、VGM側がマレーシア国内でエンジン車およびEVを製造する意向を表明したという。ザフルル氏は「これまでVWのモデルはもっぱらマレーシアに輸入されていたが、現在は一部のモデルがマレーシアで組み立てられている。 注目すべきは、『トゥアレグ』が欧州以外で初めて国内で組み立てられていることだ」と述べた。なおどのEVモデルが組み立てられるか、いつ開始されるのかについては言及はなかった。

現在、「アルテオンRライン」、「ゴルフGTI」、「ティグアン・オールスペース・バリアント」、「トゥアレグRライン」がパハン州ペカンのハイコム工場で組み立てられている。
(ポールタン、ビジネス・トゥデー、5月9日)

「対米ドルでのリンギ相場は実体を反映せず」中銀副総裁

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)のアドナン・ザイラニ副総裁は9日、「国家経済フォーラム(NEF)2024」のパネルディスカッションで、「対米ドルでのリンギ相場について多くが取りざたされ、多数がこの相場をマレーシア経済運営の指標とみなしているが、リンギの全体における位置、国内経済の強さ・先行き見通しを無視した不当な評価だ」との見解を示した。

実際、2022年初頭以降、リンギは円、台湾ドル、韓国ウォンに対し値上がりしている。しかし中国人民元、インドネシアルピア、インドルピーに対してはわずかながら値下がりした。

アドナン・ザイラニ氏は「現在は強い米ドルという循環にあり、リンギの価値が低いという話ではない」と指摘。中国経済の先行き不透明感と地政学上の危機が安全資産としての米ドルに対する需要増を招いており、米国の高金利も当分続くとした。

輸出業者も外貨保持の姿勢が強く、リンギ安の要因になっている。こうした状況を打破するため中央銀行として過度な値下がり防止を目的に市場介入を行っている。政府系企業に外貨収入の送金も働き掛けているという。

民間企業は海外における再投資の認可手続きを省くため、在外外貨を保持する傾向があるが、中銀としては本国送金を望んでおり、外貨をリンギに両替した企業には、海外における再投資に対し認可を簡略に済ませるイニシアチブを検討しているという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月10日)