必需品以外の商品の販売も可=国家安全委

【クアラルンプール】 必需品以外の商品の扱いを巡って小売りの現場で混乱が起きていることを受け、国家安全委員会(NSC)は7日、必需品以外の商品についても販売を認めると発表した。

「星洲日報」の取材に対してNSCのモハマド・ラビン・バシル次官が明らかにした。完全ロックダウン下でも営業が認められているスーパーマーケットやコンビニ、食料品店などの小売店では、必需品以外の商品も含め販売を許可されている商品に関して通常通り販売が認められる。すでに罰金を科された店舗・企業に対してはケースに応じて処分を見直す。

6月2日にNSCが発表した最新の標準的運用手順(SOP)では、スーパーマーケット、ハイパーマーケット、薬局、セルフケアストア、コンビニエンスストア、ミニマート、デパートは「食品、飲料、必需品のセクションのみ営業が限定される」となっていた。

ただ実際の売り場では必需品と必需品以外の商品が混在しているため、一部の店舗では摘発を恐れて必需品以外の商品棚をテープで囲って販売できないようにしているところもあり、解釈を巡って混乱が生じていた。地場の薬局チェーン、ケアリング・ファーマシーは、染毛剤やヘアジェルなどの商品の販売を一時的に停止したと発表していた。 (マレー・メイル、星洲日報、6月7日)

新型コロナアプリ情報更新漏れへの罰金、大臣が取り消し

【ペタリンジャヤ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(国防相)は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染情報・追跡アプリ「MySejahtera」における個人の健康情報に関する更新漏れは犯罪ではなく、罰金は科されないと述べた。

ペラ州の31人の工場労働者が、MySejahteraで健康状態を更新しなかったことを理由に、6月5日警察から罰金通知を受け取ったことに対する発言。通知は取り消されるという。

同氏によると、MySejahteraユーザーは、新型コロナウイルス「Covid-19」陽性が確認された場合、症状がある場合、感染者の近親者である場合、海外渡航歴がある場合にのみ、健康状態を更新する必要がある。保健省の検査・法務ユニットに確認したという。

同氏は、個人情報の更新漏れは犯罪にはあたらないが、感染の連鎖を断ち切るため、国民が症状や接触者に関する正確な情報を提供し続ける必要があると強調した。 (フリー・マレーシア・トゥデー、6月7日)

サラワク州議会解散・選挙の延期を決定

【クアラルンプール】 6月6日に任期満了を迎えるサラワク州議会について、同州議会は同日、「2021年緊急(基本権限)命令」に基づき、8月1日まで任期を延長すると宣言した。
モハマド・アスフィア議長は、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大にともない今年1月にアブドラ国王による緊急事態宣言が発出されたことを受け、州議会任期を定めたサラワク州憲法第 21 条 (3)が停止されていると説明。緊急事態宣言が終了する8月1日まで任期延長することを決定し、選挙委員会(EC)にも通知したと述べた。これに伴いECは、任期満了から60日以内に実施することになっていた州議会選挙を延期すると正式発表した。
州議会の任期満了及び選挙については、州議会解散の最終承認権を持つアブドラ国王は先ごろ、サラワク州議会の任期延長を提案していた。また同州のアバン・ジョハリ州首相も、新型コロナの状況が改善するまで現体制を維持し、選挙は待つべきだと述べていた。
昨年9月26日に投開票が行なわれたサバ州議会選挙はその後の新型コロナ感染拡大の原因の一つになったと指摘されており、感染者が増えている現状での選挙開催については慎重な意見が多い
(ベルナマ通信、フリー・マレーシア・トゥデー、6月6日)

40%の在宅勤務規定、違反企業には罰金5万リンギ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大防止のため行動制限令(MCO)指定域で在宅勤務(WFH)規定が強化されたことに関連して、国家安全委員会(NSC)は、違反企業に対する取締権限を半島部労働局(JTLSM)に与える方針を固めた。

これまでは「1988年感染症予防及び管理法」に基づき保健省にしか処罰権限がなかったが、27日に開催されたMCO技術委員会でJTKSMに権限を持たせることで合意していた。M.サラバナン人的資源相によると、WFH規定に従わなかった場合、法人に対しては5万リンギ、個人に対しては1万リンギの罰金が科される。

WFH規定強化により、半島部とラブアンを対象に25日から民間企業で40%、公的機関で80%の在宅勤務が義務づけられたが、いまだ多くの雇用者が従業員に出社を強制しているとの訴えが人的資源省に寄せられていたという。

WFH規定に関しては港湾や空港などについては例外措置がとられている模様で、クラン港のコンテナヤード運営会社、ウエストポーツ・ホールディングスは先ごろ「ベルナマ通信」の取材に対し、全従業員の90%が個別に作業を行なっているため社会的距離に配慮する必要はないと説明。10%だけが在宅勤務対象のオフィス勤務であるため、全体でみると在宅勤務率が3—5%に過ぎないとしている。

ロックダウン詳細発表、一部業種除き操業停止

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相とノール・ヒシャム保健省事務次官は30日に共同記者会見を行い、6月1日付けで発令される全国規模のロックダウンにおける標準的運用手順(SOP)について詳細を明らかにした。
通産省が発行していた業務のための地区・州を跨いだ移動の許可証は、5月31日いっぱいで無効となる。6月1日以降については、関係各省庁が新たに許可証を発行する。
必需業種以外の操業は禁止する。製造業及び製造関連サービスで許可されるのは医薬品、医療機器、衛生用品、個人用防護具、防火機器、食品・飲料、電気・電子、石油・ガス・潤滑油、化学品、機械・装置、航空部品の製造および航空機メンテナンスで、包装材と印刷は食品・飲料や医薬関連目的のみ認められる。ただし出社人数は通常の60%以内とする。
また自動車(部品含む)、鉄鋼、セメント、ガラス、セラミックについては、製造機械維持のための運転を認める。その他の製造業は操業は禁止となる。
このほか許可されるのは、▽農業▽農園▽漁業▽飲食店(持ち帰り&デリバリーのみ)▽薬局▽スーパー&コンビニ▽食品・飲料▽獣医▽水道▽エネルギー▽保安・セキュリティ▽廃棄物処理・清掃▽陸運・空運・海運▽ドック・空港・輸送関連▽通信・メディア・電話・インターネット▽金融・保険・証券▽質店など小規模金融▽Eコマース▽燃料▽宿泊(隔離目的のみ)▽眼鏡店▽金物店・ホームセンター▽建設・重要なインフラ▽林業――。
 ▽店内飲食▽農業市場、夜市など▽ネットカフェ▽撮影活動▽公営賭博・宝くじ▽スパ、マッサージ店など▽ヘルス・美容院▽ネイルサロン▽理髪店▽家具店▽洗車店▽文具店▽カー用品店▽服飾店▽スポーツ用品店▽花屋――は営業停止となる。
ショッピングセンターは飲食店及びスーパーマーケット、食料品店、必需品のセクションを除いて営業停止となる。移動は同じ地区内の半径10キロメートル内で、車1台に2人までの乗車を認める。移動目的は食料品や医薬品などの必需品の買い物などに限定する。午後8時以降の外出は慎むよう求める。

完全ロックダウン、6月1日より二週間実施へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 首相府は28日夜に声明を発表し、新規感染者が8千人を突破した新型インフルエンザ(Covid-19)の抑え込みに向け、6月1日より再び完全ロックダウンを実施すると発表した。期間は6月14日までの2週間。
同日行われた国家安全委員会(NSC)会議で決定した。期間中は必需経済セクター&サービスのみ操業が認められ、その他の経済活動、社会活動は禁じられる。操業可能な必需経済サービス&サービスのリストは後にNSCが発表する。
二週間の第1フェーズの間に感染者の大幅削減に成功した場合には第2フェーズに移行し、大人数・密集を伴わず、社会的距離を保てる経済セクターについて再開を認める。第2フェーズの期間は4週間で、その後は第3フェーズに移行し、多くの社会活動を制限した上でほぼすべての経済活動を厳しい標準的運用手順(SOP)順守の条件付きで認めている現在の行動制限令(MCO)に戻す。
各フェーズの次の段階への移行については、新規感染者数に基づく保健省によるリスク評価と、国の医療システムの対応能力によって判断する。完全ロックダウン実施に伴い、財務省は新たな経済支援策を実施する予定。
新規感染者急増による医療への逼迫で、政府内からも完全ロックダウンの必要性を求める声が高まっていた。そうした中、政府は経済への影響を配慮し、現在行われているMCO3.0を維持したままSOPの強化で乗り切ろうとしたが、感染拡大を抑えることは出来なかった。
新型コロナの新規感染者は今年1月末に5,700人まで増加したが、同月に発令した第二次MCO(MCO2.0)の効果で3月末には1千人を切るまで減少。しかしその後増加に転じ、5月28日には過去最高の8,290人を記録した。最近では重症者の比率が増加する傾向にあり、死者も連日60人前後出ている。

MCOの運用手順は固定的なものでない、首相テレビ会見

【クアラルンプール】ムヒディン・ヤシン首相は23日、国営テレビの特別番組に出演し、国家安全委員会がウイルス感染防止のための新たな標準的運用手順(SOP)を決めたことについて、SOPは固定的なものではなく、状況に応じ調整が必要なもので変化は必然と説明した。
SOPは特定の個人が決定しているわけではなく、恣意的に内容が決められることもないと語った。SOP変更権限は連邦政府にあり、州政府は変更を請求する権利も持たないという。
経済について、より強固な、持続可能な成長に向けた立案、運営は間違っていないと強調。新型ウイルス問題は解決されていないが、輸出入の増加など経済は改善の徴候が出ており、中央銀行バンク・ネガラの専門家は今年、6.5ー7%の成長を予想していると述べた。
ムヒディン氏は経済成長維持の必要性と公衆衛生のバランスをとるため、SOPを厳しくしつつもすべての活動停止の方策は採用しなかったと説明した。
また、全国規模でのワクチン接種が心理の改善をもたらし、経済活動の回復に貢献するとみており、年内の全国民へのワクチン接種、人口の80%の免疫獲得を目指していると述べた。
(ベルナマ通信、5月23日)

ロックダウンが感染抑制の唯一の手段、ブログでマハティール氏

【クアラルンプール】マハティール前首相は、新型ウイルスの感染抑制にはロックダウン(都市封鎖)が必要との見解をブログで表明した。
感染対策に6,000億リンギを支出したとの政府発表に触れ「大変な額だが、感染拡大に対処できていない。MCO再導入は正しい判断だが、厳格に守られていない。人を少なくとも1カ月間、家に閉じ込める必要がある」と述べた。
この間の収入はなくなるため、政府負担で公営キッチンを設け各家庭に食事を届けることになるという。
ワクチンについては、ほかの国で多数に接種された実績があれば、マレーシアも受け入れるべきと述べた。
さらに、マスクの常時着用、手の頻繁な洗浄、ワクチン接種者も含めた頻繁な感染検査が必要だとした。
(マレーメイル、5月20日)

完全ロックダウンは回避へ、22日にも制限強化を発表

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 首相府は21日夜に声明を発表し、新規感染者が増加傾向をみせている新型インフルエンザ(Covid-19)の抑制に向け、現在行われている全国的な行動制限令(MCO3.0)の標準的運用手順(SOP)を強化し、社会活動及び一部の経済活動を厳しく制限する方針を明らかにした

同方針は同日、ムヒディン・ヤシン首相が議長となって開催された国家安全委員会(NSC)会議で、各州の状況を鑑みて決定された。一部で懸念されていた、昨年3月に発令されたMCO(MCO1.0)と同様な完全なロックダウンの実施は回避される見込みとなった。

厳格化の詳細については22日にイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)が会見を開いて発表する。現在のMCO3.0の実施期間は5月12日から6月7日までとなっている。

新型コロナの新規感染者は今年1月末に5,700人まで増加したが、同月に発令した第二次MCO(MCO2.0)の効果で3月末には1千人を切るまで減少。しかしその後増加に転じ、5月20日には過去最高の6,806人を記録した。セランゴール州は特に深刻で、全感染者数の三分の二を占めている。

各地の医療体制が逼迫する状況を受けてアダム・ババ保健相はより厳格なMCOの実施に向けて検討していることを公表。これに対し産業界からは、経済的影響から完全なロックダウンは回避すべきとの声が上がっていた。

公立病院での医療従事者不足、改善策を医師会が提案

【クアラルンプール】保健省の地方事務所と公立病院で医師ら医療従事者の不足が顕著になっていることに関し、マレーシア医師会(MMA)は、民間の力を借りるなど保健省は戦略を変えるべきとの提案をスブラマニアム会長名で行った。
MMAによると、地方事務所では医師らは新型ウイルス「Covid-19」接触者追跡だけでなく、Covid-19以外の患者にも対応しなければならず、過重労働で医療の質が損なわれる恐れもあるという。
ウイルス感染者数は増加傾向を続ける見通しのため、保健省はインターン、医学生、看護学生、医療助手らの助けを、特に接触者追跡で借りるべきだという。
MMAは、Covid-19以外の患者の治療を民間病院、診療所に委託することを提案。また症状が軽い陽性反応者の追跡などで書類作業をデジタル化することも提案した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月17日)