二輪車利用の料理配達サービス、監督機関を設置へ

【クアラルンプール/ジョホールバル】ウィー・カション運輸相は18日、オートバイを利用し小荷物や料理を配達するPへーリングサービスを監督する機関の設置を検討していると表明した。サービスに携わる配達員の権利保護が目的だという。一方で配達員の乱暴運転も目立っており、昨年は91件の事故が報告された。
Pヘーリングは無規制状態。配達員は推定6万人おり、自分たちの権利が保障されていないとの不満がある。
ウィー氏は配達員の社会保障機構(SOCSO)への組み込みを意図しており、月13.1リンギの納付を義務付けることで配達員保護を実現する意向だ。
昨年、配達員が絡んだ交通事故は91件で、17件は死亡事故。マレーシア交通安全研究所(Miros)の調査によれば、配達員の70%は危険運転の経験があり、これには信号無視、携帯端末を使用しながら運転が含まれる。
(ザ・スター、4月19日、ベルナマ通信、4月18日)

ほとんどの国が財政上の困難に直面、首相府相が予算赤字を釈明

【コタ・バル】ムスタパ・モハメド首相府相は18日、国勢調査に関する会議後の記者会見で、マレーシア同様、ほとんどの国がパンデミック(感染症の世界的流行)のため財政上の困難に直面しており、予算赤字を出していると述べた。
マレーシアの予算赤字予想は追加経済対策が組まれた結果、対国内総生産(GDP)比で5.4%から6%に引き上げられたが、ムスタパ氏は、予算赤字が同10 15%の国もあり、マレーシアの割合は低い方と釈明した。
ムスタパ氏によれば、多くの国が財政難に陥っているのは、パンデミックという健康危機への対処で経済活動が制限され歳入が減少し、一方で歳出を増やしたためで、マレーシアを含む多くの国にとり過去最大の取り組み課題だという
(ベルナマ通信、4月18日)

州間移動の禁止、ハリラヤ休みまで延長の意向=保健相

【プトラジャヤ】 新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者が増加していることを受け、アダム・ババ保健相は州を跨いだ移動の禁止措置をハリラヤ(断食月明け大祭)祭日期間まで延長するよう提案する方針だ。
アダム氏は、移動制限解除を先延ばしするよう各方面の関係者から要請を受けていることを明らかにした上で、「感染状況は日々悪化している。状況は依然として不安定であり、移動制限を延長する必要がある」と述べた。
ハリラヤの移動制限については、規制手段の確保の問題などから先ごろイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)がなるべく早く決定すべきと発言。保健省の助言に従って決定されると述べていた。
アダム氏はまた、一部のラマダン(断食月)バザールで人々が社会的距離を保たず群衆化している状況を示す画像が出回っていることに言及。バザールが新たなクラスターに繋がるようであれば閉鎖も辞さないと述べた。
政府はこうした問題に対処するため、標準的運用手順(SOP)違反者に対する罰金を科す権限を市長や地区議会の議長、上級執行官に与えると発表している。
(フリー・マレーシア・トゥデー、4月15日)

「3度目の制限令発令はなし」感染拡大懸念の中で首相言明

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染の第4波が来ているとの警戒感が高まっていることについて、ムヒディン•ヤシン首相は現時点で3度目となる全国的な行動制限令(MCO3.0)を発令する考えはないと言明した。

ムヒディン首相は、新規感染件数の83%が製造業に由来したものだとし、労働者の宿舎が感染源になっていると指摘。ただクラスターとなっているレッドゾーンを対象にしたMCOは実施していくことで感染拡大をコントロールしていくとし、これによってビジネスへの影響を最低限とし経済持続性を実現すると述べた。

その上でムヒディン首相は産業界に対し、職場での標準的運用手順(SOP)を厳守し、政府と協力して「1990年労働者住宅・設備法」(第446法)を遵守するよう呼び掛けた。

また1月に発令した非常事態宣言については、不純な動機に基づくものではないと断言。人権侵害や私有財産、法的権利を侵害することに使用されないことを保証すると述べた。

(東方日報、南洋商報、4月15日)

ラマダン入り発表、飲食店の深夜営業を容認

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア王宮は、13日付けのラマダン(断食月)入りを発表した。新型コロナウイルス「Covid-19」禍での二度目のラマダンということもあり、政府は飲食店の夜間営業を認めるなどムスリムに配慮する姿勢をみせている。
イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)はラマダンに合わせて、断食明けの集まり(ブカ・プアサ)や屋台や飲食店の午前6時までの深夜営業を、標準的運用手順(SOP)遵守を条件に認めると述べた。飲食施設においては、条件付き行動制限令(MCO)対象域では定員の50%まで、復興のための行動制限令(RMCO)対象域では100%認められる。
個人の住宅やオープンスペースで行なう食事会についても、飲食施設と同様に出入り口の指定や参加人数の登録などのSOP遵守が求められる。
これに先駆けクアラルンプール(KL)市は、ラマダンバザール(夜市)の営業を65カ所において午後3時から午後8時まで認めると発表した。セランゴール州も許可するとしている。一方、感染者が急増し病床が満杯に近づいているクランタン州では、バザールと夜間礼拝を中止すると発表。サバ州もバザール営業を不許可としている。

期限切れのソーシャルビジットパス、事情あれば延長申請可

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」のために帰国できなくなり、短期滞在許可証「ソーシャルビジットパス」(PLS)が期限切れになったままマレーシアに滞在している外国人に対し、マレーシア当局が4月21日までの出国を求めている問題で、ハムザ・ザイヌディン内務相は出国できない事情がある場合、延長申請は可能だと述べた。
マレーシア当局は今年1月、行動制限令(MCO)が3月31日で解除される見通しだとして、PLSが切れた者に対し14営業日後の4月21日までに出国するよう求める通達を各国大使館に送っていた。違反した場合、罰金を科されたり拘留される可能性があるとしている。
ハムザ内相は、延長申請は可能だがケースバイケースで処理すると説明。出入国管理局のカイルル・ザイミー・ダウド局長は、申請の際にマレーシア滞在中の生活費を賄える経済力と居留地を証明する書類を提出する必要があるとした。
(ザ・スター、4月13日)

短期滞在査証の猶予期限目前、外国大使館が滞在者に注意喚起

【ペタリンジャヤ】複数の外国の大使館や高等弁務官事務所が、マレーシアに滞在している、失効した短期滞在査証「ソーシャルビジットパス」を持つ自国民に21日までの帰国を促す電子メールを送付している
昨年、同パスが失効した外国人に対しマレーシア政府は猶予期間を与えたが、行動制限令(MCO)が3月末に解除されたため、今月21日で14営業日の猶予期間が終わる。
猶予期間を延長するかの発表はマレーシア政府からなく、米国務省はパスが失効した米市民に対し、21日までにマレーシアを出国するための準備を要請。同日までに出国できない場合、移民当局による拘束、罰金の対象になると注意を促した。ルーマニアとイタリア大使館、英国高等弁務官事務所も同様のメールを自国民に送信した。
ソーシャルビジットパスの有効期間は3カ月で、パス所持者はいったん出国し数日を外国ですごした後、再入国すれば再度同じパスを取得できる。
(フリー・マレーシア・トゥデー、4月11日)

60歳以上にはシノバック製ワクチンを使用=調整相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種プログラム調整相を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は12日の会見で、19日から開始される第2フェーズの対象者である60歳以上の高齢者に中国・科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製のワクチンを接種する方針を明らかにした。

ワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)が他国におけるシノバック製ワクチンの接種状況をみて決定した。カイリー氏は「重症化予防効果が確認できた。死者の80%が60歳以上であることから判断した」とし、第2フェーズにおける主力になるとの考えを示した。

■接種義務化の可能性も=カイリー氏■

カイリー氏は9日、国民の接種登録率が低い状態であることに触れ、このまま低いままならば接種を義務化する可能性があると言明した

カイリー氏は12月までに集団免疫レベルを達成するためには人口の70%が接種する必要があるとした上で、9月は目標達成できるかどうか判断するための重要なポイントになると述べ、9月をメドに判断を下す可能性があると示唆した。

4月11日現在、国内のワクチン接種登録者数は851万3,651人、人口比35.10%にとどまっている。1回目の接種を受けたのは58万3,903人、2回目も済ませたのは39万5,891人にとどまっている。

ワクチン接種義務化については、先ごろファディラ・ユソフ上級相(公共事業相兼任)が、外国人労働者の新規雇用の際の条件に加える方向で検討すると発言していた。

「次期首相候補にアンワル氏」野党連合が確認

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 野党連合・希望同盟(PH)を率いるアンワル•イブラヒム元副首相(人民正義党=PKR党首)は、次期総選挙(GE15)において自身を首相候補に立てて戦うことで構成各党の同意を得たと明らかにした。

PH構成各党は4月8、9日にネグリ・センビラン州ポートディクソンでトップ会談を開催し、いわゆる「ポートディクソン決議」を行なった。この中でアンワル氏をPHが擁立する首相候補とすることを決めたほか、ムヒディン•ヤシン首相に対し、直ちにアブドラ国王に議会の再招集及び非常事態宣言解除を要請するよう求める決議案を採択した。

ポートディクソンの会議にはアンワル氏のほか、国民信任党(Amanah)のモハマド・サブ党首、民主行動党(DAP)のリム・グアンエン書記長、セランゴール州のアミルディン・シャリ首相、ネグリ・センビラン州のアミヌディン・ハルン首相、ペナン州のチョウ・コンヨウ首相らが出席した。PHは昨年7月にもアンワル氏を首相候補とすることで合意したと明らかにしていた。

ムヒディン首相は就任1周年に合わせた3月1日の演説で、新型コロナウイルス「Covid-19」が収束した段階でアブドラ国王に議会解散を提案する意向を示しているがメドはたっていない。

政権交代はあっても政策は安定、ムーディーズ見解

【クアラルンプール】格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス主催の東南アジア諸国連合(ASEAN)分析国別記者懇談で、ソブリンリスク担当のクリスチャン・ファン氏は、マレーシアでは18年と20年に政権交代があったが、制度、政策に大きな変化はなく、外国人投資家が大挙して撤退するような事態は起こらなかったとの分析を示した。
マレーシアのソブリン格付けはA3で、これより格付けが1つ上から、1つ下までの国を含めた格付けグループのうち、マレーシアの24年までの経済成長率は高めが見込めるという。
ファン氏はその根拠として、電子製品など高度の製品から、食品、一次産品までを輸出できる経済の多様性、情報技術(IT)普及度などを挙げた。ただ財政が堅固でないのが弱点だという。
金融機関担当アナリストのリー・テンフ氏は、融資返済猶予などの支援措置の期限が来れば一部の債権は不良化するとの見通しを示した。しかし銀行は貸倒引当金を増やしており、不良債権の増加に対処できるという。
(エッジ、4月7日)