シンガポールと合同委員会、航空機利用の旅客の入国容認で

【プトラジャヤ】マレーシアとシンガポールの運輸省は両国間の旅客往来をさらに緩和するため、航空機を利用した旅客の入国を相互に認めるための準備、手続きを協議する合同委員会を設置した。一般旅客を念頭に置いた動きだ。
ウィー・カション運輸相の発表によると、両国運輸省の事務次官が共同議長を務め、ワクチン接種証明など通関に必要な手続きを協議している。可能な限り早期の実現を目指す。
乗り入れを認める航空会社の選定、旅客輸送数も協議する。全座席利用は困難なため搭乗客数は制限することになるという。
(ベルナマ通信、4月5日)

ワクチン接種第2フェーズ、7州とラブアンで先行実施

【プトラジャヤ】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種プログラム調整大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は、4月19日に始まる第2フェーズについて7州とラブアンで先行実施すると明らかにした。残りの州は準備が整いしだい開始する。

最初に第2フェーズが始まるのは、連邦直轄地のラブアンと▽ケダ▽マラッカ▽ペナン▽パハン▽サバ▽サラワク▽トレンガヌ——の7州。接種希望者には、5日より「MySejahtera」アプリを通じて予約日の通知を開始した。少なくとも14日前に予約日を通知し、接種3日前と1日前にSMS及びコールセンターを介して予約確認を通知する。第2フェーズでは高齢者や障害者、慢性疾患を持つ人が対象となっている。

ジャマルディン大臣はまた、アストラゼネカ製ワクチンについて副作用の懸念が出ていることについて、接種を延期しなければならなくなった時に備えていくつかのバックアップ計画を作成したと言明。ファイザーへの発注量を増やすことを検討していることを明らかにした。一方、アダム・ババ保健相は効果の方がリスクを上回っているとして、アストラゼネカ製ワクチン接種計画を継続する考えを表明した。

(ベルナマ通信、4月5日)

ワクチン接種副作用の症例は3.6%、死亡者はなし

【セランゴール州セルダン】アダム・ババ保健相は3日、プトラ・マレーシア大学付属病院で行われた行事に出席した際、3月31日の時点で70万6,404人がワクチン接種を受け、副作用の報告があったのは3.6%にあたる2万5,770人だったと発表した。
うち99.5%は、注射カ所の痛み、熱、頭痛、吐き気、嘔吐、刺痛など軽度の反応で、残りが顔など身体の一部のむくみ、息切れ、胸の不快感といった重度の副作用だった。
重度の副作用が見られた者は入院してもらい、現在は退院しているという。ワクチン接種による死亡例は報告されていない。
ファイザー・ビオンテックのワクチンは妊婦に安全かとの質問に対しアダム氏は、同社の臨床データに基づけば妊婦、また授乳中の母親への接種に問題はないと答えた。
(ベルナマ通信、4月3日)

ワクチン接種証明取得者への自由移動許可を検討=首相

【クチン=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相は、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種を2回完了した人を対象に、現時点で禁じられている州を跨いだ移動や海外旅行を認める方向で検討していることを明らかにした。
ムヒディン首相は同案を国家安全委員会(NSC)会議で提案する考えを表明。これが実現すれば人々に一層のワクチン接種を促すことになると述べた。
ワクチン接種が完了した段階で接種証明書が追跡・情報アプリ「MySejahtera」を通じて電子証明書として発行される仕組みで、証明書を所持していれば当局への届け出なしに国内の移動が可能になる。またこの仕組みについては、複数の国との間で相互認証の方向で協議を開始したという。
マレーシアとシンガポールは先ごろ、ワクチン接種証明書の相互承認に向けて協力することで合意したと発表している。

政権決別宣言のUMNO、所属閣僚は留任の見通し

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 統一マレー国民組織(UMNO)が与党連合・国民同盟(PN)第一党・統一プリブミ党(PPBM)との協力関係を解消すると宣言したことを受け去就が注目されているUMNO所属閣僚だが、国会解散までは閣僚ポストにとどまる見通しだ。
ムヒディン・ヤシン首相は3月29日に全UMNO所属閣僚と面会し、新型コロナウイルス「Covid-19」対策や経済復興に重点を置くべきとの考えを伝え、国民の利益を尊重してPN政府にとどまるよう説得したことを公表閣内に留まることで全UMNO所属閣僚と合意に達したと明らかにした。PPBMを凌ぐ勢力をもつUMNOは協力への見返りとして、正大臣9人、副大臣8人を政権内に送り込んでいる。
先の年次総会でPPBMとの決別を宣言したアハマド・ザヒド・ハミディ総裁(元副首相)は、党最高評議会がPPBMとの協力関係解消を決定すれば、ただちにUMNO所属の全閣僚は辞任しなければならないと述べていた。党内でも同調する意見は根強く、長老のテンク・ラザレイ元副財務やナズリ・アジズ元観光芸術文化相らも閣僚を辞任すべきと述べている。

管理職の30%出勤制限、4月1日付けで廃止

【クアラルンプール】 マレーシア国家安全委員会(NSC)は、 条件付き行動制限令(CMCO)指定域の企業管理・監督者の人数を30%以下に制限する規定を4月1日付けで廃止すると決定した。イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)が明らかにした。
通産省の勧告に基づいたもので、一部在宅勤務となっていた管理職や総務部門は今後100%出勤することが可能になる。標準的運用手順(SOP)の詳細については、NSCのウェブサイトで入手できる。
サブリ上級相は「理由の一つは製造業の業務において在宅勤務が難しかったことがある。製造業には様々な管理チームと監督チームの連携を必要とする複雑で技術的プロセスが多い」と述べた。
このほかサブリ上級相は、母国に帰国したまま戻って来れない外国人家政婦について言及。「My Travel Pass」を通じて許可を申請することを条件に再入国を認めると発表した。マレーシア到着時にはSOPに従ってスクリーニング及び隔離を受けなければならず、費用は雇用者が負担する必要がある。
(エッジ、3月30日)

中止の高速鉄道事業、マレーシアは84億円の賠償金を支払い

【クアラルンプール】取り止めとなった、クアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道(HSR)事業について、マレーシア政府はシンガポール政府に3億2,027万リンギ(約84億円)の損害・遅延賠償金を支払った。ムスタパ・モハメド首相府相とシンガポールのオン・イエコン運輸相が30日、共同声明で発表した。
HSR事業はナジブ政権時代に合意されたが、政権交代で誕生したマハティール政権が見直しのため延期をシンガポールに要請。ムヒディン政権になり事業内容の変更を提案したが、合意に達せず、今年の1月1日、両国首脳が取り止めを発表していた。
オン運輸相は先に、シンガポールには既に2億7,000万シンガポール・ドル(約220億円)の出費が生じたと発表していた。今回の合意額との差についてシンガポール運輸省は、出費には土地接収代金が含まれているが、土地は価値を生じさせることが可能なため、賠償請求に含めなかったと説明した。
コンサルタント雇用、設計代金、人件費など、実際に生じた経費を契約条項に基づきシンガポール政府は計算し、マレーシア側が精査し、了承された。
(ベルナマ通信、マレーシアン・リザーブ、3月29日)

マイセカンドホーム計画の見直しが終了、閣議了承を待って再開

【ペタリンジャヤ】経済力のある外国人が長期滞在を認められるマレーシ・マイセカンドホーム(MM2H)計画について、ナンシー・シュクリ観光芸術文化相は、コンサルティング会社に委託した見直し作業は終わっており、閣議の了承を待って凍結を解除すると発表した。
政府は昨年中頃、MM2H計画を凍結しビザ(査証)申請の受理を停止した。安全保障上の見直しが必要になったためで、シュクリ氏は「入管が安全保障の観点から関心を持っている。MM2H計画の実施には慎重さが必要だ」と述べた。
MM2Hの導入は02年で、これまでに4万人余りが長期滞在ビザを取得した。政府は新たなMM2H計画を20年末に発表する予定だったが、今年3月に延期した。
申請代行業者の団体、MM2Hコンサルタント協会のアンソニー・リュー会長は、詐欺的申請が過去にあったことを指摘。「善良な申請者のみ受け入れたい」と語った。
(ザ・スター、3月26日)

新型コロナの再生産数が上昇、保健省がSOP順守呼びかけ

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者1人が何人に感染を広げる可能性があるかを示す「基本再生産数(R0)」について、保健省のノール・ヒシャム事務次官は25日、0.99に上昇したと指摘。過去1カ月で最も高い数値となったとし注意を喚起した。
新規感染者数は、3月6日以降は2,000人以下を維持しているものの、1,000人を下回る日は出ていない。今月最もR0が下がったのは3日で0.81だった。
R0は現在、7つの州・地域で1.0を超えており、ラブアンとパハン州が1.45と最も高い。それにマラッカ(1.31)、ケダ州(1.19)が続いている。
マレーシア政府はR0を0.8以下に下げ、1日あたりの新規感染者数を500人以下に減らすことを目標に掲げている。
ノール氏は、R0が1.2に上昇した場合は、5月までに新規感染者数が2,000人を上回る可能性があると指摘。感染予防のための標準的運用手順(SOP)を順守するよう求めた。
(マレー・メイル、3月25日)

商談を目的とした外国人出張者センター、KLIAに開設

【セパン=マレーシアBIZナビ】 アズミン・アリ上級相(通産相兼任)は23日、商談を目的とした外国人出張者の出入国を円滑に行うために、クアラルンプール新国際空港(KLIA)に「ビジネス・トラベラーズ・センター(BTC)」を開設したと発表した。
BTCの設立は、ビジネスを目的とした外国人の出入国を容易にするためのワンストップ・センター(OSC)イニシアチブの主要な政策の一つとなっている。リアルタイムRT-PCR法による新型コロナ「Covid-19」感染症の検査などのシームレスなファストトラック・サービスを提供する。検査の結果は3時間以内に出るという。
マレーシアでは短期出張者として、感染予防のための標準的運用手順(SOP)を順守を条件に、14日間以内の外国人の滞在を許可している。OSC委員会は、投資を検討する会社からの出張者に関して93件の申請を承認した。見込みの総投資額は150億リンギに上るという。
アズミン大臣は、BTCの設立により、外国企業にとりマレーシアが魅力的な投資先であり続けることを保証し続けることができると言明。経済回復への道を拓くという政府の使命の第一歩となるとした。