馬・星両国、ワクチン接種証明の相互認証に向け協議

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシアとシンガポールの両国は23日、両国間の移動を容易にするため、将来的な新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種証明書の相互承認に向けて協力することで合意した。
マレーシアのヒシャムディン・フセイン外相とマレーシアを訪問したシンガポールのヴィヴィアン・バラクリシュナン外相が、会談後に共同声明を発表した。両国間のワクチン証明書の相互承認の運用上の詳細は、要件、保健プロトコル、両国の出入国に関連する申請プロセスを含めさらに審議された上で最終決定されるという。
両国はまた、相互グリーンレーン(RGL)及び定期通勤申し合わせ(PCA)に加えて、その他の旅行カテゴリーの往来再開に向けて取り組むことで合意した。
なお今年2月1日から3カ月の期間限定で中断されているRGLの取り決めについては、バラクリシュナン外相は5月以降再開する可能性があると言明。シンガポールで働いている間に国境封鎖で帰国できなくなったマレーシア人労働者については、4月から近親の不幸があった場合の一時帰国を認める方針を示した

セランゴール航空ショー、8月に初めて開催へ

【クアラルンプール】 セランゴール州政府は、8月12ー14日にかけて「セランゴール航空ショー(SAS)2021」を初めて開催する。
インベスト・セランゴールのハサン・アズハリ・イドリス最高責任者(CEO)によると、SAS2021では、航空機の展示のほか、フォーラムやトレーニングの公開、主要な業界関係者に関する展示を行う。国内外企業から5,000人が訪れ、30の出展者を呼び込むことを目標にしている。テーマは「セランゴール州、東南アジア諸国連合(ASEAN)のビジネス、ゼネラル・アビエーションの拠点」で、全ての利害関係者が対話したり知識を供給できるような場を提供し、新型コロナウイルス「Covid-19」流行下でも航空業界を活性化できるような商品の展示などを行う。
ハサンCEOは、国内の航空宇宙企業の62%以上がセランゴール州で事業を行なっているとし、同州は航空宇宙および航空産業の主要拠点として認識されていると言明。航空宇宙産業を促進させるため2020年にセランゴール州航空宇宙産業調整局(S-DAICO)を立ち上げたとし、今後もセランゴール州を東南アジアの航空宇宙産業の主要ハブとして位置付けていくため連邦政府や州政府と協力すると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月23日)

オンライン事業免許を導入へ、詐欺防止が狙い

【プトラジャヤ】国内取引消費者行政省はオンライン事業免許制度を導入する方針だ。消費者を詐欺から守るのが狙いだという。
ロソル・ワヒド副大臣によると、オンライン事業免許には一定の条件を付けるため、消費者は事業者を合法的存在として認識でき、安心して商品・サービスを購入できるという。消費者保護法の電子商取引に関する規則を改定し免許制度を導入する。
同省の統計によれば、オンライン取引詐欺に関する苦情は19年の5,141件に対し20年は1万1,510件に倍増した。
商事犯罪捜査局のホームページには、当局に登録した事業者の銀行口座、電話番号が掲載されており、疑わしい取引の場合、消費者はホームページの情報を参照することで詐欺を回避できるという。
国家消費者行動委員会(MTPN)も、詐欺的行為のあった口座を簡単な操作で消費者が届け出ることのできるモバイルアプリを開発中だ。
(ベルナマ通信、3月18日)

北朝鮮がマレーシアと国交断絶、米国への容疑者引き渡しで

【クアラルンプール】 北朝鮮政府は19日、マレーシア政府が先ごろ北朝鮮人容疑者を米国政府に引き渡したことへの報復として、マレーシアとの国交断絶を発表した。
北朝鮮外務省は声明の中で「マレーシア当局は(北朝鮮の)無実の市民を米国に強制的に引き渡すという容赦のない犯罪を犯した」と指弾。「米国の圧力に屈服して平壌(北朝鮮政府)に対して行われた敵対行為」とした。
米国に引き渡された北朝鮮人、ムン・チョルミョン容疑者については、「シンガポールで合法的な対外貿易活動に従事している人物」と主張し、違法なマネーロンダリングに関与しているとの指摘は捏造だと非難した。
ムン容疑者は家族と共にマレーシアに10年にわたり在住していたが、北朝鮮への禁輸品の密輸や会社を通じた資金洗浄の容疑で米国政府からの身柄引き渡しの要請を受け、2019年に逮捕された。マレーシア連邦裁判所は今年3月3日、米国への引き渡し差し止め請求を棄却していた。ムン容疑者は、北朝鮮が酒や時計などの高級品を北朝鮮に密輸していたとされる。
(フリー・マレーシア・トゥデー、AFP、3月19日)

現時点でGST再導入の予定はなし=ザフルル財務相

【クアラルンプール】 テンク・ザフルル財務相は、今は経済活性化と国民の支援に焦点を充てるべき時だとし、現時点で物品・サービス税(GST)を再導入する予定はないと強調した。
ザフルル氏は、政府が新型コロナ終息後の歳入増に向けて新たな方法を模索しているとし、税制を見直すための調査に着手していることを明らかにした上で、新型コロナウイルス「Covid-19」でダメージを受けた経済が現在回復段階にあり、新たな税制を導入するには時期的に適切ではないと言明。「現時点でGSTなどの新税導入は優先事項ではない。新税導入はタイミングが重要だ」と述べた。
ザフルル氏によると、政府の今年の経済成長予想を6.5—7.5%、財政赤字目標を5.8%としており、今年の歳入は昨年よりわずかながら増加する見通しだ。
マレーシアでは2015年4月に税率6%のGSTが導入されたが、生活費上昇の原因になっているとしてマハティール モハマド前首相率いる希望同盟(PH)政権により2018年6月に廃止され、同年9月に税率10%の売上・サービス税(SST)が再導入された。マレーシア王立税関局によると、2017年のGST税収は合計440億リンギだった。
(ベルナマ通信、エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、3月18日)

ムヒディン首相、2回のワクチン接種を完了

【プトラジャヤ】 ムヒディン・ヤシン首相は17日、米ファイザー-バイオNテック製の新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの第2回目の接種を受け、2回のワクチン接種を完了した。ムヒディン首相は2月24日に第1回目の接種を受けていた。
プトラジャヤのクリニックを訪れたムヒディン首相は、新型コロナの感染情報・追跡のためのスマートフォンアプリ「MySejahtera」を利用した手続きを行い、ワクチン接種を受けた。接種後に再びアプリを利用した申請を行い、接種完了の通知を受け取った。接種後には別室で副反応を観察するため30分間待機したが、異常はみられなかった。保健省のノール・ヒシャム事務次官と保健省職員4人、最前線で働く職員なども第2回目の接種を受けた。
アダム・ババ保健相は同日、2月24日から3月16日までに34万6,508人が米ファイザー-バイオNテック製ワクチンの初回接種を受けたと明らかにした。
州別ではセランゴール州が最多で4万1,913人だった。それ以下は▽ペラ州(3万9,404人)▽サバ州(3万3,966人)▽サラワク州(3万2,465人)▽クアラルンプール(3万1,740人)▽ジョホール州(2万6,185人)▽パハン州(2万5,944人)▽ケダ州(2万3,871人)▽ペナン州(2万393人)▽クランタン州(1万6,541人)▽トレンガヌ州(1万5,725人)▽ネグリ・センビラン州(1万4,489人)▽マラッカ州(9,120人)▽ペルリス州(8,038人)▽プトラジャヤ(4,383人)▽ラブアン(2,342人)ーーの順となった。

シノバック製ワクチン、カイリー大臣が接種第一号に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種プログラム調整大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は18日、中国・科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製ワクチン接種を受けた。シノバック製ワクチン接種の国内第一号となった。

地元のネグリ・センビラン州レンバウ病院で接種を受けたカイリー大臣は流暢な中国語で「ワクチンは安全だ。一緒に新型コロナを打ち倒そう」と呼び掛けた。カイリー氏に続いて、最前線で働く医療関係者や消防署職員ら10人あまりが接種を受けた。薬物管理局(DCA)は3月2日、シノバックと英アストラゼネカのワクチンに対する条件付き登録を承認していた。

一方、すでに接種が始まっている米ファイザー製ワクチンについては、12日前に接種を受けたケダ州スンガイ・プタニ在住の45歳の女性看護師が心臓発作のために17日未明に死亡した。女性は高血圧の病歴があり、接種の翌々日に全身疲労や痛みなどの体調不良を訴えていた。

これについてカイリー大臣は、現時点でワクチンと死亡の因果関係はまだ分かっていないとし、保健省による調査結果を待つ必要があると述べた。

GST再導入は税収拡大の選択肢、WBパネル討議で財務省高官

【クアラルンプール】世界銀行グループが組織したパネル討議で、財務省のザキア・ジャアファル副事務次官は、省として税制改革を検討しており、物品・サービス税(GST)再導入は税収拡大に向けた選択肢の一つだと言明した。
ザキア氏は「ウイルス感染拡大(パンデミック)が起こる前の昨年3月、税制改革に着手する計画だった」と明らかにした。しかし現在の状況を考慮し、改革は経済が安定してからにするという。
世銀はマレーシア経済に関する最新報告書で、マレーシアが高所得国になるには税収基盤の拡大が欠かせないとの主張を展開した。
GSTはナジブ・ラザク政権時代の15年に導入されたが、18年の総選挙で政権交代を果たしたマハティール氏率いる希望同盟(PH)の時代に廃止された。
アジア太平洋経済協力会議(APEC)のレベッカファティマ・スタマリア事務局長は「経済開発5カ年計画など国を次の段階に導く多様な計画が既に策定されており、後は実行するのみ」と政策の作り直しは不要との認識を示した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、3月16日)

セランゴール州やKLなど4州1都、月末までCMCO延長

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は16日、▽セランゴール▽ジョホール▽ペナン▽クランタン▽クアラルンプール(KL)——の4州1都について3月31日まで条件付き行動制限令(CMCO)を延長すると発表した。
▽ネグリ・センビラン▽ペラ▽ケダ——の3州については、19日からから復興に向けた行動制限令(RMCO)に切り替える。3州に対するRMCOの期限は3月31日まで。ただし新規感染者が出ているケダ州のクアラムダとクリム、ネグリ・センビラン州セレンバンはCMCOを延長する。
またすでにRMCOとなっていた▽ペルリス▽マラッカ▽パハン▽トレンガヌ▽サバ▽プトラジャヤ▽ラブアン——については3月31日までRMCOを継続する。ただしサバ州のナバワンだけは2週間MCOを延長する。
RMCOになっても州を跨いだ移動は旅行代理店を通じた観光旅行以外は、依然禁止となっている。州内の地区間移動については、サバ・サラワク州を除いて許可されている。

新規感染者数、5月までに約500人に減少=保健相

【プトラジャヤ】 アダム・ババ保健相は15日、国民が標準的運用手順(SOP)を順守することで、1日当たりの新規感染者数は5月までにおよそ500人まで減少するとの予想を明らかにした。
感染者1人が何人に感染を広げる可能性があるかを示す「基本再生産数(R0)」は2月28日時点で0.9だったが、14日は0.87に下がった。トレンガヌ州とペナン州以外のR0は1.0以下となった。しかしアダム大臣は、SOPを守らなければ再び1.0以上に上昇する可能性があるとし、SOP順守を呼びかけた。
感染者数がゼロもしくは少ないグリーン・ゾーンは2月28日から3月14日までの期間に6カ所から11カ所に増加した。レッド・ゾーンは42カ所から35カ所に減少し、イエロー・ゾーンは31カ所から37カ所に増加した。
ワクチンの接種についてアダム大臣は、2月24日から3月14日までに30万1,699人が米ファイザー-バイオNテック製ワクチンの初回接種を受けたと明らかにした。
州別ではセランゴール州が最多で3万6,163人だった。それに▽ペラ州(3万3,036人)▽サラワク州(3万1,527人)▽クアラルンプール(2万8,244人)▽サバ州(2万6,446人)▽パハン州(2万5,325人)▽ジョホール州(2万2,965人)▽ケダ州(1万8,539人)▽ペナン州(1万6,758人)▽クランタン州(1万5,411人)▽トレンガヌ州(1万4,137人)▽ネグリ・センビラン州(1万2,209人)▽マラッカ州(7,963人)▽ペルリス州(6,807人)▽プトラジャヤ(3,827人)▽ラブアン(2,342人)ーーの順となった。
一方で英アストラゼネカ製ワクチンについて、アダム大臣はマレーシアでは接種を実施すると強調。マレーシア国家医薬品管理局(NPRA)により条件付きですでに承認されており、その決断を信頼していると述べた。しかし欧州を中心に一時使用停止を取る国も出てきていることに触れ、血栓など様々な副反応について注意を払っており、事実を分析する必要があると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月16日、ベルナマ通信、3月15日)