来年からのガス市場完全自由化を期待=ガス協会会長

【クアラルンプール】マレーシア・ガス協会(MGA)のハズリ・シャム会長は、ガス料金規制の有効期間が今年末のため、来年からのガス小売市場の完全自由化を期待していると表明した。
関係者間で開催されたリモート円卓会議でハズリ氏は「完全自由化で活気に満ちた、持続可能な市場に移行する。ガスが、同じ土俵に立つ売り手と買い手の自由意思で決められる市場をMGAは想定している」と語った。
マレーシアにとりなじみのない環境であり、消費者は多様な価格設定があることと、それぞれに付き物のリスクを理解する必要があるという。
会議には首相府経済企画部、エネルギー天然資源省、ペトロナス、マレーシア製造業者連盟などの代表が参加した。
(ベルナマ通信、3月12日)

SOP違反罰則、警察に情状酌量の権限なし=上級相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 標準的運用手順(SOP)違反の罰金1万リンギの違反キップが乱発されていることに国民から不満の声が上がっていることを受け、イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は法的に避けられないものだとし、不服がある場合は申し立てして欲しいと呼び掛けた。
サブリ上級相は罰則強化は「2021年緊急事態(感染症予防と管理)命令」改正に基づくものであって、すべてのSOP違反が対象となるとした上で、警察には情状を酌量して勝手に罰則を1万リンギ以下に減ずることはできないと指摘。ただ保健省の地区支部に不服申し立てを行なうことが可能だとし、健康を守るための措置であることを国民に理解して欲しいと訴えた
一方、アブドル・ハミド警察長官は、1万リンギの違反キップの対象が再犯者と感染の可能性の高い者に装着を求めるリストバンドを外すなど重大な違反に限るとし、すべてのSOP違反行為に適用されると述べた。
警察によると、3月11日と3月12日の両日で330人に対して1万リンギの違反キップが切られた。クアラルンプール(KL)ブキジャリルでは11日に飲食店に入った男性が「MySejahtera」アプリや手書きの記録簿を使って入店を登録せず1万リンギの罰金が科された。

コロナ&非常事態宣言に関するデマ、政府が厳罰化を発表

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」や非常事態宣言に関する有害なデマ情報を流した者に対し、罰金10万リンギ以下または禁固3年以下、もしくはその両方という厳しい罰則が科されことになった。非常事態宣言中であるため国会審議を経ないまま発令されたもので言論弾圧や人権侵害につながりかねないといった批判の声が上がっている。
「2021年緊急事態(基本権限)命令」(No.2)として12日に施行されたもので、11日の連邦政府の官報に掲載された。デマ情報の定義にはニュース、情報、データ、レポートが含まれ、文書以外でもデジタルやビジュアル、音声も含まれる。何らかの手段で一般人に恐慌をもたらすことを意図した者や可能性のある者が違反の対象で、デマ情報と判断された場合には裁判所は削除を命じることができるとしている。
また違反者には謝罪を命じる内容も盛り込まれており、拒否した場合は罰金5万リンギ以下または禁固1年以下、もしくはその両方が追加で科される。違反行為が続いている場合は、1日あたり1,000リンギの罰金が追加で科される。
さらに「域外適用条項」も盛り込まれており、マレーシア国外で命令違反行為が行われた場合、国内と同様にマレーシアの国籍を問わず告発することができるとなっている。
独立ジャーナリスト・センター(CIJ)は、対象となる「デマ情報」が法律によって明確に定義されておらず、恣意的逮捕、捜査、容疑者に対する弾圧に繋がりかねないと指摘。連邦憲法および国際基準に定められている表現と言論の自由の基本的規範に反するものだと批判し、命令の即時撤回を求めた。

 

「ワクチンパスポート」、通産相がASEAN会議で提案

【クアラルンプール】 アズミン・アリ通産相は10日、同省の会議で、最近開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)非公式外相会議で「ワクチンパスポート(旅券)」の導入を提案したと明らかにした。

新型コロナウイルス感染症Covid-19のワクチン接種を受けた人の、ビジネス目的での域内移動を許容するもので、アズミン氏は「加盟国外相は提案に前向きだ。各国は実施方法の検討に入っている」と語った。

アズミン氏はさらに、ワクチン接種を受けるのは国民としての義務と断言。「ソーシャルメディアに掲載されている、でっち上げの主張には耳を傾けないことだ」とワクチンの必要性を訴えた。

速やかに接種を受ける国民が増えれば、それだけ国内経済の回復も早くなるという。

(マレー・メイル、3月10日)

ムヒディン政権に「満足」は38.43%=共同世論調査

【クアラルンプール】 華字紙「星州日報」とマレー語紙「シナル・ハリアン」がそれぞれの読者を対象に共同実施した、過去1年間のムヒディン・ヤシン首相率いる国民同盟(PN)政権に関する評価調査で、総合では「満足」が38.43%にとどまり、「不満」が61.57%で大きく上回った。
同調査はPN政権誕生から1周年を迎えるのに合わせて2紙が実施したもので、ブミプトラ(マレー人および先住民族の総称)1万3,032人、華人7,783人、インド系1,434人、サバ・サラワク先住民1,778人、その他96人の合計2万4,370人から回答を得た。ムヒディン政権に対する1年間の評価は10点満点で平均4.3点にとどまった。
政府に早急に求めることについては、トップは「短中長期的な経済振興目標設定」で、「成績不良の閣僚の交代」、「国会再開・審議の実施」、「信任・不信任案の採決」、「非常事態宣言解除による内外投資家の信頼回復」が続いた。
景気回復の取り組みについては、「不満」は59.71%に上り、「満足」は22.26%にとどまった。政府の支援策が役に立ったかとの質問では「はい」は35.16%にとどまり、「いいえ」が20.46%、「あまり役に立たない」が44.08%となった。
政府のコロナ対策についての評価は10点満点で4.36点にとどまった。「成功した」は10.52%にとどまり、「ワクチン接種が始まった中でまだ収束していない」は45.75%、「失敗」も43.73%あった。
ただコロナ禍が年内に収束するとの見通しについては「やや楽観」が33.6%、「楽観」が21.97%で、「楽観していない」は30.28%、「悲観的」も14.1%あった。今年1月に発令された非常事態宣言については、63.41%が「不要」と回答した。
(星州日報、シナル・ハリアン、3月11日)

経済協力では人材育成に軸足、単独会見で岡大使

【クアラルンプール】在マレーシア日本大使館の岡浩大使はは英字紙「スター」との単独会見に応じ、東京五輪、日本・マレーシア協力の将来など多様な質問に応じた。
開催中止の恐れもある東京五輪について岡氏は、日程、開催場所はすべて確定しており、安全に主催するための準備を日本は進めていると言明した。3都市がマレーシアのホストタウンとして選手を歓迎する。
昨年の日本経済は4.8%縮小し、今年の成長も脆弱とアナリストは見ているが、日本は世界経済の成長をけん引できるかとの質問に対し、岡氏は、コロナウイルス後の持続的経済回復を主導するのは民間セクターだと指摘。東アジア包括的経済連携(RCEP)協定が貿易・投資促進で重要な役割を果たすとし、早期発効に期待を表明した。
教育面の協力では23年に、筑波大学のマレーシア校がマラヤ大学内に開設される。日本の大学の海外校は初めて。
(ザ・スター、3月8日)

州跨ぎの移動禁止、早ければ18日にも解除=保健相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アダム・ババ保健相は5日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が制御可能なレベルまで下がった場合、早ければ3月18日にも州を跨いだ移動禁止令を解除することになると述べた。
アダム・ババ氏は、同省として州を跨いだ移動を認めるよう政府に提案する予定だとした上で、リバウンドを避けるために昨年行なったような全面的な自由化にはならないと言明。州を跨ぐ移動の制限が感染拡大防止に有効であることは確認しているとし、制限解除の場合には過去1年間の経験を活かして慎重に行なう考えを示した。
またアダム・ババ氏は、先ごろ保健省のノール・ヒシャム事務次官が集団免疫を獲得するまで公衆衛生の標準的運用手順(SOP)や移動制限を緩めることはないと発言したことに言及。「それは最大限の方策であり、我々は生活や生計とのバランスをとるために早めに行なう」と述べた。
3月5日よりセランゴール、ジョホール、ペナン州とクアラルンプール(KL)の3州1都を対象に行動制限令(MCO)が条件付き行動制限令(CMCO)に緩和され、大部分の地域でCMCOもしくは復興に向けた行動制限令(RMCO)となったが、地区間の移動は認められるようになったものの州を跨いだ移動は依然禁止されている。

 

ビジネス目的の入国、申請受け付けを開始へ

【ペタリンジャヤ】マレーシア投資開発庁(MIDA)は3日、ビジネス目的の入国を希望する旅客の申請を処理するポータルサイト「マレーシア・セーフ・トラベル」を同日、立ち上げたと発表した。
マレーシアで事業活動を行いたい人の速やかな入国を実現するためのワンストップサービスで、短期滞在目的の入国希望者は出発から14日前の申請が必要。
短期入国者には、投資家、既存事業体の経営者や首脳、緊急に必要とされる技術者が含まれる。マレーシア入国後は隔離を免除される可能性がある。
長期滞在は14日以上の滞在で、こうした旅客には、就労査証を持つ駐在員、マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)の査証所持者が含まれる。入国に際し隔離を義務付けられる。
(フリー・マレーシア・トゥデー、3月3日)

半島部からボルネオへの移動、上級相が新要件を発表

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は4日、半島部から東マレーシアへの移動する際の最新の要件を明らかにした。警察からの許可取得のほか、渡航3日前の感染検査陰性が条件になる。サバ州の場合は到着後の隔離は不要だが、サラワク州の場合は到着後14日間の隔離が必要となる。

サバ・サラワク州から半島部に向かう場合は検査は不要。サバ州からサラワク州もしくはラブアンに入る場合は、3日前の検査が必要。サラワク州からサバ州・ラブアンに入る場合は3日前の検査が必要となる。

サブリ上級相はまた、州を跨いだグリーンゾーン間の移動を認めるかどうか国家安全委員会(NSC)が検討に入ったことを明らかにした。ただし移動途中でイエローゾーンやレッドゾーンを通過する場合など様々な状況について考慮する必要があるという。

州を跨いだ移動は禁じられているが、サブリ上級相は先ごろ、許可する条件として保健省が行なうリスク評価の対象として新規感染者数が二桁になることだと述べていた。

(中国報、星州日報、3月4日)

ムヒディン政権発足1周年、「コロナ収束後に解散総選挙」

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相は1日、国民同盟(PN)政権発足1周年にあわせてテレビ演説し、新型コロナウイルス「Covid-19」が収束した段階で直ちにアブドラ国王に議会解散を提案する意向を改めて示した。
ムヒディン首相は、議会が解散されれば結果として総選挙が開催されることになると言明。新型コロナが収束するまでの政府の重点課題は健康と経済危機の二重の課題を克服することであるとし、それまで内閣は能力の及ぶ限り我々の義務と責任を遂行し続けると述べた。
ムヒディン首相は議会開催を阻む非常事態宣言について、あくまで8月1日までの一時的なものだと強調。これまで交付された政令は「2021年緊急(基本権限)命令」、「2021年緊急(労働者の住宅および設備の最低基準)命令」、「2021年緊急(感染症の予防と管理)(改正)命令」の3つだけだとし、「私は民主主義の意味を理解している。政権を永続化するような政令は一つもだしていない」と強調した。
またムヒディン首相はPN政権の過去1年間の成果について、新型コロナ対策として「命を守る」及び「生計を維持する」ことに注力してきたと強調。行動制限令(MCO)や3,050億リンギの経済対策など大胆な政策をとってきたとし、最前線の医療関係者や官民、一般市民の支持を受けてここまで乗り越えることができたと述べた。