交通安全研究所がEVの安全指針発表、緊急時対応を説明

【クアラルンプール】 マレーシア交通安全研究所(MIROS)は15日、電気自動車(EV)の緊急事案に関する安全確保のための指針を発表した。

アンソニー・ローク運輸相によると、指針は▽EVインシデント管理のための道路利用者と公共の安全に関する指針▽高圧EV評価手続き▽EV衝突試験所の安全指針--の3つ。EVインシデントは、爆発、感電、火災などを招く恐れがあり、そうした緊急時の対処法を、一般人が理解しやすい簡明な表現で示しているという。

MIROSは東南アジア諸国連合(ASEAN)で際立った車両試験所と認識されており、指針はマレーシア国内だけを意図したものではなく、域内各国の交通安全当局による採用も期待している。

EVインシデント管理の指針では、車両火災などに際し、その場にいる最初の対応者がどう行動すべきかを説明している。衝突試験所の安全指針では、試験所がASEAN自動車安全評価プログラム(NCAP)の条件を満たすことを求めている。
(ザ・スター電子版、エッジ、ベルナマ通信、11月15日)

今季の北東モンスーン期、降雨量が20 -40%増の恐れ

【クアラルンプール】 マレーシア気象局によると、5日に始まった今季の北東モンスーン期の降雨量がマレーシア半島東海岸諸州とサバ州北部および東部で昨年より最大40%増加する見通しだ。北東モンスーンとラニーニャ現象(海面水温が平年より低い状態が続く現象)が同時に発生したためだという。

モハメド・ヒシャム・モハメド・アニプ局長は、「昨年は北東モンスーンがエルニーニョ現象(海面水温が平年より高い状態が続く現象)と重なり、通常より乾燥した天候となった。しかし今年はラニーニャ現象が起こり、ほとんどの長期予報では昨年より降雨量が20―40%多くなると予想されている」と述べた。

その上でモハメド・ヒシャム氏は、マレーシアのラニーニャ現象については最新の研究では弱ー中程度で推移すると予想されているとし、「現在の予測モデルではラニーニャ現象は当初予測ほど強くないことが示されている。数カ月前は中程度と予想されていたが現在は弱まっているようで、大きな影響はないかもしれない」と述べた。
(ザ・サン電子版、ボルネオポスト、ベルナマ通信、11月7日)

ホンダマレーシア、「シビック」など3万6千台をリコール

【クアラルンプール】 ホンダ・マレーシアは6日、電動パワーステアリング (EPS) のギアボックスに不具合があったとして、Cセグメントセダン「シビック」と「シビック・タイプR」、コンパクトSUV「CR-V」の計約3万6,000台をリコールすると発表した。

対象となる車種(年式)は、シビック(2022ー2024年)▽シビック・タイプR(2023ー2024年)▽CR-V(2024年)。EPSギアボックスに関し、歯車(ウオームホイール)の潤滑剤の膜厚が減少し、ステアリングの異音や固着を引き起こす可能性があるという。

同社の全額負担で、部品を交換して対応する。交換部品は2024年12月から段階的に利用可能で、同社は各車両の所有者に対し、お詫びとともに、早期の点検の予約を呼びかけている。また、ほかの車種のギアボックスには影響ないとしている。
(ポールタン、ビジネス・トゥデー、11月6日)

道路交通局、プロドゥアとホンダ二輪車のリコールを公表

【クアランプール】 道路交通局(JPJ)は4日、ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)の2車種5バリアントと、ホンダの二輪車1車種のリコール情報を発表した。

対象となるのはいずれも2024年式で、プロドゥアのコンパクトMPV「アルザ」の▽X▽H▽AV――の3バリアント計2,518台と、コンパクトSUV「アルス」の「X」及び「AV」の2バリアント計1,139 台、ホンダ二輪車「CB350RS」の65台。

プロドゥア車に関してはヘッドライトの照射高が仕様基準を満たしていないためで、ホンダ車はスピードセンサーの不具合によりスピードメーターの読み取りが不正確になるほか、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)やトラクションコントロールが誤作動する恐れがあるためだという

各メーカーが対象車両所有者の費用負担なしで点検と修正を行う。
(マレーシアン・リザーブ、11月4日)

北東モンスーン期に突入、3月まで大雨に警戒を=気象局

【クアランプール】 マレーシア気象局は、5日から北東モンスーン期が始まると発表。来年3月までの間に大雨が5―7回発生することが予想されるとしている。

大雨となる可能性が高い州として、11―12月にかけての北東モンスーンの初期段階では、クランタン、トレンガヌ、パハン、ジョホール、サラワク、サバの各州、2025年1―2月にかけては、パハン、ジョホール、サラワク、サバの各州を挙げた。

ただし、低気圧と重なる場合などは、他州でも大雨をもたらす可能性があるとして、警戒を呼びかけている。

一方、2025年1―3月の北東モンスーン期の終盤は、マレー半島北部の降雨量が減少し、暑く乾燥した天候につながりやすく、熱波が発生する可能性がある。しかし、低温傾向や降水量の増加などの影響を東南アジアにもたらす「ラニーニャ現象」が年末から2025年半ばまで続くと予想されるため、気象条件は2024年ほど厳しくない見込みだ。
(ベルナマ通信、11月1日)

政府、27年までに初の国産ハラルワクチン2種を生産

【クアラルンプール】 マレーシア政府は、科学技術革新省の主導と資金提供の下、2027年までに初の国産ハラル(イスラムの戒律に則った)ワクチン2種を生産する予定だ。マレー語紙「ウトゥサン・マレーシア」が同省のアミヌディン・ハシム事務次官の話として報じた。

初の国産化を予定しているワクチンの一つは、無細胞百日ぜきと不活化ポリオ抗原を含む六価ワクチン。もう1つはマレーシア初の肺炎球菌結合型ワクチンで、肺炎の主な原因である肺炎球菌の13の血清型(タイプ)から人体を保護する。これら2種のワクチンで▽ジフテリア▽破傷風▽百日ぜき▽ポリオ▽ヘモフィルスインフルエンザb型(Hib)▽B型肝炎――の6種類の病気を防ぐことが可能になるという。2種のワクチンは、技術移転を通じた国際的パートナーの協力のもとで地元企業によって開発される。

アミヌディン氏は、マレーシアにおけるハラルワクチン開発研究はもっと注目される必要があると指摘。取り組みを強化するために同省では研究開発助成金を出し、産学の戦略的協力を促進を図っていると述べた。

(マレーシアン・リザーブ、9月30日)

24日午後に首都圏の広範囲で断水が発生、河川汚染で

【クアラルンプール】 24日午後、首都圏の広範囲で断水が発生。水道会社アイル・セランゴールは、アクリル加工工場のタンクからセランゴール州の河川に廃棄物が混入したことにより、浄水場4カ所が一時的に操業を停止したことによるものと発表した。

アイル・セランゴールは、病院・診療所、人工透析センター、葬儀場を中心に給水車を派遣した。同日午後6時には浄水場1カ所が操業を再開し、午後9時には残り3カ所も再開したが、断水からの復旧は段階的になる見通しで、25日午前8時時点で約40%、午後8時時点で90%、完全復旧は26日午前8時になるという。

セランゴール州の公衆衛生環境委員会のジャマリア・ジャマルディン委員長は、河川を汚染したアクリル加工工場に対して調査を行い、断固とした措置を取るとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、ザ・バイブス、7月23日、アイル・セランゴール発表資料)

15日付けで新型コロナの自宅隔離義務を廃止=保健省

【クアラルンプール】 保健省(MOH)は5日、15日付けで新型コロナウイルス(Covid-19)感染に関する在宅監視命令(HSO)およびマスク着用ガイドラインを更新すると発表した。

15日以降、新型コロナに感染した場合は他の呼吸器感染症と同等の扱いとなる。具体的には、自宅隔離の必要はなくなり、HSO証明書も発行されなくなる。「MySejahtera」アプリでの報告も必要ない。ただし、感染者が外出する場合には他人との密接な接触を避け、症状が続くか悪化する場合には、最寄りの医療機関で検査を受けるよう推奨されている。

フェイスマスクの着用義務もなくなり、新型コロナが陽性の場合、換気の悪い混雑した場所で咳などの症状がある場合、医療施設における医療従事者に対してのみ着用が推奨される。

マレーシアでは、新型コロナの新たな変異株は検出されておらず、 現在流行しているのはオミクロン変異株。感染者数も6月23―29日の週は3,810人と、年初の1万7,256人から大幅に減少し、死者数もゼロとなっている。
(マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、7月5日)

詐欺対策センターへの通報は3.7万件、被害総額は2億リンギ

【クアラルンプール】 国家詐欺対策センター(NSRC)は、今年5月までに詐欺被害者から3万7,002件の通報を受け、被害総額は2億333万リンギに上っている。アンワル・イブラヒム首相が4日の下院質疑で明らかにした。

アンワル首相によると、NSRCに寄せられた電話件数は、2022年10月のNSRC設立以来9万5,094件に達し、警察は刑法第420条に基づき、詐欺に当たるとして1万649件の捜査を開始したという。マネーロンダリングは74件で、637口座、総額7,238万リンギが凍結された。

NSRCとマレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)は、詐欺師が使用していた電話番号のブロックや停止も行っており、今年5月までに詐欺行為に関与または使用されているとして、合計131の電話番号が廃止され、112の疑わしい電話番号がブロックされた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、ベルナマ通信、7月4日)

サバ海域では基準値超える放射性物質は検出されず=UMS

【コタキナバル】 マレーシア・サバ大学(UMS)ボルネオ海洋研究所のファイハンナ・チン・アブドラ所長は、サバ州海域で基準を超えた放射性物質は検出されていないと指摘。福島第一原子力発電所のALPS処理水の海洋放出後も同州海域は安全だとして心配しないよう州民に呼びかけた。

10日に行われた「核の安全な使用」と題するイベントの開幕式に出席したファイハンナ氏は、国内海域の放射能レベルを監視するために、同州セパンガルのUMS桟橋にはガンマ線スペクトル水監視ステーション(GSWMS)が設置され、昨年、UMSと科学技術革新省が放射能レベルを監視したが、基準を超える放射性物質は検出されなかったと言明。水産業の拠点であるサバ州にとってこれは喜ばしいことだと述べた。

ファイハンナ氏はまた、福島原発処理水の最初の放出は事故から11年経った2023年だったが、放射線レベルは極めて低く、安全基準値の50分の1以下だったと指摘。「排水が太平洋に放出されると、すべて海水に混じるが、福島からサバ州に届くまでには、かなりの時間が必要になるだろう」と述べた。

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、マレーシア保健省は先ごろ、高リスクとされた日本食品に対する検査レベルについて、放水開始前の水準である「レベル3(モニタリング検査)」に戻した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月11日)