エアアジアXマレーシア、第3四半期の座席利用率が80%に

【クアラルンプール】 キャピタルA傘下の中距離格安航空のエアアジアX(AAX)マレーシアは、2023年第3四半期(7ー9月)の座席数は前年同期比で約9.2倍の101万4,432席となり、有償座席利用率(PLF)が7ポイントアップし80%となったと明らかにした。

第3四半期の旅客数は80万7,004人で、前年同期の8万493人から約10倍となった。有効座席キロ(ASK)は44億1,200万座席キロとなり、前年同期比で11.9倍となった。有償旅客キロ(RPK)は34億5,200万旅客キロとなり、13.4倍となった。離着陸回数は1.3倍の4,373回。機材数はエアバスA330型機17機となり、前年同期比8機増加した。

エアアジアXマレーシアは、第3四半期にはインド2路線目となるアムリトサル線、中国4路線目となる成都線を開設。運航便数は、前年同期の週23便から週114便に急増した。前期比でも19%の増加となった。
(マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、10月24日、エアアジアX発表資料)

ユニファイが5Gダウンロード速度で世界首位に=調査

【クアラルンプール】 調査会社の英オープンシグナルが発表した「2023年度5Gグローバル・モバイル・ネットワーク・エクスペリエンス・アワード」によると、「グループI」の「5Gダウンロード速度」指標でマレーシアのユニファイが、スウェーデンのテレノールと並び首位となった。

同アワードは、「5Gの可用性」、「5Gダウンロード速度」、「5Gゲーム体験」、「5Gビデオ体験」という4つの指標から5G体験についてランキングしたもの。国土の大きさにより5G展開の難易度が異なるため、国土面積が20万平方キロメートルを超える国・地域である「グループI」とそれ以下の「グループII」に大別し、ランク付けを実施した。マレーシアやスウェーデン、日本などは「グループI」に属している。

ユニファイとテレノールの5Gダウンロード速度は、ともに407.4ー421.7メガビット/秒(Mbps)だった。マレーシアのDigiも、384.1Mbpsで4位となった。Digiは「5Gゲーム体験」では日本のソフトバンクと並んで首位に立ち、100点満点で89.7ー90.2点を獲得。セルコムが89.3点で3位、ユーモバイルが88.3点で4位となった。

オープンシグナルは、5Gが本格的に導入されている国・地域では、4Gと比較して平均ダウンロード速度が3ー6倍向上し、動画ストリーミングやゲーム体験も顕著に向上していると説明。ユニファイのダウンロード速度の向上は、5G時代におけるマレーシアの進歩を示しているとした。
(マレー・メイル、10月19日、オープンシグナル発表資料)

22年の合計特殊出生率、過去50年間で最低の1.6人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 統計局は17日、2022年の人口動態統計を発表。2022年の合計特殊出生率(TFR)は、15から49歳の女性1人あたり1.6人となった。前年の1.7人から低下し、過去50年間で最低となった。

人口を長期的に一定に保つための人口置換水準はマレーシアでは2.1人だが、1970年から2012年までは水準を上回っていたものの、2013年から水準を満たさない状況が継続している。

民族別ではマレー系の出生率が最も高く、2.1人。一方、華人の出生率は全民族中最低の0.8人となった。州・地域別では、トレンガヌ州(2.9人)、クランタン州(2.7人)、パハン州(2.1人)を除き、すべての州・地域で出生率が人口置換水準を下回った。

2022年の出生数は42万3,124人で、2021年の43万9,744人に比べ3.8%減少した。そのうち男児が21万8,345人、女児が20万4,779人だった。州・地域別では、セランゴール州がトップで8万3,658人だった。死者数は20万6,525人で、前年比8.0%減少した。男性が11万7,790人、女性が8万8,735人だった。死者数もセランゴール州が1位となり、3万2,861人が死亡した。

9月の輸出高は1244.8億リンギ、前年比13.7%減少

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)の発表(速報値)によると、2023年9月の輸出高は1,244.8億リンギとなり、前年同月から13.7%減少したが、前月からは8.2%増加した。

輸入高は999.5億リンギで、前年同月比で11.1%マイナスとなったが、前月比では2.1%のプラスとなった。貿易高は2,244.3億リンギとなり、前年同月からは12.6%減、前月からは5.4%増。貿易黒字は前年同月比23.0%減少、前月比42.7%増加の245.2億リンギとなり、41カ月連続で黒字を維持した。

輸出先を国・地域別で見ると、シンガポールがトップとなり、2ー5位は中国、米国、香港、日本の順となった。日本への輸出額は73.5億リンギで、前年同月比マイナス25.4%となった。液化天然ガス(LNG)や精油製品、電気・電子(E&E)が減少したことが響いた。シンガポール向けの輸出も前年同月比で12.0%減少。2位の中国と3位の米国はそれぞれ17.3%、9.3%マイナスとなった。品目別ではE&Eが544.0億リンギで最も多く、これに精油製品、パーム農産物の順となった。

輸入先は中国がトップで、これにシンガポール、米国、台湾、日本の順となった。日本は前年同月比21.0%マイナスの56.0億リンギ。品目別では、E&Eが310.8億リンギで最も多く、2位は精油製品、3位は化学製品だった。

1ー9月の輸出高は1兆595.6億リンギで、前年同期比で8.4%減少した。輸入は8,822.4億リンギとなり、8.9%のマイナス。貿易額全体は1兆9,418.1億リンギで、8.6%減少し、貿易収支は1,773.2億リンギの黒字となり、5.7%のマイナスとなった。

グローバル年金指数ランキング、マレーシアは前年から低下

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 組織・人事マネジメント・コンサルティングの米マーサーは、CFA協会と共同で、「第15回マーサーCFA協会グローバル年金指数(MCGPI)」 を発表。マレーシアの年金制度に対する指数は56.0と前年から低下し、CプラスからCに格下げされた。

マーサーによると、今回の結果はマレーシアにとり2017年以来最悪の結果で、純所得代替率が大幅に低下したことが主な原因と考えられるという。アジアではマレーシアと香港(指数64.0、格付けCプラス)のみが前年よりも低下した。

首位はオランダ(85.0、A)、2位はアイスランド(83.5、A)、3位はデンマーク(81.3、A)だった。東南アジアでのトップはシンガポール(76.3、Bプラス)。日本は指数56.3で格付けCという結果となった。

グローバル年金指数は、世界各国の年金制度の弱点を浮き彫りにし、より充実した、持続可能な年金給付を提供するために改革すべき領域を示したもの。2023年度は、全世界の47の退職所得制度を比較し、世界人口の65%をカバーしている。各国の制度の総合指数は、「十分性」、「持続性」、「健全性」に大別される50以上の項目から構成され、これら3つのサブ指数を加重平均して算出している。

ICTとEコマース、昨年のGDPへの寄与率は23%=統計局

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 統計局は、2022年の情報通信技術(ICT)および電子商取引(Eコマース)に係るサテライト勘定を発表した。ICTとEコマースの国内総生産(GDP)への寄与率は23.0%で、金額にして4,123億リンギとなり、前年の3,593億リンギを上回った。

ICT産業の粗付加価値(GVAICT)は、2,437億リンギとなり前年比で12.4%増加した。内訳は、ICTサービスが41.9%、ICT製造が38.4%、ICT貿易が14.0%、コンテンツ・メディアが5.7%となった。

EコマースのGVAICTは2,391億リンギで前年比18.9%増加した。GDPへの寄与率は13.3%だった。

ICT製品の輸出高は4,445億リンギとなり、前年から24.9%増加し、輸入高は3,088億リンギとなり18.5%増となった。

ICT産業の雇用者数は122万人で、前年比1.0%増加し、国内全体の7.9%を占めた。内訳はICT製造が36.1%、ICTサービスが29.3%、ICT貿易が21.7%となった。

格付のMARC、来年のマレーシア経済成長を4ー5%と予想

【クアラルンプール】 格付会社のマレーシア・レーティング・コーポレーション(MARC)は、2024年のマレーシア国内総生産(GDP)について、4.2%成長すると予想される(今年は1.4%と予想)製造業が牽引役となって4ー5%成長するとの予想を示した。

MARCは、政府が今年発表した、化学産業ロードマップ(CIR2030)、国家エネルギー移行ロードマップ(NETR)、新産業マスタープラン(NIMP2030)などの経済計画と並行して、産業空洞化への懸念の中にあって、2024年度予算案では高成長・高価値 (HGHV) 分野のさらなる開発を目指していると指摘。再投資に対する税制優遇措置、投資家向けのビザ自由化計画、技術・職業教育と訓練に対する産業界の理解促進、電気・電子製品向けの新たなハイテク産業集積地域の開発などの取り組みにより、HGHV化実現への期待が高まるだろうと述べた。

またMARCは、開発目標と同時にマレーシア政府が自動化促進のための税制優遇措置の拡大、テクノロジーを活用した外国人労働者への依存軽減の奨励、起業家育成、人的資本の向上、インフラ投資を通じた実質生産性の向上に引き続き取り組んでいると指摘した。
(ベルナマ通信、10月16日)

オンラインバンキングの不正取引被害件数は58%減少=中銀総裁

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ・マレーシア(BNM)のアブドル・ラシード総裁は3日、国家詐欺対策センター(NSRC)に寄せられたオンライン・バンキングの不正取引被害件数が、過去5カ月間で58%減少したと明らかにした。

金融犯罪・テロ資金供与に関する国際会議でアブドル総裁は、金融詐欺を防ぐため2022年12月に開始した5つの対策が奏功したとした上で、2022年10月に発足したNSRCには、1万9,000件以上の詐欺被害に関する報告が寄せられ、4万3,000件の「マネーミュール口座」(オンライン・バンキングで不正に引き出した現金を犯人等に送金するために利用される口座)を特定し、6,000万リンギ以上の資金が凍結されたと明らかにした。

今後について、アブドル総裁は、特定、報告、資金の回収までのプロセスを合理化するために「国家詐欺ポータル」を2024年半ばまでに立ち上げると発表した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、9月4日、マレー・メイル、9月3日)

世界の金融包摂指数ランク、マレーシアは18位に上昇

【ペタリンジャヤ】 「2023年世界金融包摂指数」(調査対象・世界42カ国・地域)ランキングで、マレーシアは前年の20位から2ランクアップして18位となった。

世界金融包摂指数は、総合金融機関のプリンシパル・ファイナンシャル・グループと経済ビジネス研究センターが毎年発表しているもので、経済活動に必要な金融サービスをあらゆる人々が利用できるようにする金融包摂について、公的データや調査結果に基づき、3つの柱(政府、金融システム、雇用者支援)によって42市場をランクづけしたもの。

マレーシアは、「政府支援」で22位(前年は24位)、「金融システム支援」で17位(同23位)と上昇し、「雇用者支援」は前年と同じ5位を維持した。1位はシンガポール(同1位)、2位は香港(同4位)。日本は27位(同22位)だった。

プリンシパル・マレーシアのムニラ・カイルディン代表兼最高経営責任者(CEO)は、マレーシアがランキングで上昇し、金融包摂を実感する人の数が増えているのは心強いとし、デジタル化の推進でさらに金融包摂を進められると言明。プリンシパルもイーウォレット・ソリューションの提供でデジタル化に参加できるのを誇りに思うとし、今後も金融ツールへの認識を広げるために活動を続けていくと述べた。
(ザ・スター、10月4日、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、10月3日、プリンシパル発表資料)

世界イノベーション指数、マレーシアは36位を維持

【クアラルンプール】 世界知的所有権機関(WIPO)のグローバル・イノベーション・インデックス(GII)2023年版で、マレーシアの総合スコアが昨年の38.7から40.9まで上昇し、前年に続き132カ国中36位を維持した。

首位は前年に続きスイスで、日本は13位(前年13位)、東南アジアで最も上位に位置したのはシンガポールで5位(同7位)だった。GIIは132カ国のイノベーション動向を80の指標により追跡したもの。

科学技術イノベーション省(MOSTI)は、マレーシアは7つの項目のうち「制度」、「人的資本と研究」、「市場の高度化」、「ビジネスの高度化」、「知識と技術のアウトプット」でスコアが改善したとし、また、高中所得国36カ国から構成される「最も革新的な国」カテゴリーにおいては、中国に次ぐ2位となり、サブ指標の「ハイテク輸出」と「創造的商品輸出」でトップを維持し、「理工系学部卒業生」ではトップになったと述べた。

MOSTIは今後、第12次マレーシア計画の中間レビューで掲げられた目標「2025年までにGIIで上位30カ国入り」の達成を目指すとし、▽商業化の可能性のあるイノベーションの知的財産(IP)登録の促進▽国家惑星健康行動計画の起草▽地元の新興企業エコシステムに向けた市場情報の提供▽科学技術・イノベーション人材に関する特別委員会の設立提案の策定ーーなどに取り組んでいくとしている。
(ザ・サン電子版、マレー・メイル、ベルナマ通信、9月28日、WIPO発表資料)