マレーシア人平均寿命は74.8歳、コロナの影響脱し前年上回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】  統計局の発表によると、マレーシアで2023年に生まれた新生児の平均寿命は推定74.8歳で、2021年の74.0歳、また新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大の影響で低下した2022年の73.8歳よりも長くなった。

男女別では男性の平均寿命は72.5歳で、前年の71.5歳から上昇。女性も77.4歳で前年の76.4歳から長くなった。女性の方が男性に比べて4.9歳長生きすると予想されている。

民族別でみると、華人が最も平均寿命が長く、女性が80.2歳、男性が74.4歳。ブミプトラ(先住民族の総称)の女性が75.9歳、男性が71.4歳、マレー系の女性が76.4歳、男性が71.5歳、インド系の女性が75.9歳、男性が67.6歳となるという。

州・地域別で、男女を合わせた平均寿命が全国平均を超えるのは、▽セランゴール州(78.1歳)▽クアラルンプール(76.5歳)▽ラブアン(76.1歳)▽プトラジャヤ(75.3歳)▽サラワク州(74.9歳)ーーだった。一方で、トレンガヌ州は71.2歳で最も平均寿命が短くなる見込みだ。

データ漏洩件数が過去最高に、年初6カ月で130件

【クアラルンプール】 マレーシアでは今年、データ漏洩の件数が過去最高を記録し、主にランサムウェア攻撃を含む事例が週に15件報告されており、年間では数百万リンギの損失をもたらしている。

個人情報保護局(PDPD)のモハマド・ナズリ・カマ局長は、今年年初6カ月で130件の報告を受けたとし、2016年から着実に増加を続けていると述べた。週15件のうち5件は個人情報漏洩に関係しているという。

モハマド・ナズリ局長は、件数の増加は様々な要因によるものだが、ランサムウェアの増加が目立っていると述べた。ランサムウェアは、ファイルを利用不可能な状態にし、元に戻すことと引き換えに身代金を要求するもの。ソフトウェアやOSなどのアップデートがなされておらず、その脆弱性を突かれているという。

モハマド・ナズリ局長はまた、機密情報の偶発的な漏洩、パスワードの脆弱性、フィッシング攻撃、内部関係者の誤用、データを持ち運ぶデバイスの物理的な盗難など、人的要因も重要な役割を果たしていると強調。犯罪者が痕跡を消してしまうため、データ漏洩元を特定するのが難しく、2016年から現在に至るまでデータ漏洩で罰金を科されたのは15社のみであるとした。そのため、「2010年個人データ保護法(PDPA)」の順守を証明する「PDPD登録証明書」を有する企業にのみ個人情報を提供することで、データが悪用されたり盗まれたりするリスクが減らせると消費者にアドバイスしている。
(マレー・メイル、9月21日)

マレーシア人訪日者数、8月も大幅増の1万9200人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2023年8月の訪日者数統計(推計値)によると、マレーシアからの訪日者数は1万9,200人となり、前年同月比で8.5倍、前月比で10.3%増となった。

JNTOによると、日本の水際規制緩和、学校休暇の影響もあり、訪日外客数は大幅に増加した。また、2019年同月比ではマイナス3.2%となった。コタキナバルー成田間の復便、クアラルンプールー関西空港間の増便などもあり、日本への直行便数は前年同月に比べ回復傾向にある。

1ー8月では23万900人となり、前年同期比で26.8倍となったものの、2019年比では17.7%減となった。

8月の世界全体の訪日者数は、前年同月から12.7倍の215万6,900人となったが、2019年同月からは14.4%減となった。年初8カ月では1,518万9,900人となり、前年同期比18.5倍、2019年比マイナス31.4%となった。

JNTOは、新たな観光立国推進基本計画等を踏まえ、観光立国の復活に向けて、観光地・ 観光産業について持続可能な形で「稼ぐ力」を高めるとともに、地方誘客や消費拡大を促進する必要があると指摘。国内関係者が連携し、海外旅行会社等へのセールス強化や情報発信を通じた高付加価値旅行、アドベンチャートラベルの推進、ミーティング、報奨旅行、国際会議、展示会(MICE)誘致等の取組を強化していくことが求められるとした。

毎日ワッツアップを利用するマレーシア人は71%=調査

【クアラルンプール】 市場調査会社のカジデータが7月に無作為抽出で1,082人を対象に実施した調査によると、マレーシア人の71%が毎日ワッツアップを利用しており、次いでフェイスブック(51%)、ティックトック(49%)、インスタグラム(45%)、X(旧ツイッター、30%)が続いた。インターネット利用に関しても、61%が「1週間を通してかなりの時間利用している」と回答した。

カジデータの顧問である、マレーシア国際イスラム大学(IIUM)のサイド・アラビ・イディド教授は、テレビ(利用率40%)やラジオ(同20%)といった伝統的なメディアは、ソーシャルメディアやインターネットの魅力に勝てないと述べた。

同じくカジデータの顧問である、ハリス・イスマイル氏も、この調査結果により、ソーシャルメディアが支持政党も含め人々に影響を与えるために広く使われていることがわかるとし、政党がオンラインでの存在感を高めることで、人種、宗教、王室に関する問題を利用した分裂を生み、それが8月に実施された、6州の州議会同時選挙の結果にも影響したと述べた。ブミプトラ(マレー系および先住民)や華人が党自体を支持する傾向が強かったのに対し、インド系やその他の民族の大半は候補者個人を支持する傾向にあり、この傾向は、候補者よりも党を優先する汎マレーシア・イスラム党(PAS)のような政党の支持者の間で特に顕著であるという。一方、ハリス氏は、ソーシャルメディアでの政党の表示回数の多さは、広告を利用するなど有料で行われているもので、政党の実際の力を正確に反映しているわけではなく、必ずしも政治的優位性を意味するものではないと述べた。
(ザ・スター電子版、9月17日、ベルナマ通信、9月16日)

8月の輸出高は1151.6億リンギ、前年比18.6%減少

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)の発表(速報値)によると、2023年8月の輸出高は1,151.6億リンギとなり、前年同月から18.6%、前月から1.4%それぞれ減少した。

輸入高は978.5億リンギで、前年同月比で21.2%、前月比で1.6%、それぞれマイナスとなった。貿易高は2,130.1億リンギとなり、前年同月からは19.8%、前月から1.5%共に減少。貿易黒字は前年同月比0.1%増、前月比0.3%減の173.1億リンギとなり、40カ月連続で黒字を維持した。

輸出先を国・地域別で見ると、シンガポールがトップとなり、2ー5位は中国、米国、日本、香港の順となった。日本への輸出額は74.3億リンギで、前年同月比マイナス19.3%となった。原油や金属製品が増加したものの、液化天然ガス(LNG)や精油製品、電気・電子(E&E)が減少したことが響いた。シンガポール向けの輸出も前年同月比で19.3%減少。2位の中国と3位の米国はそれぞれ20.3%、9.7%減となった。品目別ではE&Eが433.9億リンギで最も多く、これに精油製品、化学製品の順となった。

輸入先は中国がトップで、これにシンガポール、米国、台湾、日本の順となった。日本は前年同月比33.2%マイナスの51.9億リンギ。品目別では、E&Eが296.4億リンギで最も多く、2位は精油製品、3位は化学製品だった。

1ー8月の輸出高は9352.2億リンギで、前年同期比で7.6%減少。輸入は7822.9億リンギとなり、8.7%のマイナスとなった。貿易額全体は1兆7,175.1億リンギで、8.1%減。貿易収支は1,529.2億リンギの黒字となり、2.0%のマイナスとなった。

半導体企業の業績、下半期は改善の見通し

【クアラルンプール】半導体関連企業の業績は底を打つ可能性が高く、下半期には改善するとアナリストは予想している。7月の世界の半導体出荷額は前期比で5カ月連続して増加しており、世界半導体市場統計(WSTS)は2024年の世界半導体出荷額を前年比11.8%増の5,760億米ドルと予想している。

金融大手RHBの調査部門は、市場は来年の大幅な業績改善と新たな顧客獲得を織り込んでいると指摘する。

情報通信コンサルティング、トライデント・アナリティクスのピーター・リム最高調査責任者によれば、下半期に入り半導体業界の収益は徐々に改善している。この先、パソコン、通信機器、自動車関連の半導体メーカーは収益増が期待できるという。

RHBによれば、国内半導体関連企業の第2四半期の純利益は前年同期比48%の減少だった。内需志向の企業は堅調な需要に支えられたが、組立・テスト受託企業は工場拡張による稼働率の低下、固定経費の増加で、売り上げが減少し、利益率が縮小した。

半導体景気の下降サイクルは12カ月続いており、7月の世界半導体出荷額は前年同期比で12%減少した。7月までの今年の出荷額は同17.1%減の2,873億米ドル。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月14日)

74%が学歴を重視、26%が教育制度に不満=イプソス調査

【クアラルンプール】 国際マーケティング会社の仏系イプソス(Ipsos)が実施した調査によると、マレーシア人は、東南アジアの近隣諸国と比べて、学歴と高等教育資格を依然として高く評価し、人生の成功を左右する重要な要素と考えていることが分かった。

同社の「教育モニター」と題する、29カ国・地域を対象とした国際調査で、マレーシア人の74%が、「大学や専門学校の学位は計り知れない価値があり、人生の成功に不可欠である」ということに「強く同意する」と回答し、3位となった。世界平均は60%で、1位はインド(80%)、2位はシンガポール(79%)。日本は49%で、英国と並び9位だった。

自国の教育制度に対して「とても良い、やや良い」と回答したのは37%(世界平均は33%)、「とても悪い、やや悪い」が26%(同36%)、「どちらでもない」が36%(同29%)だった。一方、「自分が学生だった頃と比べて、教育制度が改善されている」と回答したのは41%だった(同30%)。

イプソス・パブリック・アフェアーズのシニア・リサーチ・マネージャーであるアザマット・アババキロフ氏は、マレーシア人の多くは、大学や専門学校の学位を取得することを人生の成功における重要な要素として重視しており、自国の教育制度に大きな期待を寄せているため、60%以上が最適な状態ではないと評価しているとし、教育の質には改善が見られるものの、技術活用が限られていること、教育の不平等、不十分なインフラ、時代遅れのカリキュラムなど、教育システムが直面している課題を認識していると述べた。

本調査は2023年5ー7月に、イプソスのオンライン調査プラットフォームを通じて実施され、29カ国から2万3,248人が回答。そのうちマレーシア人は500人だった。
(マレー・メイル、9月14日、イプソス発表資料)

フォーブスアジア注目の100社、マレーシアから6社が選出

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 フォーブス・アジアが発表したアジア太平洋地域の注目中小・新興企業100社を選出する「フォーブス・アジア注目の100社」で、マレーシアからは6社が選出された。

選出されたのは、▽ドローン・サービスのエアロダイン▽アグリテックのブームグロウ▽在宅ヘルスケアのケア・コンシェルジェ▽マーケティングのインボルブ・アジア▽卸売電子商取引のラパサ▽保険のポリシーストリートーー。選ばれた企業の中で、2,000万米ドル以上の資金を調達している企業は、エアロダイン(6,800万米ドル)とポリシーストリート(2,200万米ドル)の2社のみだった。

「フォーブス・アジア注目の100社」は、13カ国・地域の企業がバイオテクノロジー・ヘルスケア、電子商取引・小売、金融など11の産業に分類され選出された。
シンガポールからは21社が選出され最多となり、2番目が香港(15社)、3番目が中国(11社)だった。日本からは医療のアイ・ブレインサイエンス、製品レベルでの人権社会評価を実現するアイエスジー、AIのイデイン3社が選出された。

地区別の人口、最も多いのはセランゴール州ペタリン=統計局

【クアラルンプール =マレーシアBIZナビ】 統計局が発表した2023年の地区別人口動態調査によると、最も人口が多かったのはセランゴール州ペタリンで、230万人だった。

2位はジョホール州ジョホールバル(180万人)、3位がセランゴール州ウル・ランガット(150万人)となった。

人口の増加率が最も高かったのは、サバ州カラバカンで、13.4%増加した。2番目と3番目も同じくサバ州で、センポルナが11.7%、クナクが11.5%それぞれ増加した。

民族別では、ブミプトラ(マレー人と先住民の総称)が最も多いのはトレンガヌ州セティウで、比率は99.7%となった。華人系はペナン州のティムル・ラウの比率が68.9%でトップとなり、インド系はペラ州バガン・ダトゥクが23.2%で1位となった。

年代別では、0ー14歳が最も多いのはクランタン州ケチル・ロジン(比率35.3%)、15ー64歳が最も多いのはサラワク州セバウ(同80.2%)だった。また、60歳以上が最も多いのはサラワク州ルボク・アントゥ(同20.6%)で、65歳以上も同じくルボク・アントゥ(同14.4%)がトップとなった。

7月の航空旅客数が700万人超える、コロナ禍後初めて

【クアラルンプール=マレーシアBIZ】 空港運営会社、マレーシア・エアポーツ(MAHB)によると、2023年7月の国内空港における航空旅客数は前年同月比53.7%増の738.6万人となり、新型コロナウイルス感染拡大後初めて700万人を超えた。前月(697.7万人)からも5.9%増加した。

国際線は、前年同月から2.2倍の351.9万人となり、2019年7月の水準の75%まで回復。国内線も21.9%増加し386.7万人となり、2019年7月の85%まで回復した。スクールホリデーや、北半球の国々での夏休み、中国からの観光客数の段階的な回復、ハッジ(イスラム教の大巡礼)からの帰国者増加、新たな航空会社の乗り入れや航空各社による増便が国際線および国内線の旅客数増加に貢献した。

クアラルンプール新国際空港(KLIA)は427.7万人で、前年同月比プラス83.2%。国際線は2.1倍の294.8万人、国内線は38.9%増の132.9万人だった。

KLIAを除く国内空港は310.9万人となり、前年同月から25.8%増となった。国際線は2.2倍の57.1万人、国内線はプラス14.6%の253.8万人だった。

1ー7月の航空旅客数は4,631.4万人で、前年同期比84.7%増加。国際線が3.7倍の2,093.3万人、国内線は30.2%増の2,538.1万人だった。