2022年時点で109万事業所が営業=統計局

【クアラルンプール】 統計局は12月29日、2022年時点での国内総事業所数が120万事業所に達したと発表した。

2022年時点での稼働状況を2023年4ー9月に調査した「2023年経済センサス」によるもの。全事業所の86.6%にあたる109万事業所が営業中で、4.9%が営業を停止しており、8.5%が非営業状態だった。

営業中の109万事業所のうち、サービス業が87.1%(94万9,360事業所)を占めた。次いで▽建設業が6.5%(7万1,165事業所)▽製造業が5%(5万4,484事業所)▽農業が1.2%(1万3,271事業所)▽鉱業・採石業が0.1%(1,350事業所)ーーと続いた。

サービス業では、卸売・小売業が47.0%と最も多く、次いで飲食業(14.4%)、個人サービスその他(6.8%)となった。建設業では、特殊請負が36.5%と最多で、土木(22.7%)、非住宅(22.4%)がこれに続いた。製造業では、非金属鉱物製品・基礎金属・加工製品が19.0%と最も多く、次いで木製品・家具・紙製品・印刷物(17.9%)、食料品(17%)だった。農業部門では、農作物が69.8%と最多で、次いで畜産が15.1%、水産が10%となっている。

州・地域別では、セランゴールが25.3%でトップ。次いでクアラルンプール(13.8%)、ジョホール(11.4%)が続いた。
(ザ・サン、1月2日、ザ・スター、ベルナマ通信、12月29日)

アンワル首相のマダニ経済政策、82%が支持=UUM世論調査

【クアラルンプール】 マレーシア北部大学(UUM)が実施したアンワル・イブラヒム首相の「マダニ経済対策」に関する世論調査で、回答者の82%が30項目にわたるマダニ経済イニシアチブを支持していることが分かった。

「マダニ経済への取り組み:国民の受け入れ」と題する調査は、UUMが2つの非政府組織と協力して11月1日から12月4日まで行ったもので、登録有権者2,147万3,409人から無作為に選ばれた4,606人から回答が得られた。マダニ経済政策の方向性についても、83%が「支持する」と回答。アンワル首相の業績についても66%が「満足している」と答えた。

マダニ政策の中では、特に貧困層を支援する取り組みが最も多くの支持を集めた。パディベラス・ナショナル(ベルナス)に対し貧しいコメ農家に総額6,000万リンギを支援させることについては、96%が「支持する」と回答。「支持しない」は2%のみだった。極貧撲滅のためのイニシアチブについても、93%が「支持する」と回答。すでに 「慈悲(ラーマ)」一時金支給を受けている極貧世帯への上乗せ支援についても、93%が「支持する」と答えた。

また透明性と責任ある経済政策を目指すための財政・財政責任法案の導入については、94%が「支持する」と回答。腐敗行為を生み出す可能性のあるあらゆる隙間を排除するための制度改革と優れた統治を実施する取り組みに対しては、93%が「支持する」と答えた。
(マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、12月8日)

第3四半期のデータ漏洩数、マレーシアはワースト8位=調査

【クアラルンプール】 サイバーセキュリティのオランダ企業サーフシャークは、「2023年第3四半期データ漏洩統計」を発表。マレーシアは、今年第3四半期に49万4,699件の個人データが流出し、世界ワースト8位となった。

同統計は、今年7ー9月に200以上の国・地域で発生したデータ漏洩を対象としており、公開データベース2万9,000件から情報を収集し、匿名化の上、統計分析したもの。

同社は声明で、マレーシアの情報漏洩件数は前期比144%増と急増し、1分あたり4件の個人情報が流出したことになるとし、また、流出密度(総漏洩数を人口で割った値)においても、1日あたり約5,436件と、ワースト5位となったと述べた。世界全体では、3,150万件の情報が流出した。ワースト1位は米国で810万件となった。次いで、2位はロシア(710万件)、3位はフランス(160万件)、4位は中国(140万件)、5位はメキシコ(120万件)だった。

サーフシャークのアグネスカ・サブロフスカヤ主任研究者は、今年第3四半期は、データ流出件数が全般的に減少しているが、毎分240件以上の個人情報が流出しているため、アカウントは日々管理し、またセキュリティ強化に向け2要素認証を導入するなどの対策を行うことを推奨すると述べた。また、万が一アカウントがハッキングされた場合には、パスワードの変更や銀行への連絡(クレジットカード情報が漏洩した場合)、端末のウイルスチェックを行い、流出したアカウントは削除することを勧めるとしている。
(ザ・スター電子版、12月6日、サーフシャーク発表資料)

1ー9月の投資認可額は6.6%増の2250億リンギ=MIDA

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア投資開発庁(MIDA)は6日、2023年1ー9月の累計投資認可額が前年同期から6.6%増の2,250億リンギとなったと明らかにした。これにより8万9,495人分の雇用が創出される見通しだ。

外国直接投資(FDI)が全体の55.9%に当たる1,257億リンギとなった。オランダが350億リンギでトップとなり、これに▽シンガポール(204億リンギ)▽米国(189億リンギ)▽ 中国(116億リンギ)▽日本(112億リンギ)ーーと続いた。一方、国内投資(DDI)は44.1%に当たる993億リンギだった。

州・地域別ではクアラルンプール(KL)が489億リンギで最も多く、以下は、▽ペナン州(449億リンギ)▽セランゴール州(416億リンギ)▽ケダ州(226億リンギ)▽ジョホール州(200億リンギ)ーーと続いた。

投資案件はサービス業、製造、一次産業の合計で3,949件に上った。セクター別ではサービス業が全体の52.3%に当たる1,177億リンギで最多。製造業が44.4%に当たる998億リンギ、一次産業が3.3%に当たる75億リンギとなった。

公共交通機関の利用者数が回復、 1日平均110万人に

【クアラルンプール】 公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアは、マレーシアの公共交通機関の利用者数が新型コロナ・パンデミック以降、回復を続けており、11月30日時点で1日平均110万人に達したと明らかにした。利用者数はパンデミック前の2020年初頭には約120万人に達していた。


軽便鉄道(LRT)、首都圏大量高速輸送(MRT)、クアラルンプール(KL)モノレールの鉄道路線の利用者数は平均83万5,119人、ラピッド・バスの利用者数は25万8,710人だった。MRTカジャン線の利用者数は22万5,705人、同プトラジャヤ線は12万7,872人にそれぞれ増加した。パンデミック以降の最高記録は11月22日の120万433人だった。


プラサラナは、サービスの可用性や設備の標準などユーザーの満足度を高めるための継続的な取り組みが利用者数の増加に貢献したとしている。LRTケラナジャヤ線では昨年9月から4両編成の新車両が投入され、3分間隔で運行されている。MRTカジャン線も列車の編成数が36本に増加。ラピッド・バスも現在762台のバスが、年末までに1,000台に増強される見込みだ。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、12月1日)

駐在員が住みやすい都市、クアラルンプールが8位に

【クアラルンプール】 ドイツに拠点を置く海外在住者向け交流サイト「インターネーションズ」が発表した2023年度版の駐在員が住みやすい都市ランキングで、クアラルンプール(KL)が49都市中8位になった。

同ランキングは、世界172カ国・地域に住む1万2,065人を対象に、生活の質、定着のしやすさ、仕事環境、住宅や言語などの基本的条件、家計で構成される5つの指標を数値化してランク付けしたもの。

KLは、家計で4位、基本的条件で5位となったが、定着のしやすさで12位、仕事環境で30位、生活の質で38位となったことが響いた。

1ー3位はマラガ、アリカンテ、バレンシアとなり、スペインが独占した。4位と5位はアラブ首長国連邦(UAE)のラス・アル・ハイマとアブダビだった。タイのバンコクは9位となった。最も住みにくい国はミラノ、2位はローマでトップ2はイタリアが占め、3位はカナダのバンクーバー。4位と5位はハンブルクとベルリンでドイツの都市がラインクインした。

今年のインフレ率予想、エコノミストらが下方修正

【クアラルンプール】 エコノミストらは、今年通年のヘッドライン・インフレ率予想を2.5ー2.7%に下方修正した。

MIDFリサーチは、当初3%としていた予想を2.7%に引き下げた。年初10カ月の食品の平均インフレ率が前年同期比5.3%となり、予測よりも伸び率が緩やかになるのが早かったためと下方修正の理由を説明した。

また、UOBも今年通年のヘッドライン・インフレ率予想を2.8%から2.5%に引き下げた。年末までに値上げ案は出ていないとして、ヘッドライン・インフレ率は下降傾向を維持し、11月と12月は平均で1.7%程度になる可能性が高いとし、下方修正を実施したと明らかにした。

一方でRHBは、今年通年の予想は2.6%で据え置いたが、2024年については3.3%と予想した。

統計局の発表によると、1ー10月の消費者物価指数(CPI=2010年を100として算出)は、前年同期比で2.7%上昇。10月単月でも前年同月比でプラス1.8%にとどまり、9月の1.9%、8月の2%から伸び率は減速した。
(エッジ、11月24日)

アンワル首相個人の支持率が50%に低下=ムルデカ調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 世論調査機関、ムルデカ・センターが発表した最新調査によると、経済を中心とした与党政権の政策に対する批判を背景に、アンワル・イブラヒム首相個人に対する支持率は50%に低下した。

同調査は10月4日から24日にかけて行われ、18歳以上の男女1,220人が回答した。アンワル首相の支持率は、政権発足直後の2022年12月は68%を記録したが、その後低下し、8月調査では55%まで下落していた。一方、政権発足当時に19%だった不支持率はその後上昇し、最新調査では43%となった。

国の方向性については、「正しい方向に向かっている」との回答はわずか31%で、「誤った方向に向かっている」は60%に達した。「誤った方向・・・」と回答した理由については、56%が「経済の懸念」を挙げ、政治的不安定(13%)を大きく引き離した。最大の懸念について「経済」だとする回答は77.8%に上り、「民族差別・二極化」(2.9%)、「リーダーシップの不足」(1.4%)を大きく引き離した。

民族別でみてもマレー系、華人、インド系はいずれも「誤った方向・・・」が「正しい方向・・・」を上回っており、中でもマレー系は67%が「誤った方向・・・」と答えた。年齢層別でみても、いずれの年齢層も「誤った方向・・・」が「正しい方向・・・」を上回った。

アンワル政権のパフォーマンスについては、「満足」は41%で、「不満」(41%)と同率。「怒っている」は7%に達した。政権発足直後は「満足」が54%に達していた。

民族別でみると、特にマレー系では「満足」は27%と低く、「不満」と「怒っている」の合計は60%に達した。ただ華人だけは「満足」が64%で、「不満」および「怒っている」を上回った。

売上サービス税率引き上げ、賛成はわずか17%=KPMG調査

【クアラルンプール】 来年度予算案に盛り込まれた売上・サービス税(SST)率を6%から8%に引き上げる政府方針について、会計・コンサルティング会社のKPMGが税務フォーラム参加者を対象に行った調査によると、半数以上がSST引き上げよりも物品・サービス税(GST)の復活を望むと答えた。

SST税率引き上げを支持したのはわずか17%で、32%が反対と回答。GSTの復活を望むとの回答は51%に上った。

マレーシア担当税務責任者のソー・リエンセン氏は調査結果についてコメントし、「こうした企業側の感情は、財政改善に向けた税制改革と、国民の福祉を後押しする取り組みの間でバランスをとろうと努力している政策立案者が直面している課題を浮き彫りにしている」と指摘した。

このほか調査では、マレーシアが導入すべき税制改革に関する質問に対して、過半数(69%)が政府が税務コンプライアンスとガバナンスを強化することを希望。次いで45%が税務行政の簡素化やESG主導の税制政策の推進を通じて税制政策を活用し、国内外の投資誘致を増やすことを希望した。このほか29%が、意識向上、教育、サービス、特別自主開示プログラム、税務上のコーポレートガバナンスの枠組みなどの概念に沿った協力的なコンプライアンスへの移行を望むと回答した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月10日)

マレーシアの総人口、第3四半期は1.8%増の3345万人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 統計局の人口動態統計によると、2023年第3四半期のマレーシアの総人口は推定3,345万1,500人となり、前年同期から1.8%増加した。

総人口のうち、男性は前年同期の1,720万人から1,750万人に、女性は1,570万人から1,600万人に増加した。人口性比(女性100人に対する男性の数)は、110だった。なお、外国人は前年同期の260万人から300万人に増えた。

出生数は11万354人で、前年同期から2.8%減少。内訳は、男児が5万7,260人、女児が5万3,094人だった。

死者数は4万6,646人で、前年同期に比べ10.0%減少。そのうち男性が2万6,520人、女性が2万126人だった。州・地域別ではセランゴール州が7,217人で、最多となった。年代別では60歳以上が3万2,417人で全体の69.5%を占めた。

新型コロナウイルス「Covid-19」による死者数は25人で、前年同期の603人より大幅に減少した。