【人生の知恵・仕事の知恵】Give a thought at GENBA

Give a thought at GENBA

 

★現場とGENBA

筆者は、日本企業の海外法人で現地社員の指導にあたるとき、日本と同じように現場の大切さを指導しています。

Go To Genba

とにかく現場で実際の状況を確認するようにアドバイスをしています。ところが最近は、報告もSNSが主体となって、それこそ、工場でのトラブルまでもSNSで報告をする習慣となって、現場写真を送ったことが、「現場の確認」になっている事態です。

 

★なぜ、現場に行かないのか

「とりあえば現場に行って欲しい」と表現をしても、全くその意図が伝わらず、行っても何もなかったらどうするのですか?とさえ聞き返されることがあります。

「何もないかもしれませんが、現場に行って実際にモノを見たり触ったり人に話を聞いたりすれば、問題の本質が掴める可能性が高まるでしょう?」と説明して、ようやく足を運びます。

そして、以下のようにも付け加えます。

「何もないかもしれませんが、現場に行って、実際のものに触る、人と話すなどすれば、問題解決の糸口は掴めますよ」。

 

★何をしないかではなく、何をするか

そうして現場に足を運ぶことに躊躇をするのは、何をやったではなく、何をしてはいけないのか、ばかりを植え付けられてきたせいもあるでしょう。

だから、冒険をするようなことを言っていなくても、未知の結果が出るかもしれないことは、さらに別の判断を求められるだけに、拒否をしたくなるのかもしれません。

現場主義を回復させるためには、できることを探す文化を醸成する必要があります。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 https://yuasatadao.com/about-us/presidents-greeting/【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

【人生の知恵・仕事の知恵】Talkative 5S

Talkative 5S

★海外で5Sを指導する

筆者は、20年以上、海外で5Sの指導も行なってきました。そうした経験を通じて海外で現地社員に5Sを実践してもらうためには、以下の3点が大切であると痛感します。

  • 5S全体とそれぞれのSについて目的を理解させる
  • 5Sを通じた最終ゴールを理解させる
  • 率直に問題を話し合う

上記は、日本でも同じ条件とは言えます。ただ、そこに海外独特の3つの阻害要因が邪魔をします。

  • トップマネジメントの指揮でしか動かない
  • 完全な分業意識である
  • マニュアルのない仕事に慣れていない

 

★相矛盾する中での格闘

5Sは全社活動です。全員が主体的に参加して実現できることは言うまでもありません。しかし、海外は個人主義の発想が強いため、他の職場に関する理解や、逆に他の職場に踏み込まれることを嫌います。

5Sを行うためには、日本の職場と正反対のベクトルです。そんな背景もあって、個人の成果を強調するSix Sigmaが展開されたものと推察します。

しかし、そうした異なった職場文化を持つ海外だからこそ、5Sを進めていく甲斐もありますし、意外と日本人が持たないような知恵も生まれるというものです。

 

★語る5S

また、日本のような「察する」文化のない海外では、「語って」5Sを理解させることが肝要です。

5Sの目的について語り尽くしたように思っても、まだ語り尽くしたと早計していけないところが、海外で5Sを指導する特徴です。日本では黙々と行われる5S活動も、海外でおしゃべりな5Sが求められます。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 https://yuasatadao.com/about-us/presidents-greeting/【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

【人生の知恵・仕事の知恵】San Gen Shugi

San Gen Shugi

★駅での出来事

日本国内のことですが、先日こんな事がありました。

電車を待ってプラットフォームに立っていると、手前で人身事故が起きたらしく、機械的なアナウンスが電車の遅延を伝えました。

何分遅れているのかわからないため、改札の駅員に尋ねようとしました。しかし最近は駅員がおられない駅も多く、当該駅も例外でないのか、改札付近に設置してあるインターホンで、電車がいつごろ到着するのか問い合わせました。

すると、どこかの駅のコールセンターにつながり、しばらく待って欲しいと言われ、その場所にいると、改札口付近の事務所から男性の駅員が現れました。

「なぜ、あなたは列車が遅延しているのに、外に出てきて乗客に状況を伝えないのか?」

驚いたというか呆れた筆者は現れた駅員にそう尋ねました。

 

★現実感を無くす職場

当該駅員の方は、筆者の問いかけが、あまりよくわかっておられない様子でした。通常のダイヤが乱れても、全て、手元にもった携帯端末の情報に依拠する姿は、災害などの緊急時の対応を危惧させるものでした。

海外の職場でも同じようなことが起きています。

現場の不良発生や不具合の発生は、全てSNSでやりとりし、実際に現場に行って確認をすることもありません。現場感覚が著しく衰えているのが現状だと思います。

 

★三現主義の復活

筆者は、常日頃から、現場・現実・現物という三現主義の大切さを強調していますが、現実的には、上記のように実際に現場に向かうとか、物をみるとか、人に話を聞くとか、といった行為は影を潜めがちになっています。

誰かが声高に「三現主義を大切に」と言わなければいけない時代です。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

【人生の知恵・仕事の知恵】Putting generational gap into perspective

Putting generational gap into perspective

★世代ギャップ

最近、海外の現地法人でも、世代間ギャップを口にする現地社員が増えました。しかもそれを口にするのは、年長の社員よりも、むしろ10歳以内の歳の差しかない社員が、「最近の若い子は」という言い方を口にします。

「最近の若い子はという言い方は、ピラミッドの中にも落書きで書いてあるぐらいですよ。決して今に始まったことではありません」

そう言ってたしなめつつ、部下指導のアドバイスをします。

★縦の関係に慣れていない世代

しかし、むしろ課題は「最近の若い世代」と口にする社員の方にあるように映ります。縦の関係に慣れていない世代のために、部下へ接し方がわからず、またさほど仕事力もないために明らかに若い部下に軽くあしらわれている傾向が見受けられます。

以前、若い世代は口にするさほど世代の変わらない上司が、部下に逐一報告をさせる必要があるのかと質問をされ、「信頼関係ができていれば、黙っていても報告しますよ」と答えたのは、当該上司の頼りなさからでした。

★候補が先細る時代

現実に物質文明にどっぷりと浸かった若い現地社員が、次世代の幹部として課題が多すぎるとすれば、日本人の40代、30代の海外で働ける管理者の候補が少ないだけに、組織自体の存続にさえ影響してきます。

次から次へと候補が見つかる時代でなくなる時代が、もうそこまできている中、人材育成の方向性も大転換を迫られます。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

【人生の知恵・仕事の知恵】Deliver your own message

Deliver your own message

★マネジメントコミュニケーション

今年に入って、新しい研修コースを始めました。「マネジメントコミュニケーション」というタイトルです。口頭でのコミュニケーションが希薄化していくビジネスシーンの中で、改めて、口頭によるコミュニケーションの大切さを学ぶと同時に、実践力を身につけることを目的とした研修です。

特にコロナ以降、ニューノーマルという生活習慣が定着し、会うよりも会わない、話すよりもメールでという選択が中心となり、仕事の進め方も、随分と変わってしまいました。だからこそ、「直接話すことが大切なんです」と強調することが求められる時代といえます。

★コミュニケーションの4原則

ピータードラッカーは、以下の4つの原則を持ってコミュニケーションは成立すると述べています。

原則1:コミュニケーションとは知覚である

原則2:コミュニケーションとは期待である

原則3:コミュニケーションとは要望である

原則4:コミュニケーションは情報ではない

平たくいえば、相手に意図や真意を伝えようとしない行動はコミュニケーションとはいえないということです。

★説得を嫌がる時代と感動の復活

筆者は研修でロールプレイを多用するのですが、最近は説得を嫌がる人材が増えました。そのため、流れに任されるままに仕事が進んでしまっている傾向があります。

その原因は、期待や要望についてのコミュニケーションの取り方次第で流れが変わる結果に影響を及ぼすという実体験が乏しいことも影響しています。

言葉から受ける感動を取り戻すことで、人間の強さを呼び覚ますことが可能となるのです。

 

湯浅忠雄の仕事の実績はこちらのWEBサイトより → https://yuasatadao.com/about-us/presidents-greeting/

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

【人生の知恵・仕事の知恵】Why are you in Malaysia ?

Why are you in Malaysia ?

★果たして日本の海外展開は成功だったのか?

1985年のプラザ合意による円高容認以降、海外に多くの日本企業が進出しました。特にマレーシアは、電器関係を中心として、日本に次ぐ第二の生産拠点の勢いで、生産移管が行われたことを、懐かしく思い出します。

赴任する日本人は青雲の志を抱き、また日本企業で働き始める現地社員は、日本企業から少しでも技術を覚えようという謙虚さに満ち溢れていました。その後、多くの生産拠点は中国に移管されるかもしくは縮小されました。

今、シャアラムやPJの周辺を車で移動していると往時を思い出しつつ、果たして日本企業の

海外展開は成功だったのだろうか、想いに馳せることがしばしばあります。

 

★日本企業が苦しんだマレーシアパターン

日本企業を苦しめたのは、マレーシア独特の、言って見れば、マレーシアパターンでした。日本人が大切にしてきたガンバリズムが最終的に否定され、現地社員自身から声の上がる「やはりマレーシアでは無理だ」という諦めというか割り切りにも似たような結論づけに、マレーシアの日本企業は、苦しめられてきた面があります。

また 「日本企業は自動的に給料が上がり、昇格できる」と信じている現地社員の声は、日本企業の貢献を考えると不当に軽んじられてきたように思います。

 

★日本企業にとってのマレーシア2.0

一方で、マレーシアの若い現地社員と話していると、上述したような日本企業を不当に軽んじる声は少なくなっているように映ります。

むしろ、どの企業で働くかよりも、自らの力を最大限に発揮できることに優先順位が高いという印象を受けます。そして、地元意識が高いです。

日本企業が迎えるマレーシア新時代は、意外と当初、多くの日本企業が思い描いたその国に貢献する産業報國にあるのかもしれません。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

【人生の知恵・仕事の知恵】Process From viewing to participating

Process From viewing to participating

★1 on 1研修の効用

オンライン研修が、シンガポールのような国では常態化しました。その延長で、筆者と受講者の二人だけという研修の機会が増えました。

受講者としては、他に気を遣うことなく、日頃の不安や悩みを筆者と共有できることから、オンラインというバーチャルな空間でありながらも、現実的な悩みの解決を促すことができます。

 

★問題はスマホの中

世界中、どの国を見渡しても、庶民の普段の行動様式は一律になりました。街を歩いていても、電車に乗っていても、かつては、読書をしたり誰かと語り合うという場面が見られました。しかし、今はほぼ全員、スマホの画面に夢中です。

寝てる時間以外は、全てスマホです。つまり、現実は本来バーチャルであるオンライン空間にあるだけに、ウエビナーも受講者との親和性がある時代なのかもしれません。

 

★観るから参加するに深化させる

一方で、バーチャルな空間は「観た」という消極的な姿でも、一応のお墨付きが得られることが難点です。当事者意識の拒否を機械的に受け入れてしまう仕組みが、ウエビナーの難点です。

それだけに、バーチャルな空間が新たな教育の場として定着していかなければいけないとすれば、受講人数も然り、あるいは進め方も然りで、観るだけでお墨付きをもらおうとする受講者をいかに参加を促すかが、ウエビナーそして現代の人間社会の課題とさえ言えます。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

【人生の知恵・仕事の知恵】Why do they have to report ?

Why do they have to report ?

★報告を促す方法

先日のマレーシアの研修で、現地の受講者から「部下に報告をしてもらうには、どうすれば良いのか?」といつ質問があって、以下のように答えました。

「一回や二回、報告するようにだけでは効果はありません。毎日、しつこいぐらいに報告をしてほしいと促さないと実行に移してもらえないですよ。とにかく、今日からでも、Report early , Bad news fast をどこか目につくところに張り出すなり、あるいは、今日の研修終了後、すぐに部下に今日の状況について報告をすべきです」とアドバイスをしました。

 

★なぜ、部下が報告をしないのか

一般的に部下が報告をしない理由には次の3つが挙げられます。

  • そのことについて報告をすべきだと知らなかった
  • 報告をしようと思っていたが、報告を躊躇った。
  • 報告の仕方がわからなかった。

特に海外の場合は、1番が多いです。そして、後でなんとかしてくれと泣きつくケースです。いずれにしろ、報告をしなければ、後になっては言い訳にもならない理由です。まずは報告をしつこいぐらいに促し義務と意識させることが肝要です。

 

★報連相は仕事のインフラ

そして、同時に大切なことは、報告をしてくれたことに業務の帰結について当人に明らかにすることです。なぜならば、報連相は仕事の進め方であるという理解を促さないといけないからです。

報告を終えただけで責任を終えたというような発想は、どうしても仕事全体への当事者意識が持てません。報連相は仕事のインフラであり、すでにインストールされていることを自覚させることが大切です。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

 

【人生の知恵・仕事の知恵】Quality of word

Quality of word

★管理者の悩み

最近、新しい研修のテーマをクライアントと打ち合わせをしていると、特にローカルスタッフの担当者からは、「難しい部下との接した方を教えて欲しい」という内容が増えました。いわく、「若い世代は、はっきりと物をいうので対応に困る」というものが一般的です。

筆者が具体例をヒアリングすると、必ずしも部下に責任があるとは思えない事例が大半で意地の悪いような表現をすれば、「部下に責任をねじ込ませようとして」しまうあまりに信頼関係が損なわれてしまうという傾向が伺えました。

 

★希薄化する上下関係

もう一つの原因は、上司も部下も、最近の人との付き合い方は、リアルは限られた気の合う人たちで、SNSなどでは匿名での接点であるため、「リアルの上下関係」における耐性が薄いということも挙げられます。

従って、ネガティブな言葉を平気で投げかける、あるいはそれを受けて傷つきやすい傾向があるとも言えるでしょう。

言ってみれば、組織に入ってはじめて上下関係を学ぶ「上下関係初心者」が多いため、強い言い回しを避ける、あるいは耐えられないケースが多いのだと観察しています。

 

★言葉の重みを知る

上下関係が希薄化することで、言葉の重みも薄まります。自分の投げかける言葉で相手が傷つくことを想像することや、逆に、多少の厳しい表現も、その真意を理解することは、リアルの人間関係を円滑に行うために大切です。

言葉には質感があることを学ばなければいけない時代です。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

【人生の知恵・仕事の知恵】Rebuild relationship

Rebuild relationship

★現場指導のあり方

先日、ある会社で現場指導についての話題になりました。

第一線監督者が現場のオペレーターを強く怒るため萎縮するということから、どう指導したら良いかという議論です。

筆者がその場でヒアリングしたいくつかの事例に基づくと、監督者とオペレーターの信頼関係に問題があると伺えました。

そのためにいくつかの解決策の提案をしたのですが、結論からするとどうやらもっと手前に問題があると判明しました。

 

★劣化するヒューマンスキル

スマホを手放せない現代人は、リアルのコミュニケーションとのバランスを考えないといけません。それは工場における人材管理も同様です。

意識的な社員への声かけはどんな時代でも必要ですが、スマホをかたときでも離せない現代人には難題です。結局、お互い話せないまま、スマホの画面に目が映ります。

同じことは工場の現場でも起きています。もちろん、現場内で作業中はスマホ禁止ですが、リアルなチャットに馴れていないため、お互いの簡単な会話さえも脇に追いやられてしまいます。

そのため、問題が起きると、相手のリアルな感情を顧みず、怒鳴ったり傷つく言葉を投げかけたりするのです。

 

★挨拶から再スタート

そう考えますと、まずは挨拶からやり直すことが現場での人間関係でも大切だと思います。

スマホ脳を休止させ、直接会話脳を刺激するためには、挨拶の5原則(笑顔で相手の目を見て、大きな声で、相手の名前を呼んで、自分から声をかける)を励行し、会話のキャッチボールから慣れていくことが肝要です。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)