★適材適所
先日、あるクライアントで部門責任者の交代がありました。明らかに適性を欠くと思われたので、本人に自覚を確認したところ、大丈夫ということでした。
しかし、上司の次の一言が引っかかり、再考するようにお願いしました。
「彼も、その立場になれば、役割を果たせるだろう。あとは部下たちが支えればいい」
★ミス配置は、最大のリスク
いうまでもなく、役職についてからパフォーマンスを期待するのではなく、そのパフォーマンスが期待できるから登用するのです。
しかし、例えば、人材がいないとか、急を要する時に、「あとは部下が支えれば良い」という部下に過度な負担を強いる人事をすれば、悪しき前例を作るだけではなく、能力不足の上司が基準となってしまいます。
★バーをあげる
人材を登用するとき、適任者がいないという状態を避けるためには、常日頃から、オール3のパフォーマンスを求めるのではなく、本人が少し背伸びをしないと届かないような仕事をやってもらう、あるいは挑戦するように仕向けることが肝要です。
普段から指示待ちの仕事しかしていない社員に、イニシアチブを取らないといけない仕事や、全体を見渡すような役割を求めることは、いくら本人ができると言ってもやらせるべきではありません(その組織が、そういう人を求めているなら別ですが。。。)
日頃から次の登用を考えた人材の育成が求められます。
湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください) |